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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第五十二話








――1942年九月下旬トリポリ――


「ヤーパンのおかげでエジプトのイギリス軍の進撃は止まっている。今がチャンスだ」


 トリポリの司令部でエルヴィン・ロンメル中将はそう発言した。


「独・日・伊で共同作戦でエジプトを落とす。ジブチにいるヤーパンには紅海からカイロのモントゴメリーを攻撃してもらう」


 ロンメルはニヤリと笑う。


「ヤー。直ちにヤーパンに連絡します」


「うむ」


 部下が頷いたのを見たロンメルは司令部を出て用意していたフィーゼラーFi156C連絡機(通称シュトルヒ)に乗り込んで再び前線へと向かったのである。


 一方、ジブチには第二機動艦隊が停泊していた。


「ロンメルからの支援要請だ。これはやった方がいいと思うが?」


 山口長官は将樹に聞いた。


「是非ともやるべきでしょう」


 将樹はそう言う、伊崎参謀長や奥宮航空参謀も同様の意見だった。


「……よし、カイロを爆撃しよう」


 山口長官はそう決断して三国共同による作戦が開始された。


 第二機動艦隊は必要な物資を積み込んでジブチを出撃。


 ドイツ、イタリア軍はイギリス軍に対して猛攻を始めた。


「何なんだ今日のジェリーはッ!? いつもより攻撃が激しいぞッ!!」


 巡航戦車クルセイダーの戦車長はそうぼやいた。


 接近してくる四号戦車長砲身型や三号戦車J型は死に物狂いでクルセイダーやマチルダを狙う。


「チョビ髭が何かしたのか?」


 戦車長はそう思ったが、彼が乗る巡航戦車クルセイダーは突破してきた四号戦車長砲身型に装甲を貫かれて行動を停止したのであった。





――カイロ、イギリス軍司令部――


「何? ドイツ軍の攻勢が以前より激しいだと?」


 カイロにあるイギリス軍司令部でバーナード・モントゴメリー中将は部下からの報告に首を傾げた。


「ロンメルめ、とうとう自暴自棄にでもなったのか?」


 モントゴメリーの言葉に司令部にいた人間は苦笑する。


「まぁいい。前線が崩壊しそうなところは直ぐに逃げて防御陣地の再構築をさせろ。忌々しいジャップのせいで補給が届かないからな」


 モントゴメリーは悔しそうに言う。


 カイロにいるイギリス軍にはまだ、十分な物資があった。


 しかし、ジブチを押さえられては物資や燃料は次第に乏しくなってくる。


「ヤンキーがジャップの空母部隊を叩いていればいいものを……」


 参謀の一人がそう愚痴を漏らす。


「無いものねだりをしてはいかん。今はジェリーを潰すのが先決だ」


 しかし、モントゴメリーも三国が共同作戦を取っているなどこの時は思いもしなかった。





 作戦が開始されてから二日後、ジブチを出撃した山口中将の第二機動艦隊はアンダブ海峡を抜けて紅海に入りクセイルの沖合いにいた。


「既にイギリス軍も此方を察知しているだろう。奥宮、攻撃隊の発艦準備は?」


「何時でも行けます」


 既に各空母の飛行甲板には攻撃隊が整列をしていて後は山口長官の命令だけだった。


「よし、全機発艦ッ!! 歴史文化財は破壊するなよッ!!」


 山口長官は発艦命令を出し、パイロット達が愛機へと駆け寄り、席に座って準備をする。


 パイロットがエンジンを起動すると、既に試運転していたエンジンがプロペラを回しだした。


 準備が完了すると、発着艦指揮所にいた士官が白旗を振る。


 白旗が振られると一番最初の零戦が発艦していく。


 他の空母でも次々と零戦が発艦していく。


「……無事に成功してほしいですね」


 将樹が発艦していく零戦を見ながらそう呟いた。


「……成功させねばならん。少しでもドイツ軍の荷を楽にさせてアメリカと戦わねばならんからな」


 将樹の隣にいた山口長官はそう答えた。


 カイロへ向かう攻撃隊は零戦七二機、九九式艦爆九十機、九七式艦攻九十機の編成であり攻撃隊隊長は翔鶴飛行隊長の高橋少佐である。


「……よし、対空戦の準備をしろ。零戦の補用機も全て出せるようにしておくんだッ!!」


 攻撃隊が水平線まで見送ると、第二機動艦隊は対空戦の準備に入った。


 一方、カイロのイギリス軍司令部は混乱していた。


「クセイル沖合いにジャップの機動艦隊がいるだとッ!?」


 司令部にいたモントゴメリーが絶叫する。


「馬鹿な……奴等はまだジブチにいるのではないのか? いくらジブチを占領したからと言っても速すぎるぞッ!!」


 モントゴメリーの言葉は当然だった。


 日本軍は史実の敗戦を戦訓にして敵地を占領後は早期に使用出来るように機械化された工作部隊とタンカーを上陸船団に編入していた。


 ジブチ攻略時に随伴したタンカーは十二隻、更に第二機動艦隊が連れて来たタンカーは十隻と第二機動艦隊の腹を満腹させるだけの重油と航空ガソリンはあったのだ。


「戦闘機を上げろッ!! ジャップをカイロに近づけさせてはならんッ!!」


 モントゴメリーは叫ぶ。


「(ジャップは一体どうやって艦隊を動かしているんだッ!! まさか魔法でも使っているのか? ……クレイジー過ぎる……)」


 慌ただしくなる司令部内でモントゴメリーはそう思った。


 完全に油断していたイギリス軍は慌ててハリケーンやアメリカから輸出されたP-40戦闘機が航空基地から離陸していく。


 が、ハリケーンやP-40では零戦三二型に勝つ事は到底不可能な事であった。










御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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