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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第五十一話







「ジブチがジャップに占領されただとッ!?」


 ロンドンで報告を聞いたチャーチルは驚いた。


 まさか日本がアフリカの一部を占領しようなど思わなかったのだ。


「それとソコトラ島も占領されています」


「……ジャップめ、エジプトの我が軍を干上がらす気だな」


 チャーチルは悔しそうな表情をして葉巻を食わえて火を付ける。


 紫煙は天井に向かう。


「……モントゴメリーは何と言っている?」


「補給が来なければドイツ軍の猛攻に耐えられないと言っています」


 部下は報告書を見ながらそう答えた。


「……不味い……これは不味すぎるぞ」


 チャーチルは頭を抱えた。


「ルーズベルトに要請しようにも向こうも正規空母は僅か二隻しかいない。ジャップの正規空母はまだ多数いる……果たして輸送船団を送れるかどうかだが……」


「海軍も予想ではゼロに近いと言っています」


 部下が補足する。


「ぬぅ」


 チャーチルは唸るが、良案が出る事は無かった。






――東京――


「無事にジブチを占領出来たか」


「あぁ、南遣艦隊は既に港や飛行場の構築を始めているようだ」


 会合に集まった山本の言葉に嶋田次官が頷いた。


「対エジプト攻略の輸送船団はもうすぐシンガポールに到着するが……これはブラフでいいのかね?」


 東條が山本に聞いた。


「はい。流石にエジプトまで行かせるのは燃料も厳しいです」


「なら……」


「よくてオーストラリアがインド攻略でしょう」


 山本の言葉に東條達はざわめく。


「インドは無理に攻略するのではなく、ボースやガンジー、ネルーを利用してインド国内での反乱をサポートするのが関の山でしょう」


「むしろ……オーストラリアを狙う方がいいと?」


「オーストラリアは攻略する前にイギリスからの脱退と貿易の再開を求めてそれを拒否するならオーストラリアの各地の港を攻撃してオーストラリアを干上がらせて降伏するのを待つのが最善でしょう」


 山本はそう説明する。


「……確かに。それにマスコミの言うことを聞かなくて済むから多少は楽だな」


『ハハハ』


 東條の言葉に山本達が笑う。


 ミッドウェー海戦後、マスコミは国民を不安に陥れて日本軍の行動を制限させたとして多くの記者や関係者達が刑務所に放り込まれた。(また、危険思想な人物は闇に葬られたりする)


 陛下もラジオ演説をして日本は戦争をしているがアメリカが直接攻めてこないという保障は無いが、軍は国民のために頑張っているので自重してほしいと述べた。


 このラジオ演説に国民は平身低頭をしてむやみに騒ぐ事は少なくなり、結束力を強めるのであった。


 また、高速道路の早期開通のために全国の刑務所から模範囚を集めて道路建築に駆り出した。


 更に各地の刑務所内に田畑等の農園を作って食糧の確保を勤めている。


「兎も角、これでマスコミには余計な事がされる事は無くなった」


「後は南雲の南遣艦隊、角田の機動部隊と第二機動艦隊を入れ換えねばな」


 セイロン島に停泊していた第二機動艦隊は必要な物資を積み込んでセイロン島を出撃していた。


 南雲中将の南遣艦隊は、第二機動艦隊がソコトラ島を通過した時にジブチを出港する予定である。


 なお、第二機動艦隊は時間が無かったため零戦三二型だけ機種転換をしている。


「……最悪、第二機動艦隊はジブラルタルまで行くかもしれんな……」


 山本は世界地図を見ながらそう呟いた。


 エジプトをドイツ軍が攻略出来たとしても、地中海の入口であるジブラルタルにはイギリスのH部隊がいた。


 これを撃破しない限り、ドイツ本国に戦艦を回航する事が出来ないのだ。


「ヒュットマン特命全権公使からの報告では、海軍のレーダー長官が大半のUボートを投入してジブラルタルのH部隊を攻撃する構えだ」


 嶋田次官が言う。


「……ジブラルタルの攻撃も視野に入れておくべきだな」


 堀長官はそう呟いた。





 それから二日後、第二機動艦隊はソコトラ島を通過していた。


「ソコトラ島を通過します」


「うむ。ジブチの南遣艦隊に連絡しておけ」


「分かりました」


 伊崎参謀長が頷いて直ぐ様指示を出す。


 ソコトラ島通過の電文をキャッチした南雲中将の南遣艦隊は直ぐにジブチを出港した。


 そして一日後、両艦隊は互いにすれ違った。


『帽振れェッ!!』


 すれ違う両艦隊の乗組員が甲板に出て互いに無事を祈る。


 重巡八雲の艦橋では南雲中将が旗艦翔鶴に敬礼をしていた。


「……漸くの骨休みだ。我々が帰ってくるまでインド洋は任せたぞ山口よ……」


 徐々に水平線へと消えていく第二機動艦隊に南雲中将はそう呟いた。


 第二機動艦隊は更に一日後にジブチへと入港した。


「熱ぅ〜〜」


 将樹が飛行甲板に立ちながら団扇をパタパタと扇いでいた。


「熱すぎてやってられへんわ……」


「……それに関しては同感だな」


 将樹の言葉に同じく団扇で扇いでいる桐野少佐が頷いた。


「……イギリス軍はどう出るやろ……」


「さぁな。ま、死に物狂いなのは確かだな」


 桐野少佐はそう呟く。


「直接カイロを攻撃かなぁ」


 将樹は日陰になっている場所に座り込む。


 ジブチに第二機動艦隊が入港したことでエジプトのイギリス軍は大慌てであった。









御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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