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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第五十話







 会合を後にした山本首相と堀長官は直ぐにドイツ大使館に乗り込んで特命全権公使であるハインベルト・ヒュットマンと会い、イギリスの老齢戦艦の提供を公表した。


 ヒュットマン公使は戦艦の提供に驚きつつもドイツ本国に知らせた。






「やったぞッ!! ジョンブルの老齢戦艦ではあるが戦艦が手に入るッ!!」


 ドイツ海軍省の長官室で報告を聞いたレーダー元帥が喜んでいた。


「それに機関も日本のに入れ換えられているから高速化もそれなりに期待出来る。日本の機関も空母キールが使用しているから扱いが熟知している乗組員を優先に配備させよう」


 レーダーは戦艦が来る事に待ち遠しかった。


 しかし、それにも懸念はある。


 エジプトにはまだイギリス軍がいるからである。


 だが、エジプトにいるイギリス軍の補給は少なかった。


 セイロン島にいる南雲中将の南遣艦隊とアッヅ環礁にいる清水中将の第六艦隊の第二潜水戦隊がインド洋で大暴れをしており、満足な補給は出来ていなかったのだ。


 そしてその補給を完全に断ち切るために南遣艦隊を主導にしたジブチ攻略作戦が決定された。


 兵力は陸軍から二個師団と九七式中戦車と百式軽戦車が一個連隊ずつだった。


 部隊は横須賀で待機していた高速輸送船団に乗り込んで出撃した。


 この時、東京〜横須賀間には高速道路が完成しており物資や兵力の移動もこれまでより約二倍近く早める事が出来た。


 作戦決行日は八月下旬としていた。


 ドイツ大使館にもそれまで粘っていてほしいと打診している。


 更に新たにエジプトへ直接上陸するために五個師団と第一戦車師団の投入が決定された。


 この戦車師団はほぼ史実の戦車師団であり、砲戦車中隊はまだ無かったが軽戦車は一個中隊で十五両、中戦車は一個中隊で十八両に編成していた。


 なお、第一戦車師団にはノモンハンで戦車戦をしていた牟田口中将が就任していた。


 また、航路の安全のために海軍陸戦隊二個大隊、陸軍から一個連隊と零式軽戦車一個中隊がソコトラ島の占領を計画している。


 空母部隊であるが、第一機動艦隊は暫くは編成となり生き残っていた四空母のパイロットは練習航空隊の教官となりヒヨコを海鷲に育てている。


 空母飛龍も一時的にだが練習航空隊の練習空母となり訓練に勤しんでいた。


 戦没した空母加賀と蒼龍の乗組員は捕獲した空母ヨークタウンの乗組員として補充され、余った乗組員は新型空母の大鳳乗組員としている。


 戦艦部隊のうち、伊勢と日向はトラックに派遣されて修理が終わった祥鳳と瑞鳳と共に南方への睨みを効かしていた。


 史実で日本軍の餓島となったガダルカナル島はブルドーザー等の機械化した工兵部隊を史実より早い六月に送り込んで飛行場の整備をしており既に飛行場は完成していた。


 ガダルカナル島には陸海の飛行隊が進出していてニューヘブリディーズ諸島等への睨みを効かしていた。





 一方、アメリカは日本のそれらの動きを読みつつも反撃には出なかった。


 いや出られなかったのだ。


 なにせ、ミッドウェーで四空母を失い、残っているのは伊号潜水艦からの雷撃で大破して修理中のサラトガと大西洋にいる空母レンジャーしか無かったのだ。


「……最悪の場合、オーストラリアは見捨てる事になります」


「……………」


 キング作戦部長の報告にルーズベルトは四六時中しかめっ面をしている。


「……やむを得んな。マッカーサーには脱出する準備だけはしておくように言っておけ」


「分かりました」


 キング作戦部長は頷いて大統領室を出た。


「……何故だッ!! 何故アメリカはジャップなんかに負けているんだッ!!」


 ルーズベルトは机を強く叩いた。


「一年間……一年間はジャップの好きにさせておこう。その間に我々はエセックス級空母を大量に太平洋に投入してやる」


 ルーズベルトはそう言って笑った。


 しかし、この決断が後にアメリカ合衆国を更なる悲劇にしてしまう事にはルーズベルト自身もこの時は気付いていなかった。


 そして八月下旬。


 遂にジブチ攻略作戦が開始された。


 この時、山口長官の第二機動艦隊はセイロン島に到着したばかりであったが攻略を任された南遣艦隊は張り切っていた。


 しかしジブチにいた自由フランス軍とイギリス軍は圧倒的な南遣艦隊の戦力の前に士気は低下。


 角田機動部隊は飛行場を徹底的に攻撃して制空権を日本側に移させた。


 南雲中将は艦砲射撃をするために重巡部隊をジブチの港に接近させて射撃を開始した。


 戦艦より威力は小さいがそれでも陸上からの人間には巨砲である二十.三サンチ砲は三式弾を発射して施設を破壊していく。


 一時間にも及んだ艦砲射撃はジブチ港の防御陣地を徹底的に破壊した。


 そして沖合いに待機していた輸送船団から大発等の上陸舟艇が発進してジブチ港に殺到した。


 陸軍はこれまでの戦訓から歩兵と一緒に九七式中戦車の上陸させた。


 九七式中戦車の上陸にイギリス軍と自由フランス軍はM3中戦車を投入するが全て九七式中戦車に撃破された。


 そしてイギリス、自由フランス軍の士気は最低にまで落ちて遂に司令部に白旗が掲げられたのであった。


 日本軍がアフリカに上陸してその一部を占領した瞬間だった。









御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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