表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
反逆の日章旗  作者: 零戦
43/132

第四十三話






――五月二十日東京――


 MO攻略作戦後、将樹と桐野少佐は二式大艇を利用して日本に帰国していた。


「……無事にポートモレスビーを占領したか」


 料亭に集まった面々の中で山本がそう呟いた。


「ですが、祥鳳と千歳は損傷しました。MI作戦に支障が出るかもしれません」


 将樹はそう言う。


「祥鳳は爆弾一発だと聞いたが?」


「爆弾の威力が大きいため修理に時間が掛かります。六十キロ爆弾ならまだ話は別ですが……」


「となると……二隻は作戦から外すしかないな。第一機動艦隊には瑞鳳を回すしかない」


 堀長官はそう判断した。


 祥鳳と瑞鳳はMO作戦後に防空空母として第一機動艦隊に配備させる予定だったのだ。


「山本さん……やはり駄目なんですか?」


「……あぁ、マスコミの馬鹿どもが国民を囃し立てている。もはやMI作戦は史実同様の六月五日から七日に実施予定だ」


 堀長官がそう吐き捨てた。


 東京空襲後、マスコミは挙って陸海軍を非難した。


 それに応えるように国民も陸海軍を非難したのだ。


 マスコミの思わぬ反撃に山本五十六は頭を悩ませる事になるが陛下が国民に自重するように発言をしてこの問題は直ぐに終息する事になる。


 しかしマスコミは東京空襲をした米機動部隊の殲滅を陸海軍に無理矢理約束させた。


 更に何処から入手したのかは分からないがMI作戦を発表して早期攻略を陸海軍にうんと言わしたのである。


 これには山本達も呆れ、MI作戦後にマスコミの膿を一掃する事が決定されたのである。


「……マスコミはやっぱマスゴミやったわけやな……」


 将樹は溜め息を吐いた。


「角田機動部隊の援護を貰おうと思ったがマスコミのせいで全て水に流れた」


 堀長官も将樹同様に溜め息を吐いた。


 ちなみに陸海軍が構想していたMI作戦の日程は七月下旬としていた。


 これは角田機動部隊も加わった上での作戦であった。


「兎も角、ここは頭を絞って史実のMI作戦みたいにならないようにしよう」


 締めくくりで言った山本の言葉に皆が頷いたのであった。


 会合が終わった時、既に時刻は朝の六時半を指していた。


「こりゃぁいかん。また女将達に怒られるな」


『ハハハッ!!』


 山本の言葉に皆が笑う。


「楠木君はこれからどうするのかね?」


「はい、今日は下宿先に帰って休んでいます。そのまま明日、トラックに帰ります」


「うむ、気を付けてな」


「はい」


 将樹と桐野少佐は山本達と別れて汽車で横須賀に向かった。





 横須賀駅で二人が降りると二人は家に向かう。


「取りあえずは復興してきたな」


 将樹は辺りを見ながらそう呟いた。


 東京空襲で横須賀市には爆弾が五発落とされて家屋が八十程燃やされた。


 家屋を失った人には政府が支援金を出して復興の手助けをしていた。


「ん? 桜花とクロエ?」


 将樹達は前方から買い物袋を持った桜花とクロエを見つけた。


「にゃ? 海軍省の用事は終わったのかい?」


 クロエが将樹達を見つけて寄ってくる。


 ちなみに桜花とクロエに会合へ行く時は陸海軍省に用事があると言って出てきているのである。


「まぁな。朝早くから買い物か?」


「あぁ、配給の酒が朝からやっていたのでな」


 左目に白い眼帯をした桜花が将樹達に酒が入った買い物袋を見せる。


「そうか。もう買い物は終わりか? 俺と将樹は今から帰る予定だが」


「私らも買い物は終わったから帰るよ」


 そして四人が歩いている時、周りからヒソヒソと小声が聞こえていた。


「……あの人なの? 爆弾で左目を失ったの?」


「そうらしいわよ。彼女も運が無いわね、左目を失ったせいでお見合いも出来ないみたいよね」


「じゃあもう婚姻も無理のようね。美人で少し人気があったらしいけど」


「不便ねぇ」


「……………」


 周りからの小声に桜花はギュッと左手を握り締めた。


「……ッ!!」


 それを見た桐野少佐がヒソヒソと話をしている主婦達に文句を言おうとした時、将樹が桐野少佐を止めた。


「止めとけ桐野少佐。あいつらに何を言っても無駄や。馬鹿に付ける薬は無いんや、ん?」


 将樹の言葉に反論しようと主婦達に将樹が睨み付ける。


 主婦達はそのままそそくさと何処かへと行った。


「……済まない」


「ええって。気にするな」


 謝る桐野少佐に将樹はそう言った。


「………(ありがとう将樹)」


 桜花は心の中で将樹に礼を言った。


「ま、嫌な時は酒でも飲んで紛らわそうや」


 将樹はそう言った。


 そして四人は家に戻った。





「飲むにゃあ〜♪」


「ゲ、クロエが猫化してんぞ」


「誰やねん飲ました奴は……」


「無論私だ」


「ドヤ顔すんなッ!!」


 数時間経った夕食時にクロエが酒を飲んで既にスイッチが入っていた。


「にゃふ〜ん♪」


「わ、ク、クロエッ!?」


 酔ったクロエが将樹に抱きついて、将樹の胸元で顔をスリスリとしている。


「……ち……」


 桜花がコッソリと舌打ちをする。


「よし、桜花。俺の胸で泣けッ!!」


「死ねッ!! 馬鹿兄上ッ!!」


「ふっとばじゃーッ!!」


「無茶しやがって……」


「飲むぞ将樹ッ!!」


「お、おぅ」


 桜花が将樹の小瓶に日本酒を注ぎ込む。


「今日はまぁええか」





 翌日、将樹が起きると桜花、クロエの二人が抱きついて寝ていた。


 ちなみに桐野少佐はす巻きにされて厠に放り込まれていたりする。


 桐野少佐は何があったかは何も語る事は無かった。










御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ