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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第四十話








「撃て撃て撃てッ!! ジャップを近づけさせるなッ!!」


 空母レキシントンの高角砲員が叫ぶ。


 レキシントンはスコールへ逃れるために必死に対空砲火を放っていた。


 上空はレキシントンが放つ高角砲の弾幕でレキシントンの周囲は黒くなっていた。


 レキシントンと行動を共にしている空母ヨークタウンは一足先にスコールの中へ潜り込んでいた。


「……ジャップもやるようだな」


 空母レキシントンの艦橋で戦況を見ていた艦長がポツリと呟いた。


「ジョンブルやエンタープライズがやられたのがよく分かります」


 自らが舵を握っている航海長が呟く。


「上空にヴァルッ!!」


「ッ!?」


 見張り員の叫び声にレキシントン艦長は咄嗟に上空を見た。


 上空には固定脚の爆撃機であるヴァル(九九式艦爆)が急降下を開始していた。







「高度千二百ッ!!」


 急降下をする高橋機の後部座席に座る偵察員が高度を高橋に伝える。


ズガアァァァーーンッ!!


「四番機直撃弾ッ!!」


 急降下をしていた高橋の中隊の四番機がレキシントンの高角砲が放った高角砲弾の直撃を受けた。


 四番機は勿論バラバラに砕け、パイロットと偵察員は肉片も骨も残らない戦死だった。


「高度八百ッ!!」


「………もうちょっとだ……」


 高橋はそう言いながら、レキシントンの飛行甲板を見つめる。


「高度五百ッ!!」


「投下ッ!!」


 偵察員が高度五百を読み上げた瞬間、高橋は爆弾投下索を引いて、二百五十キロ爆弾を投下した。


 高橋は操縦桿を引いて機体を上昇させる。


「命中しましたッ!!」


 偵察員の報告に、意識が失いかけになりながらも高橋は首を捻って後ろを見ると、レキシントンの飛行甲板に二百五十キロ爆弾が命中して火災を発生させていた。


 更に二番機、三番機と次々と高橋の列機がレキシントンの飛行甲板に二百五十キロ爆弾を命中させる。


「隊長。七発は命中してますよッ!!」


 状況を見ていた偵察員が高橋に言う。


「これで艦攻隊が突撃をして魚雷を命中させたらレキシントンは終わりだな」


 高橋少佐はそう言いながら周囲を見る。


 周囲には敵機の姿は見当たらず、味方の零戦隊しか見当たらなかった。


「……ふう(どうやら俺が此処で死ぬ事は無いようだな)」


 もう一度、周囲を見てから高橋少佐はホッと息を吐いた。


「た、隊長ッ!! レキシントンを見て下さいッ!!」


「ん? ………くそ、逃げられたか………」


 偵察員の言葉に高橋はレキシントンを見るが、レキシントンはスコールの中へ隠れてしまった。


 残ったのは逃げ遅れている重巡一、駆逐艦四隻だった。


「………仕方ない。爆弾と魚雷を投下していない機はあいつらにかかれッ!!」


 高橋少佐の命令を受信した機は、逃げ遅れている重巡と駆逐艦に襲い掛かった。







 一方、第二機動艦隊では猛烈な迎撃戦が展開されていた。


「何としてでも米軍の攻撃隊を空母に近づけさせるなッ!!」


 零戦の操縦席で将樹が無線機に向かって叫ぶ。


 飛来した米軍の攻撃隊は第一迎撃隊の活躍もあったようで約八十機あまりだった。


「チィッ!!」


 将樹が後方を振り返る。


 そこにはワイルドキャットが将樹を追尾していた。


 絶好の位置に着いたワイルドキャットが十二.七ミリ機銃を放つ。


 ワイルドキャットの放った弾丸は零戦の右翼に当たり、跳弾となる。


「ちぃ、当てやがったなこの野郎ッ!!」


 将樹は機体を左に傾けて左旋回に入る。


 史実より旋回性能は低いが、ワイルドキャットと比べると圧倒的である零戦二一型はワイルドキャットの後方に回り込んだ。


「墜ちろォッ!!」


 将樹は二十ミリ機銃の発射レバーを握る。


 至近距離から撃ち込んだ二十ミリ弾が操縦席付近に命中し、ワイルドキャットはふらふらしながら海面に落ちていく。


「これで今日は二機目やな」


 将樹がそう呟いた時、爆発音が聞こえた。


「………くそッ!!」


 空母日進が爆撃を受けて炎上していた。


『マサキッ!! 後方からワイルドキャットッ!!』


 その時、無線機からクロエの叫び声が聞こえた。


「げ」


 将樹が後ろを振り向くと二機のワイルドキャットが射撃しようとしていた。


 将樹は咄嗟にフラップを開いて操縦桿を左に倒して左旋回に入る。


 ワイルドキャットは将樹がさっきまでいたところに銃撃をした。


 今の将樹の左旋回に着いてこれず、思わず何も無い場所に銃撃したのである。


『マサキ、一緒にやるよ』


「分かっとる」


 将樹は後方にいたクロエと合流して下方銃撃しようとする。


「貰ったッ!!」


 射爆照準器に写ったワイルドキャットのエンジンに機首の十二.七ミリ機銃弾を叩き込んだ。


 十二.七ミリ機銃弾はワイルドキャットのエンジンを貫き、エンジンから火が噴いた。


 火は瞬く間に黒煙へと変わり、エンジンをやられたワイルドキャットのパイロットはパラシュートで脱出。


 人間がいないワイルドキャットは海面に落ちていく。


 無論クロエもワイルドキャットを撃墜させた。


「これ以上やらしてたまるかッ!!」


 将樹は新たな獲物を求めてクロエと共に空戦に加わった。











御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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