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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第三十三話







――四月十二日、東京海軍省――


「先程第二機動艦隊から電文が来た。アッヅ環礁は占領して撃破されていたイギリス東洋艦隊を捕獲したそうだ」


「そうですか。これで後はセイロン島だけですね」


 海軍大臣室で将樹は山本五十六から報告を聞いていた。


「セイロン島も後一週間で占領出来そうな予定だ。海軍としては戦艦五隻、空母三隻を捕獲したのが嬉しいがね」


 山本はそう言った。


 アッヅ環礁は第二機動艦隊からの攻撃隊により基地機能を喪失していた。


 イギリス東洋艦隊司令長官のソマービル大将は無傷だった駆逐艦五隻、高速輸送船二隻で脱出をしてマダガスカル島へ逃げていた。


 そしてアッヅ環礁に第二機動艦隊に護衛された高速輸送船団が上陸部隊を吐き出して僅か二日でアッヅ環礁を占領した。


 高速輸送船団に同行していた工作艦明石と三原は損傷して放棄されていたイギリス東洋艦隊の艦艇の修理を開始した。


 今はベンガル湾で通商破壊作戦を終えた南遣艦隊の角田機動部隊がアッヅ環礁に停泊してインド洋の睨みを効かしていた。


「イギリス東洋艦隊の修理は暫くはかかるだろう。セイロン島にいる第一機動艦隊はトリンコマリーに陸軍一個飛行集団と海軍二個航空隊を送れば帰還させる予定だ」


 山本はそう言う。


「問題は……」


「……帝都空襲かね?」


「……はい」


 山本の言葉に将樹は頷いた。


「一応は電探基地を建設して警戒網を作っていますが……」


「どうなるかは分からない……か」


 山本はそう呟いた。


「……俺の予想からしてアメリカは警戒網をすり抜けて帝都空襲をするだろう。士気が低いアメリカ国民を高めるためには多少の危険は無視するだろうな」


 山本は腕を組む。


「……出来る限りの被害は防ぐしかない」


 山本の言葉に将樹は無言で頷いた。






 一方、アメリカはアメリカで真珠湾の報復のために日本本土空襲を目論んでいた。


「ジャップの頭上に爆弾を落としてやるのだッ!!」


 ルーズベルトはそう叫び、作戦が開始された。


 空母ホーネットにB-25十六機が搭載されている。


 その護衛には大西洋から回航された空母ワスプが担当している。


 日本海軍が発見したのは四月十五日のことだった。


 呂三五潜が哨戒中に敵機動部隊を発見したのである。


 日本陸海軍は直ちに迎撃体勢を整えた。


「第一艦隊と吉良機動部隊を出撃させるべきですッ!!」


 聯合艦隊参謀長の宇垣が旗艦敷島で吠える。


「……落ち着け宇垣。第一艦隊は出撃準備中だ。吉良の機動部隊は航空機が少ないから出撃させるかは微妙だ」


 柱島泊地にいた第一艦隊は出撃準備中であった。


 しかし、吉良少将が臨時機動部隊は微妙だった。


 吉良機動部隊には空母蒼鶴エンタープライズ、祥鳳、瑞鳳の三隻だったが、航空機は零戦三六機、九九式艦爆二七機、九七式艦攻三六機と百機を切っていたのだ。


「ですが帝都に奴等を近づかさせてはなりませんッ!!」


「それは分かっている……が、山本は守勢でやる気だ。横須賀基地で新型機の試験をやっているが全て中止をして実弾を装填させているようだ」


「……山本さんは肝が大きいのか、元から無いのか分からないですね」


「それもそうだな」


 宇垣参謀長の呆れたような言葉に、堀長官は苦笑しながら頷いた。


 そして運命の四月十八日を迎えた。





――横須賀基地――


「大島の電探基地より入電ッ!! 敵来襲ゥッ!!」


 通信紙を持った通信兵がパイロットの待機所に駆け込んできた。


「全員出撃やッ!!」


 飛行服を着た将樹が叫びながら滑走路に走る。


 滑走路には試運転を済ました零戦三二型、雷電試作機、陣風試作機があった。


 将樹とクロエは陣風試作機の一号機と二号機に乗り込む。


 迎撃隊はプロペラを回して次々と離陸していく。


 その頃、東京、神奈川、千葉等の関東地方に空襲警報が発令された。


『ウウゥゥゥゥゥーーーッ!!』


「空襲警報発令ェッ!!」


「将樹……」


 空襲警報が鳴る中、桜花は空を見ながらそう呟き防空頭巾を被り防空豪へと向かった。


「いたでB-25やッ!!」


 将樹は前方から飛来してくるB-25を発見した。


 戦闘機隊を発見したドーリットル隊は直ぐ様四方に四散した。


「奴等を逃がすなッ!!」


 将樹は逃げていく一機のB-25に狙いを定める。


 B-25から旋回機銃が反撃してくるが当たる気配はしない。


「墜ちろォッ!!」


 将樹が三十ミリ機銃の発射レバーを引いた。


 主翼から発射された三十ミリ機銃弾はB-25の翼をへし折った。


 へし折られたB-25は海面に墜落した。


 そこへ厚木空、館山空等が到着して一方的な迎撃になる……筈であった。


「敵機だァッ!!」


「海軍は何をしていたんだッ!!」


 陸軍の高射砲部隊が喚きながら接近してくるB-25に撃つ。


 一機のB-25が低空飛行で横須賀市に侵入したのだ。


 横須賀は海軍の管轄だがそれは基地であって市は陸軍の管轄であった。


 高射砲が撃たれる中、B-25は爆弾倉を開いた。


「ヤバイぞッ!!」


 高射砲員が叫んだ。


「くたばれジャップッ!!」


 爆弾倉から爆弾が投下された。


 そしてそのうちの一発は桜花が逃げ込んだ防空豪付近に命中したのであった。












御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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