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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第二十八話






 見張り員の言葉に艦艇の艦長達は驚いた。


「艦艇はジャップですッ!!」


 これには更に驚いた。


「そんな馬鹿な……」


 艦長達はそう呟いた。


 双眼鏡で迫り来る艦艇を見た。


「あれは……コンゴウ型だッ!!」


 日本の戦艦を写真で知っていた艦長が叫ぶ。


 その時、迫り来る日本艦隊――三川艦隊の金剛型四隻が射撃を開始した。


 最初は遠弾だったが、これに艦長達は動揺した。


「奴等は我々を海の藻屑にする気だッ!!」


「ハルゼー司令官は重体だし此処は逃げるべきだッ!!」


「いや此処は突撃だッ!! ジャップに一矢報いねばならないッ!!」


 艦長達は電話や通信で話している。


 その時、三川艦隊から通信が来た。


「ジャップより入電ッ!!『空母ト重巡ヲ明ケ渡セバ真珠湾ニ帰ス』です」


『……………』


 艦長達は頭を抱えた。


「此処は明け渡すべきだッ!! 人命は何物にも代えがたいッ!!」


「だが奴等にエンタープライズを渡すなど……」


 議論は三十分にも及び、遂にエンタープライズと重巡を明け渡す事で合意した。


 艦長達は人命にかけたのである。


 それにその人命には重体のハルゼー司令官もいた。


 早く陸地の病院に入院しないと命の危険がある。


 後の米軍の軍事裁判で艦長達は無罪を言い渡されたのであった。


 こうして三隻は三川艦隊に引き渡された。


 重巡一隻は傾斜が激しく曳航は無理だと判断されて駆逐艦による沈没処分となった。


 エンタープライズは比叡に、重巡二隻は榛名と霧島が曳航して第一航空艦隊のところへ向かう。


 第一航空艦隊のタンカー群には工作艦朝日がと回航員を乗せた輸送船がいたのだ。


 朝日はエンタープライズを仮修理して、真珠湾を艦砲射撃予定の第一艦隊と合流してからトラック諸島へ向かうのだった。






――第一航空艦隊旗艦赤城――


「エンタープライズは捕獲出来たか……」


「それに重巡を二隻もです」


 小沢長官の言葉に将樹が補足する。


「後は……真珠湾を破壊するだけだ」


 ニヤリと小沢長官は笑う。


 それに釣られて古村参謀長、内藤航空参謀、将樹もニヤリと笑った。






 真珠湾が奇襲攻撃されてから二日後の十二月十日。


 真珠湾は沖合いから第一艦隊による艦砲射撃をされていた。


「撃ェッ!!」


 第一艦隊司令長官の高須中将の号令と共に大和から主砲が発射される。


 砲弾――対空用砲弾である三式弾は真珠湾の燃料タンク群に降り注いでいく。


 命中した燃料タンクは爆発して無傷な燃料タンクを誘爆させていく。


「燃料タンク群は徹底的に破壊しろッ!! ドックや施設の破壊も怠るなッ!!」


 高須中将はそう命令していく。


 第一艦隊の艦砲射撃は五時間にも渡って続けられ、燃料タンク群や軍港施設等は徹底的に破壊されたのであった。






 少しだけ時系列を八日に戻す。


 シンガポールのセレター軍港は燃えていた。


 角田空母部隊から放たれた攻撃隊がシンガポールに停泊していたイギリス東洋艦隊を攻撃していたのだ。


 停泊していたイギリス東洋艦隊の戦艦プリンス・オブ・ウェールズは魚雷五発が命中して着底。


 レパルスも同様に着底していた。


 生き残っていたのは駆逐艦くらいだけだった。


 またシンガポールの航空基地も破壊されてイギリス空軍の戦闘機は地上でその翼をもがれていた。


 角田少将は攻撃隊を収容後、燃料、機銃弾、爆弾を搭載させて第二波攻撃をさせた。


 第一波から少し時間が経っていたので無事だったイギリス空軍の戦闘機が応急修理した滑走路から飛び上がって待ち構えていたのだ。


 しかし、イギリス空軍の戦闘機であるハリケーン、アメリカから輸出されたバッファローは零戦の敵ではなかった。


 制空戦はあっという間に零戦の手に渡った。


 イギリス軍はせめての反撃として対空砲を撃つが、攻撃隊はそれを物ともせずに攻撃を敢行。


 シンガポールの基地機能は完全に喪失したのであった。






――十二月十日柱島泊地、聯合艦隊旗艦敷島――


「……出来すぎて怖いくらいだな……」


 海戦報告を聞いた堀長官はそう呟いた。


「米軍を過小評価する輩も出そうですな」


 黄金仮面である宇垣参謀長が言う。


「陛下から訓示してもらうしかないだろう。こんな時こそ勝って兜の緒を締めよだ」


 堀長官はそう言った。


「それと井上中将の第四艦隊がそろそろウェーク島の攻略を開始します」


「……何としても井上には勝ってもらわないとな」


 堀長官は史実の意味を込めてそう呟いた。







――第四艦隊旗艦八雲――


「敵機接近ッ!!」


「零式水戦を向かわせろッ!! 全艦対空戦闘用意ッ!!」


 乗組員が慌ただしく動き回り、高角砲、対空機銃を上空に向ける。


 接近してくるのは二機のようだ。


「何としても二機を撃ち落とさねばならん……」


 井上中将は腕を組みながらそう呟いた。


 第四艦隊は対空戦闘用意を万全にさせた。











御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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