外伝
てなわけで外伝です。
「すいません、遅れました」
将樹は慌てるように会合の料亭に入った。部屋には既に山本達も勢揃いしていた。
「珍しいな、楠木が遅刻するなんぞ」
伏見宮は珍しそうに将樹を見た。対する将樹は少し慌てた。
「い、いやぁ布団から中々起きれなくて……ハハハ」
将樹は伏見宮達にこう返したが実際は違う。
「(桜花とクロエにヤられていたなんて誰が言えんねん……)」
そう、将樹は昨晩に三人で三ぴー(防げてねぇ……)をしていたのだ。え? 三ぴーが何なのか?
自分でググりなさい。少なくとも両親に聞くな。聞いたら怒られる。
話を戻そう。
「では早速始めるとしよう。まずは欧州だ。ヒトラーが欧州連合という連合を作った」
欧州連合――現在でいうヨーロッパ連合(EU)のようなものである。それをヒトラーが第二次大戦後の九月一日にそれを発表して同日に発足させたのである。
加盟国はドイツを筆頭にイタリア、ヴィシーフランス、ルーマニア、ブルガリア、フィンランド、スウェーデン、デンマーク、スペイン、ポルトガル、東方自治政府等が参加した。
イギリスは最初は不参加を表明したが後に参加するのである。
「恐らくアメリカに対抗するためだろう。ドイツは南米への進出をアメリカの工作で失っている。そのためにヨーロッパの足固めをしたのだろう」
伏見宮はそう分析した。
「ヒトラーはそのうち世界征服をするかもしれんな」
「だがヒュットマン公使によればその意思は無いみたいだ。此方は此方で足固めをするべきじゃないか?」
参加者達はそう意見を出しあうが将樹は何も意見を言わなかった。それを不審に思った山本が将樹に訊ねた。
「楠木中佐はどうするかね?」
ちなみに将樹は中佐に昇進していた。将樹は暫く天井を見つめたが山本達に口を開いた。
「……此方も連合を作るべきでしょう。アメリカも欧州連合に対抗してアメリカ大陸での連合を作る可能性があります。なら此方もアジアでアジア連合を作るべきでしょう」
「成る程、アジア連合か……」
将樹の発言に参加者達は一様に頷いた。
「問題はどう作るかです」
「……中国と韓国か」
「……その通りです」
東條の言葉に将樹は頷いた。韓国は一応は独立していた。陰ながら前政権は親日寄りをしていたが大戦中に日本の負けの可能性が出てきたら(戦果は不正せずに公表していたため)反日派の政党が増えていき、大戦後の八月下旬に大統領選(韓国はアメリカを模範とした大統領制)で親日派の候補者が反日派の候補者に負けてしまい反日派が大統領に就任したのだ。
そのためかは知らないが、日本国内にいる同胞を救済せよと命令してきたり日本へ不法入国した密航者の受け入れを拒否する行動をしてきた。
日本もこれを報道して反韓派の人間が増えてきたりする。政府も韓国の対応を批難して「韓国がそういう態度を取るならば」として韓国人の密航者や犯罪者を占領したシベリアの開発の手伝いにさせた。
更に特定外国人入国禁止法を制定させて国内にいる韓国人を全て韓国へ強制送還させて韓国との国交を断絶した。
一連の日本の行動に韓国は批難したが日本はそれを無視して韓国にいる日本人は全て引き揚げさせたのであった。
「韓国は一度叩いておかねばならんな」
「自分も反日の大統領が就任するなど思ってませんでした」
「いやいや楠木のせいではない。日本が得た蜜を不当に奪おうとする輩には断固たる行動せねばならんのだ」
この騒動が切っ掛けで韓国はロシア連邦に近づき一時は親密な関係となるが後の日韓戦争の際にロシア連邦は韓国を切り捨て日本に近づくのであった。
「それもあるが日本で一番の問題は軍だ。部隊は縮小させねばならんな」
「だがシベリア地方の事もあるんだ。そう簡単にはいかないぞ」
杉山はそう反論した。無論、杉山も日本の経済成長のためには軍の縮小もやむ得ない事は認識していた。
「ならこうしませんか?」
そこへ将樹が介入した。
「まず海軍なんですが、海保を作りましょう」
「史実の海上保安庁かね?」
「はい、そこへ旧式艦艇や退役した軍人を入れさせるんです。大戦が終わった今、軍はそう出せませんから日本の海を守るとして海上保安庁を設立したらいいんです」
「海上護衛隊に続く第三の海軍か……」
「はい、そうなるかもしれませんが海上保安庁は主に密航者や海上事故の救助とかです」
将樹はそう説明した。言い方は悪いが一種の天下りである。しかし上の都合で縮小するのだから兵士達のためにも新しい就職口を提供するのも上の仕事であった。
「陸軍は民間軍事会社を立ち上げてみたらどうですか? 上が少しばかり支援をしてシベリアの警備や途上国へ進出した民間会社の警備を行うようにしたら……」
「ふむ、一応就職口を提供出来るな。最終的に決めるのは本人だがな」
東條や杉山も賛成を表明した。
そして十月、陸海軍は部隊の縮小を発表した。
陸軍は歩兵師団を二七個師団まで縮小。戦車師団は六個、飛行集団は戦闘機部隊は新設された日本空軍へ移管され、爆撃機部隊は残された。結果的に三個飛行集団まで縮小される。(その後はヘリ部隊が活躍する)
海軍も戦艦と空母はそのままとなったが重巡と軽巡は減らされ、輸出若しくは海上保安庁へ移管された。駆逐艦も同類である。
それから二ヶ月が経った十二月。
「桜花ッ!! クロエッ!! そ、それは本当なんか?」
「……うむ」
「そうだよ」
二人は将樹の問いにゆっくりと頷いた。実は二人とも将樹の子をお腹に宿していたのだ。
「検査したら二人とも妊娠二ヶ月だってよ」
「同じく私も妊娠二ヶ月デス」
桐野中佐がそう言い、ナターリャも報告した。
「そりゃあ俺も嬉しいけど……俺は一人に絞れないで?」
「あぁそれなら問題ないわ。私が降りるから」
クロエがあっけらかんとしてそう言った。将樹が言ったのは重婚の事であった。
「……いいのか?」
「いいのよ。私はちゃんと戸籍もあるし私の場所は此処にあるのよ」
クロエはそう言って笑った。後の結婚式で将樹はクロエのためにもウェディングドレスを用意してクロエを色んな意味で泣かせるのであった。
しかし、重婚は後に1950年の第一次吉田茂内閣で重婚法として制定するのであった。本来なら制定など夢の事であったが、獲得したシベリアへの移民が増えて国内の人口が減少してきたので吉田は決断したのだ。国会もそれを分かっていたので妨害される事なく両院を通過して制定されたのである。
これが後に第三次ベビーブームまで人口が爆発的に増加するのであった。
勿論、この制定は期間を十年間と制限していた。宗教関係から重婚の反対が出てきたためであり、期間を設けたのだ。その代わりに吉田首相は宗教法人に対して法人税を制定した。
なお、重婚法の期間が過ぎても重婚した人に対して離婚を迫るような事はせずに特別婚とした。
また、日本人が減少してきた場合には特別に重婚法が許可されるのが内密に決定された。
そして桜花とクロエは翌年に元気な男の子を出産し、ナターリャは女の子を出産するのであった。
そして日本は1946年五月にアジア諸国に対してアジア連合を立ち上げようと通知して独立していたアジア諸国もこれを承認した。
アジア連合の参加国は日本、満州国、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、ビルマ、トルコ、サウジアラビア等であり、中国は自国のインフラ優先のため不参加で韓国も反日の大統領が就任しているため不参加となった。
オーストラリアとニュージーランドは豪州連合を設立してアジア連合と協定を結んでいる。
「さて、まだ通過点に過ぎないな……」
「あぁ。まだ教育や色々あるからな」
将樹と桐野中佐は日本酒を飲みながらそう話していた。
「真の日本を作るのはまだまだこれからや。家族も増えるんや。頑張らないとな」
「そうだな」
将樹と桐野中佐はそう決心したのであった。その後、日本はアジアを率いる国になるのにはそう時間は掛からないのであった。
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