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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第百二十一話





「しかし何故我々に……」


「日本ハ我々ドイツト共ニソ連ヲ撃チ破ル手伝イヲシテモライマシタ。更ニインド攻略ノ支援ヲサセテモラッテマス。総統閣下ハソノ御礼トシテウランヲ提供スルトノ事デス。既ニウラントジェットエンジンヲ載セタUボート八隻ガ日本ニ向カッテイマス」


 ヒュットマン公使は山本にそう言う。


「……そうでしたか。それは真にありがたいです」


「イエ、総統閣下ハ世界ヲ三分割ニシタイソウデス」


「……え?」


 ヒュットマン公使の言葉に山本は驚いた。


「総統閣下ハ世界ノ王ニナルコトハ諦メテイマス。何故ナラ日本ガイルカラデス。日本ハアノアメリカニ対シテ有利ニ戦イ、ソ連ニモ勝ッタ。総統閣下ハソレヲ評価シテ日本ヲライバルトシテイマス」


「そ、それはありがたいです。まさかヒトラー総統が我々を讃えるとは思いませんでした」


「私モ驚イテイマス」


 山本の言葉にヒュットマン公使が笑う。


「ソレデハ私ハ大使館ニ戻リマス。頑張ッテ下サイ」


「ありがとうございますヒュットマン公使」


 そしてヒュットマン公使は大使館へと戻った。


「……急いで楠木を内地へ呼ばなければ……」


 山本はそう言って電話に手を伸ばした。





「え? 至急内地へ戻るのですか?」


「うむ。私も敷島で帰らずに二式大艇で内地に戻る」


 堀長官の言葉に将樹は驚いた。なにせいきなりの事なのだ。


「しかし何故自分が……」


「山本達との会合だ。それも緊急の事らしい」


 堀長官は将樹に耳打ちをする。


「ッ!? ……それは確かに内地へ戻る必要がありますね。分かりました、直ぐに桐野少佐を連れて来ます」


「うむ」


 将樹は堀長官にそう言って桐野少佐を呼びに向かって二式大艇に乗り込んで内地へと向かった。




 ハワイから二式大艇で日本に帰還した将樹達はそのまま首相官邸へと乗り込んだ。


 そして将樹達は緊急の帰国理由を山本を問いただした。


「えェッ!? そ、それは本当ですか山本さん?」


 将樹は驚きながらも山本に訪ねた。若干声が震えているのも仕方ないだろう。


「……全て事実だ。ドイツ、ヒトラーが日本にウランを提供するとの事だ。既にウランとジェットエンジン等を搭載したUボート八隻が日本に向かっているみたいだ」


 山本はヒュットマン公使との話し合いを将樹に話している。


「……山本、ヒュットマン公使が我々を騙しているという可能性は無いのかね?」


 嶋田次官が山本に聞いた。


「いや……ヒュットマン公使と話していたが、彼が騙すような素振りは見えなかった」


「……とすると、真実だろうな」


 吉田大臣が呟く。


「我々が核開発をしていたのを聞いたのだろうな。それを揺さぶるどころかウランを提供するとはな……」


 日本は開戦後、密かに核開発をしていた。勿論多大な費用を費やしていたが、成功するのは五年以上との見解が出ているのである。


「……まさか」


 その時、将樹が呟いた。


「どうしたのかね?」


「さっき、ヒトラーは世界を三分割にすると言っていましたよね?」


「あ、あぁ。ヒュットマン公使は詳しくは教えてはくれんかったが……」


「この地図を見て下さい」


 そう言って将樹は世界地図を広げる。


「ドイツはヨーロッパ、アフリカ、中東の一部を手に入れています。中東は何が眠っていますか?」


「……そうか、油田か」


 何かに気付いた山本が呟いた。


「そうです。ドイツはバクー油田も手に入れています。中東の油田を押さえればアメリカも日本も手を出さない。アメリカは自前でありますし、日本はインドネシアを押さえている。風前の灯になるのはイギリスのみです」


「……ウランやジェットエンジン、技術者を提供したのはそれを牽制しておくためか」


 その時、将樹の脳裏には笑いまくる紺碧○艦隊のヒトラーが映っていた。


「そして世界はドイツ、日本、アメリカの三国が支配する世界になる……か。世界征服は出来なくとも資源を押さえたわけか」


 山本は悔しそうに言う。


「ドイツはヨーロッパ、アフリカ、中東の一部。日本はアジア周辺、アメリカはアメリカ大陸のみ……か」


「ウランを提供したのはそのためでしょう。三国が核を持ち、三国がそれを監視する。流石はヒトラーですよ」


 将樹は苦笑すると同時にヒトラーの戦略を怖れた。


「……誘いに乗るかね?」


「……乗らざるえないでしょうね。ロスアラモス研究所の破壊が失敗した今、此方も核を持てば向こうは手を出さない。ルーズベルトが生きていたら彼は躊躇なく落とすでしょうね日本一に……」


「ほぅ、ドイツには落とさないのかね?」


 嶋田次官が興味を持つように言う。


「アメリカとドイツは一応ながら白人です。白人には落とさないでしょう。落とすのは黄色人種で中国人の女性と猿が交尾して生まれた日本人だけですよ」


 将樹の言葉に伏見宮達は苦笑する。


「それでは……Uボートを受け入れましょう」


 山本の言葉に将樹達は頷いたのであった。


「それとまだあります」


 解散しかけだった会合を外務大臣の白州が呼び止めた。


「まだあったのか?」


「はい。率直に言うとアメリカが日本との和平停戦を伺っています」


『ッ!?』


 白州の言葉に将樹達が驚く。


「これはまだ断片的です。スイスで藤村中佐に接触してきたのは明らかです」


「……アメリカもドイツの事を重点的にしているのだろうか?」


 吉田大臣が呟く。


「それは私も分かりません。ですが、今まで見向きもしなかったアメリカが接触してきたのは向こうも何かしら事情が出来たのだと思われます」


「……接触はするべきでしょう。冷戦が構築されるより和平のが良いと思います」


 将樹の言葉に東條達は頷いたのであった。


「それに今はインド攻略の方に専念しましょう。恐らくインド攻略がなればアメリカも何らかの形で接触するでしょう」











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