第十二話
女性パイロットの名前はゲームなら取ってますがオリジナルです。
ハーフの場合はよく分からないのでアスカと真希波みたいにしたんですがこれで大丈夫なんですかね?
「……ドイツ空軍所属テストパイロット、クロエ・石原・ヘルミンク少尉……か」
将樹はあの後、胴体着陸をした女性――クロエ・石原・ヘルミンク少尉の履歴を見ていた。
「父親がドイツ人、母親が日本人のハーフで、母親の影響もあり日本通で日本語ペラペラ。両親は既に他界して空軍へ。空軍では航空機を損傷したり破壊したりしている……クラッシャーやな」
将樹が苦笑する。
「ん? ……日本が良ければヘルミンク少尉を我々は手放すやて?」
履歴の文章に将樹は首を傾げた。
「……取りあえず本人を呼んで聞いてみるしかないな」
将樹はそう言ってヘルミンク少尉を呼び出した。
「あぁ、それは私が要らない子だからだな」
飛行服のままのヘルミンク少尉は将樹にそう言った。
「……何かやらかしたというわけか?」
「上司が私のお尻とか触ってきたんだ。ムカついたから私は上司をシバき倒して、上司の家庭に色々とやって家庭を崩壊させたんだ。いやぁあの時の上司の顔は快感だったな。ハッハッハ」
ヘルミンク少尉が笑う。
「それで空軍で危険人物になった私は、日本に戦闘機を送るというからそれに便乗してきたわけだ。ついでに空軍も厄介払いとして私を売ろうとするわけなんだ。まぁ私もドイツには未練は無いけどな」
ヘルミンク少尉はそう言う。
「……そうか(おいおい、これはひょっとすると俺ヤバくないか?)」
将樹はそう思った。
「取りあえずこの事は上に報告しておくからな」
「いいわよ」
ヘルミンク少尉は頷いた。
「……それは本当かね?」
伏見宮が驚いた。
「はい。他のドイツ人パイロットから聞いたんですが、ヘルミンク少尉は戦闘機五機、練習機三機を壊しているようで軍上層部からかなりの危険視されていたようです」
「……しかしな、如何にドイツ空軍でもそう簡単に女性パイロットを手放すものかね?」
「自分には分かりませんが、少なくともドイツ国内にもテストパイロットとして女性パイロットがいるみたいです。なのでヘルミンク少尉を手放しても問題は無いみたいです」
「むぅ……」
伏見宮が腕を組む。
「一応彼女はポーランド侵攻時に実践経験をしているようでポーランド空軍のP.11c戦闘機を二機撃墜しているようです。それに壊した戦闘機五機はいずれもBf109です。Bf109は主脚の強度は不十分なので壊すのも仕方ないかと思います」
将樹はそう言う。
「……まぁパイロットが一人増えるから構わないか。今の日本は一人でもパイロットは欲しいからな」
伏見宮は溜め息を吐いた。
「ただ、ドイツ空軍側にはヘルミンク少尉が自ら日本軍に志願したとするしかない。この内容を見てたら人身売買ものだからな」
伏見宮はそう言った。
「分かりました。ヘルミンク少尉にもそう伝えておきます」
将樹は頷いて部屋を出ようとする。
「あぁ待て。ヘルミンク少尉だが、君の副官にするから」
「……ハヒ?」
伏見宮の言葉に将樹は裏声を出した。
「ヘルミンク少尉の事を報告してきたのは楠木君だろう。それにヘルミンク少尉を擁護していたからな」
「(いや別に擁護はしてないです)」
将樹はそう言いたかったが、心の中で言っておいた。
「それに何かと面白そうだからな」
伏見宮がボソッと本音を言った。
「それが本音じゃないですかッ!!」
「いやいや儂としては三角関係というやつか? その方が面白そうだからな」
「この人最悪やッ!!」
将樹は思わず叫んだが、叫ばずにはいられなかった。
「言っておくが拒否権は無いからな」
伏見宮はフフフと笑いながら言う。
「……分かりました(胃薬が必要になりそうやな)」
将樹は諦めてそう言った。
「というわけで、ヘルミンク少尉は俺の副官になったからな」
「ヤー。御世話になるわ」
ヘルミンク少尉は敬礼をするがニヤニヤしている。
「(……大丈夫やろうか)」
「(頑張れ青年……)」
将樹は溜め息を吐き、報告をたまたま聞いたドイツ空軍整備員は心の中で将樹を励ますのであった。
「よし、ヘルミンク少尉の日本軍加入を祝して飲みに行くか」
場を読んでいるのか読んでいないのか分からない桐野中尉(昇格)はそう言った。
「……んで一番に酔っぱらうのはあんたかよ……」
将樹はおんぶをしながら桐野中尉を背負っていた。
「でもこの人面白かったけどねぇ」
ヘルミンク少尉はホロ酔いなのか、頬を赤くして少しフラフラと歩いている。
「ほらヘルミンク少尉もフラフラするな」
将樹はヘルミンク少尉の手を取る。
「にゃ?」
「いやにゃ? やないから。もうすぐ桐野中尉の家に着くから今日はそこで泊まらせてもらう」
どう見ても水交社に帰れる様子ではなかった。
そして程なくして桐野中尉の家に到着した。
「すんません桜花さん?」
将樹が呼ぶと、奥からパタパタと音がしてきた。
「む? 楠木ではないか? ……また馬鹿兄上が酔っ払ったか……そちらは?」
酔っ払った桐野中尉に溜め息を吐いた桜花がヘルミンク少尉を見た。
「ども、今日から日本軍に加入した元ドイツ空軍テストパイロットのクロエ・石原・ヘルミンク少尉よ。楠木中尉の副官だけどよろしくね」
ヘルミンク少尉は上機嫌で桜花に挨拶をする。
「……そうか、私は桐野桜花だ」
桜花は少し顔を引きつらせながら挨拶をした。
「桜花、悪いけど一泊させてくれへんか? こいつも酔っ払ってるから連れて帰るのも難しいしな」
「此処は宿では無いが仕方ないな。ヘルミンク少尉は私の部屋に布団を敷いておく」
「えぇ〜楠木中尉と寝たい〜」
ヘルミンク少尉がブー垂れる。
「アホな事を言うなや」
将樹は溜め息を吐いて桜花にヘルミンク少尉を引き渡す。
「馬鹿兄上、玄関で寝るな」
「ぷげらッ!? ……おぅ」
桜花に蹴られた桐野中尉はフラフラと自身の部屋に入った。
「済まないな」
「いや気にする事ではない」
そして将樹達は桐野家にて一泊をした。
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