第百十六話
皆さん明けましておめでとうございますm(__)m
今年も宜しくお願いします。
第一機動艦隊は今、敵機動部隊からの猛烈な攻撃を受けていた。
「左舷にアベンジャー雷撃機ッ!!」
「一番砲迎撃ッ!!」
秋月型駆逐艦照月の十センチ高角砲の一番砲が左舷に向いて、接近してくるアベンジャー雷撃機二機に砲弾を発射した。
一機のアベンジャー雷撃機が直撃により爆発四散するが、残りの一機は照月をすり抜けた。
「行かせるかァッ!!」
それを見ていた照月右舷の二十五ミリ三連装対空機銃の機銃手が弾丸を放つ。
予め侵入路を予測していたため、アベンジャー雷撃機が回避する前に弾丸が右翼を貫通した。
アベンジャー雷撃機は右翼から白い煙を吹き出して逃げてしようとするが、止めとして駆逐艦五月雨の四十ミリ機銃の攻撃を受けて海面に叩きつけられた。
「……皆、よく頑張ってくれている」
「日頃の訓練のおかげと弾幕射撃のおかげでしょう」
大鳳艦橋で小沢長官と古村参謀長が話していた。大鳳艦長の菊地大佐は防空指揮所で指揮をしていた。
「敵も死に物狂いです」
「我々は彼等の庭を荒らしているのだ。当たり前のことだろう」
小沢長官はそう言う。小沢長官の視界には海面に向かって落ちていくヘルダイバーがいた。
「全空母に急降下爆撃の警戒を怠るなと伝えろ。落ちていくヘルダイバーの数が少ない。まだ雲の中にいて隙を伺っているはずだ」
この時、第一機動艦隊上空には分厚い雲があった。
「はい。迎撃隊も奮戦していますが全てを迎撃するのは難しいですな」
「赤城上空に敵急降下爆撃機ッ!!」
『ッ!?』
その時、見張り員が叫んだ。
「敵ィィィ急降下ァァァ直上ォォォーーーッ!!」
赤城の見張り員が叫ぶ。
「取舵二十ッ!!」
赤城艦長が回避命令を出す。しかし、急降下してくる先頭のヘルダイバーは既に爆弾アームを伸ばしていた。
「……これは当たるぞ」
防空指揮所の見張り員がポツリと呟いた。
「総員退避ィィィッ!!」
爆弾の落下位置を考えて赤城艦長は退避命令を出した。爆弾が落ちる場所は艦橋だったからである。
ヘルダイバーの四百五十キロ爆弾は艦橋に命中した。退避は間に合わず、艦長以下艦橋にいた者は全員が戦死した。
「赤城被弾ッ!! 艦橋に命中しましたッ!!」
「……………」
見張り員からの報告に小沢長官は無言で右拳を握り締めた。しかし、第一機動艦隊の悲劇は此処からである。
「祥鳳、瑞鳳上空にも敵急降下爆撃機ッ!! あぁ飛龍上空にもいますッ!!」
祥鳳と瑞鳳には四機ずつ、飛龍には六機のヘルダイバーが襲い掛かったのである。
『総員衝撃に備えろォッ!!』
回避が不能と判断した三艦長はそれしか言えなかった。そして三艦に爆弾が命中した。
「消火急げェッ!!」
「一式放水器のバルブを回せッ!!」
「衛生兵ェーーーッ!!」
三艦が燃えていた。祥鳳と瑞鳳は二発ずつ、赤城には三発が命中した。
「アベンジャー雷撃機接近ッ!!」
護衛艦艇の対空砲火を掻い潜ったアベンジャー雷撃機二十二機が炎上する四空母に殺到した。
『回避ィィィーーーッ!!』
舵が生きている祥鳳、瑞鳳、飛龍の三空母は必死に回避するが、艦橋を破壊されて航行不能の赤城の左舷に六発の水柱が立ち上った。
更に祥鳳と瑞鳳に片舷に三発と四発の水柱が立ち上った。
飛龍にも四発が立ち上った。
元が巡洋戦艦である赤城は防御力はあったが左舷に六発も喰らっては到底無理な話であった。
元が給油艦である祥鳳と瑞鳳は耐えられる事は出来なかった。更に飛龍は機関室に魚雷が命中して速度が一気に落ちた。
それを見たアベンジャー雷撃機三機が飛龍に接近して魚雷を投下して離脱する。速度が落ちていた飛龍はそれを回避する事が出来ずに飛龍に三発の水柱が立ち上った。これが飛龍の致命傷となった。
四空母は瞬く間に大傾斜していく。
『総員上甲板ッ!! 繰り返す総員上甲板ッ!!』
総員退艦を促すスピーカーが艦内に流れ、四空母の乗組員達は渦に巻き込まれないよう四空母から逃げていく。
1137。
連合艦隊を支え続けてきた航空母艦『赤城』は赤城艦長以下、多数の将兵の遺骸を積んだまま、故郷日本から遠く離れたサンディエゴ沖合いにてその巨体を沈めた。
そして赤城を追うように飛龍と祥鳳、瑞鳳も小規模の爆発をしながら波間に消えていった。
――オアフ島、パールハーバー基地――
「ほ、堀長官ッ!!」
「何事だ? 騒々しいぞ」
聯合艦隊旗艦敷島はパールハーバー基地に停泊していた。
「……これを見て下さい。第一機動艦隊からの電文です」
「…………」
堀長官は通信参謀から無言で通信紙を受けとる。
先程の通信参謀は意気揚々とシアトル爆撃の成功を知らせに来ていた。しかし今は、悔しい表情をしていたのだ。
「……なッ!?」
通信紙を一目した堀長官は内容を見て固まった。
そして堀長官の手から通信紙が床に落ちた。
『空母赤城、飛龍、祥鳳、瑞鳳沈没ス』
通信紙にはそう書かれていた。
「……これは本当かね?」
堀長官は床に落ちた通信紙を拾いながら通信参謀に聞いた。
「……事実であります。私も何回も確認の電文を送りました……しかし四空母は沈没したそうです」
「……そうか、いや御苦労だった」
堀長官は通信参謀にそう労って通信参謀は退出した。
「……まさか歴戦の赤城や飛龍がやられようとは……」
堀長官も被害は確実にあると予想していた。
しかしまさか歴戦の赤城や飛龍が沈むなど思ってなかったのだ。
「……これが歴史の修正力だと言うのか……」
堀長官はそう呟いた。
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