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反逆の日章旗  作者: 零戦
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第百十五話







「いたぞッ!! 敵攻撃隊だッ!!」


 加賀飛行隊長の志賀少佐が敵攻撃隊を発見した。


「全機掛かれェッ!! 一機たりとも艦隊には近づけさせるなッ!!」


 志賀少佐は操縦桿を倒して急降下に入った。迎撃隊は敵攻撃隊に襲い掛かったのである。




「迎撃隊より報告ッ!! 全機の撃墜は不可能で艦隊に敵攻撃隊が向かってきますッ!!」


「……戦闘機の数も多いみたいだな」


 通信兵からの報告に小沢長官はそう呟いた。


「敵機接近ッ!!」


 見張り員が叫ぶ。


 その時、戦艦比叡と霧島の主砲が火を噴いた。


「比叡と霧島、対空射撃を開始しましたッ!!」


 しかし敵攻撃隊は主砲の砲撃に怯まずに第一機動艦隊に突っ込んでくる。


「長官ッ!! 射撃許可をッ!!」


 古村参謀長が叫ぶ。


「……全艦対空砲火開けェッ!! 敵機を近づけさせるなッ!!」


 そして第一機動艦隊は一斉に対空砲火を開いたのであった。


 一方、第三機動艦隊はボーイング社工場を爆撃するためにシアトル沖合いにまで進出していた。


「凪いだ海です。怖いくらいですな」


 第三機動艦隊参謀長の大林少将が呟いた。


「航空参謀、攻撃隊の準備は?」


 第三機動艦隊司令長官の大西中将は第三機動艦隊航空参謀の中島正中佐に聞いた。


「攻撃隊は何時でも行けます。後は司令長官の発艦命令だけです」


 中島中佐は大西中将にそう言った。


「よし、全機発艦せよッ!! 攻撃目標は敵ボーイング社工場のB-29だッ!!」


『ハッ!!』


 旗艦飛鷹から各空母に発光信号が送られ、飛行甲板に待機していた攻撃隊がプロペラを回し始めた。そして発着艦指揮所が発艦許可を出すと攻撃隊は空母から発艦していく。


 発艦していく攻撃隊を手空きの乗組員が惜別の『帽振れ』で見送っている。


 攻撃隊は噴進弾、六十キロ爆弾、五百キロ爆弾を腹や主翼下に搭載している。


「……何としてでも攻撃は成功させねばならん……頼んだぞ」


「「……………」」


 水平線上に消え去っていく攻撃隊を見ながら大西中将はそう呟いたのを大林参謀長と中島航空参謀は無言で頷いた。





 攻撃隊は烈風三六機、陣風三六機、彗星八一機、天山八一機である。


 攻撃隊指揮官は入佐中佐である。


「シアトルまで後一時間半です」


「うむ」


 攻撃隊の前方には道案内として彩雲四機が飛行している。


「……アメリカのB-29が配備されるまでにアメリカを叩かねばならん。これで終わらしたいものだ」


 入佐中佐は偵察席に座りながらそう呟いた。





 それから一時間半後、攻撃隊はシアトル上空に到着した。


「総隊長、奴等の対空砲火です。少し揺れますが我慢して下さい」


「なに、空母にいるのと同じだ」


 操縦士の言葉に入佐中佐はそう言った。


『敵戦闘機を視認した。これより敵戦闘機を駆逐する』


 戦闘機隊隊長から無線が入った。


「了解。一機も攻撃隊に近寄らせるなよ」


『了解です』


 陣風隊がバンクして敵戦闘機に向かう。


「……敵戦闘機は旧式戦闘機だ。早めに済みそうだな」


 攻撃隊に向かってきたのは旧式戦闘機であるP-40、P-39等の戦闘機約三十機だった。


 本当ならヘルキャットやコルセア、サンダーボルト等がいるが、この戦闘機群は『ある場所』の防衛をしていたのである。


「総隊長ッ!! ボーイング社工場を発見しましたッ!! 二次の方向ですッ!!」


 操縦士が叫んだ。


「……見つけたぞッ!!」


 双眼鏡でボーイング社工場を見た入佐中佐は叫んだ。


 ボーイング社工場の側にある滑走路には、完成されたばかりのB-29が駐機していたのである。


「全機に『トツレ』を打てッ!!」


「はいッ!!」


 機銃手がキーを叩く。


「先に烈風の噴進弾で滑走路のB-29を破壊させるか」


 そして攻撃隊は突撃準備に入った。


「ト連送だッ!! ボーイング社工場の全てを破壊するんだッ!!」


 入佐中佐機の天山からト連送が放たれる。


 烈風隊が急降下をして滑走路にいるB-29群目掛けて次々と噴進弾を発射した。


 発射された噴進弾はB-29群に貫いて爆発。


 B-29群は四散して破壊されていく。


 更にそこへ六十キロ爆弾八発を搭載した天山が低空で侵入。


「投下ァッ!!」


 天山隊は必殺の六十キロ爆弾を滑走路と工場に投下した。


 低空での爆撃により、命中精度が上がるため噴進弾の攻撃から生き残っていた滑走路のB-29はこの爆撃により全て破壊された。


 天山隊の爆撃が終わると、最後に彗星隊が急降下を開始した。


 彗星隊は生き残っているところに五百キロ爆弾を叩き込んでいく。


 彗星隊の爆撃が終了すると、ボーイング社工場は完全に崩壊して炎上していた。


「全艦隊に打電しろ。『我、シアトルボーイング社工場ヲ破壊ス』だ」


「はいッ!!」


 機銃手は嬉しそうにキーを叩いた。


 この電文は第三機動艦隊のみならず、パールハーバー基地にも届いた。


 しかし、第一機動艦隊と第三機動艦隊にも危険が迫っていたのである。










御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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