表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
反逆の日章旗  作者: 零戦
112/132

第百十二話






 それから1800。


「第一機動艦隊が出撃しますッ!!」


「……………」


 見張り員の言葉に山口長官は無言で第一機動艦隊旗艦大鳳に敬礼をした。


 そして大鳳の艦橋でも小沢長官が翔鶴に敬礼をしていた。


『今回の作戦はアメリカ本土に非常に近い。もしかしたら俺は死ぬかもしれない』


 小沢長官と山口長官は昨夜、会って飲んでいた時にふと呟いたのだ。


 山口長官は何も言わなかったが、小沢長官は呟いた。


『もし、俺が死んだら日本を頼む』


『……はい』


 小沢長官の言葉に山口長官は力強く頷いたのであった。


「「……………」」


 二人は互いに敬礼しあった。


 そして第一機動艦隊がパールハーバーから出撃すると続いて第二機動艦隊が出撃をした。


 第二機動艦隊が出撃すると宇垣司令官の戦艦部隊が続き、最後に第三機動艦隊が出撃した。


 第三機動艦隊の攻撃場所は予定地点に進むまで大西長官ら参謀達以外は伏せられていた。


「山口長官、ハワイから電文です」


 通信兵が艦橋に入ってきた。


「電文だと?」


 山口長官は通信兵から通販紙を受け取り、一読した。


「『全艦隊ノ武運ヲ祈ル』か」


 草鹿中将が送ってきたのだ。


「絶対に成功させましょう」


「……その通りだな」


 将樹の言葉に山口長官は頷いた。




――八月八日、サンディエゴ沖約六百キロの地点――


「おい、航跡が見えたぞッ!!」


 サンディエゴ基地から発進したカタリナ哨戒艇が偵察飛行をしていた。


 その時、一人の乗員が航跡らしき物を見つけた。


「おいおいトム。昨日のビールが抜けてないのか? 周りは雲だらけで海面は見えてないぞ」


 パイロットが笑う。確かにカタリナの周囲は雲に覆われていたのだ。


「いや、雲の隙間から見えたんだッ!! 少し降下してくれ」


「仕方ないな。今日のビールは奢れよトム」


 パイロットは降下をした。


「イルカかクジラの移動を間違えたんじゃないかトム? 昨日もそうだったしよ」


 銃手が笑う。


「だったら構わないんだが……」


 そしてカタリナは雲を抜けた。海面には多数の艦隊がいた。


「ジャ……ジャップの艦隊だッ!?」


「……クレイジーだ。ジャップめ、本土を狙うつもりかッ!!」


「後方からジャップの戦闘機だッ!!」


 銃手の言葉と共に上空迎撃の任務をしていた陣風三機から三十ミリ機銃弾が放たれた。


 大量に放たれた三十ミリ機銃弾は、カタリナの両エンジンを貫いてカタリナは瞬く間に爆発四散をしたのであった。






――空母大鳳艦橋――


「……カタリナから電波は放たれたのか?」


 撃墜場面を見ていた小沢長官は通信室に訊ねた。


『いえ、カタリナから電波は発信されておりません』


 伝声管を通して通信兵が答えた。


「……戦前にしては奇跡ですな。これは作戦も成功するでしょう」


 古村参謀長がそう呟いた。


「参謀長、そんな軽はずみな発言は控えておくんだ」


 小沢長官は古村参謀長を戒める。


「そのようですな」


 古村参謀長は苦笑した。


「小沢長官、攻撃隊の発艦準備完了しました。何時でも行けますッ!!」


 飛行甲板で状況を見ていた内藤航空参謀がそう報告してくる。


「よし、全空母に発光信号ッ!! 攻撃隊発艦せよッ!!」


 空母大鳳から発光信号が全空母に送られ、飛行甲板で待機していた攻撃隊のプロペラが回り出した。


 そして攻撃隊は乗組員達からの『帽振れ』に見送られながら発艦していく。


 攻撃隊は烈風七二機、陣風三十機、彗星百二機、天山百二機(雷装四二機、残りは爆装)の編成である。


 第一機動艦隊の他にも、第二機動艦隊からも烈風五四機、陣風三十機、彗星五四機、天山五四機が発艦してサンディエゴを目指す予定だ。


 また、少し離れている第二機動艦隊はサンフランシスコをも爆撃するために烈風七二機、陣風三十機、彗星七二機、天山七二機を攻撃隊として発艦させていた。


「参謀長、彩雲からの報告はまだ無いのか?」


「は、まだ報告はありません」


 小沢長官の言葉に草鹿参謀長は首を振る。


 彩雲は西海岸付近にいるはずの敵機動部隊を捜索していた。


 伊号潜の事前偵察では八隻の大型空母がいたのは確かであった。


「もし側面から叩かれたらいくら我々でも壊滅する」


 小沢長官はそう思っていた。この時、敵機動部隊は確かに西海岸にいた。


 しかし、八隻のうち三隻はサンディエゴにて補給中だった。


 残りの五隻は護衛艦と共にサンディエゴ沖合いのサンクレメンテ島付近にいたのだ。






――第二機動艦隊旗艦翔鶴艦橋――


「……パイロット達に負担をかけさせてしまうな」


 艦橋で山口長官が呟いた。第二機動艦隊は戦艦部隊を支援するためにサンフランシスコを爆撃する事が追加されていたのだ。


 本来ならサンディエゴを爆撃する予定だったが……。


「今回が正念場ですのでパイロット達も分かってくれるでしょう」


 将樹はそう言った。


「……頼むぞ」


 山口長官は飛び立った攻撃隊にそう呟いた。











御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ