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夜の試写会

1か月に1度。

もしくは、2か月に1度。

この家に6人くらいのタコとイカが集まる。

たまに別の宇宙人が2,3人増えることもある。


タコ女が言うことには、

「ペット自慢で、それぞれの子達の動画を見て感想を言い合うの」

ということだ。


「どんなペット」

私は興味が沸いて、内容を強請ると、彼女は苦笑した。

「私のところは、今いるペット達」

と、私やここにいるペットを指差す。

「他の人達は、地球人もいれば、貴女の言うところの蛇に似たものとか

犬人間、猫人、空を飛ぶ恐竜もいたわね」


「へえ」


一度、見てみたいなと思っていると、タコ女はじっと見つめてくる。

「たぶん、地球人の女性は心臓が持たないと思うわ」

「ええ」

どんな動画なんだ。



当日。私も他のペット達も部屋に押し込められた。

鍵はかかってないので、出てきてもいいけど、ショックは受けないでねと

小声で言われた。

ラーティは、見る気満々で、タコ女に着いて行く。

私もこっそりと部屋を抜け出し、上映会が始まったところで

静かにソファの隅から映像を見ることにした。



部屋が暗くなり、TV画面にそれぞれのペット達の動画が映し出される。

見たこともないペット達のオンパレードで

芸を見せたり、日常の様子だったり、面白いしぐさだったりで

前にTVで見た「ペットの面白い動画」のシリーズを思い出すような内容だった。


ペットだと思えば、それは面白い映像で、私はワクワクして見ていた。

ひとりひとり自分のペットになると、説明していて、その内容も機械を通して聞いて

ひとりで笑っていた。

4番目、タコ女の番だ。

どんな内容で、どこを撮った映像かなと思っていると。


ドンと、風呂場。

桶に入っている素っ裸の私。泡で遊んでいる私。

全身泡だらけにしてしまい

タコ女に体を持ち上げられて体を振るので、胸が上下に揺れ、あわあわしている私。

イカ男がビデオカメラを持っているのか、あわあわしているあられもない姿や

タコ女に抗議している私の裸の後ろ姿。お尻に近づいたカメラに気付いて

文句を言う私。顔がドアップ。

ビデオカメラが少し下げられ、胸の膨らみの超アップ。

それから、タコ女が私に向けてシャワーをかける。

シャワーを浴びている全身姿の私。

水流が強いので、弱めて欲しいとお願いしている会話も。

もちろん、Fカップの胸もあらゆるところもバッチリと画面に映っている。


地球人なら、それは女性のヌード映像、もしくはAV映像だと言いそうな映像だった。


タコ女は、地球人の女の子は、綺麗好きでと説明している。

誰かが、地球人と会話が出来るなんていいわねと

言っている。

ペットとしか思ってないので、映像を見て興奮しているタコもイカもいない。

あれこれ感想を述べているのみ。


タオルで体を拭いて、タコ女と着る服を一緒に選んで

下着を付けて

服を着るところまで全てが終わると、他のペット達が少し。

地球人の男であるラーティは、タコ女とイカ男と散歩している場面のみ。

地球人について話題が盛り上がり、熱が冷めると

次のタコのペットの映像に変わった。


私と言えば、羞恥で顔を真っ赤にさせて、蹲っている。

その私に誰かが近づいてきた。

こんな暗がりなところに誰が?と、思って顔をあげると

ラーティが覗き込んでいた。

「見た?」

「見た」

「・・・・」


その日は、自分は犬だと思うことにして、ラーティに部屋に連れて行ってもらい

彼に慰められて寝た。






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