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タコ女の家

R15らしき文章がいくつか。







私が彼の手を掴んだことで、タコ女は私を購入決定。

直ぐにレジの女らしき店員は、タコ女と会話を始め

私を彼の隣りに立たせた。


新しい首輪で色違いを2つ、私に似合いそうなワンピースを2着購入した。

店員が私にその色違いのピンク系の首輪を嵌め、鎖に通した。

もう1つ青色系の首輪は、新しく彼に付けられた。


「・・・・」

タコ女は嬉しそうに何か言っているが、本当に分からなくて。

ただただ愛想を振りまくしかなかった。


店を出ることになり、ガランガランと不気味な音を立てて

扉が開く。

隣りに立っていたラーティは、手を握ってくれて

先を行くタコ女の後ろから2人で店を出た。


店を出ると、ファンタジーと未来を混ぜ込んだ世界だ。

今までいた店の周辺は、メルヘンかと思うような野原の中にある。

そこを通り過ぎると、急に道路や近代的な建物が姿を現す。

空中を走る車。タイヤはない。

タコ女の後ろを着いて行くと、未来型パーキングに着いた。

周囲の車はない。2つ出入り口があるだけ。

タコ女が車が出てくるのを待っていると、別の通りから巨大なイカ男が歩いてきた。


ゴン。という響くような音がして、扉が左右に開けられると、

物凄い大きな車。

タイヤもドアも大きくて、高さがあり、どうやって乗っていいのか分からない。

タコ女に車の扉が開けられると、ラーティが私を横抱きにして

後部座席に押し入れてくれた。

飛び乗る形だ。

その隣の席に、彼は弾みを付けて飛び乗り座る。

運転席には、イカ男。

助手席にタコ女は座った。


運転手がいるなんて凄いと思っていたら、タコ女の夫で。イカ男だった。


車はエンジンが掛かると、空中に浮かび、パーキングから飛び立った。

車が空を飛ぶ世界なんだと思うと、何が燃料でどういう構造なのか

凄く気になった。


窓から見る景色は、初めて見るものばかりで、「凄い、凄い」と

声に出していた。


車が停まり、車から降り、鉄筋系の建物の中へ歩いて行く。

エレベーターを乗り、着いた先がタコ女の家だった。

ワンフロアがタコ女夫婦の家。

家に入ってからも、トイレがどこだとか、あちこちラーティに教えられた。

「広いなあ。我が家は一戸建てだったけど。ここはそれよりも広い」

「僕等の部屋は、こっちだよ」

「僕等?」


ラーティに連れられて来た部屋、それはペットだけの部屋だった。


『いらっしゃい、新入りさん』

何か言っているけど、私には分からなかった。


部屋には、へびもどきとか猫とかフクロウのような鳥という先住者がいた。

「こんにちは、地球人でヤヤコです。よろしくお願いします」

頭を下げると、彼らは歓迎してくれた。

『ようやくラーティにお嫁さんが決まったのか』

『良かったな、ラーティ』

と、早速ラーティは心のこもったお祝いの言葉をかけられているらしい。

私には会話の内容は、分からないけど。

彼は、彼らとは会話が出来るとのことで、羨ましい。


黄緑色のへびもどきさんは、ラバンサ。

猫は、ハスタラ星人のウェンサート。

フクロウは、ハッシー。


部屋の中には、個室がそれぞれあり、その1室がラーティと私の部屋に

なるそうです。

皆が集っている場所がリビング12畳、部屋は4つで、1部屋8畳。

凄い。

ベランダに出ると、マンション群。

下を見ると、道路や公園、宇宙人が歩いている。


もう頭がパニックになってくるよ。

ずっと夢を見ているのじゃないかと思うほど、環境が違う。


後ろ手にある扉が開き、タコ女が何か言っている。

ラーティを始め、皆が部屋を出ようとする。

「どこへ行くの?」

「家族の団欒。夕食を食べて、リビングで皆で寛ぐんだよ」

ラーティは、私の手を握ると、一緒に連れて行ってくれた。


夕食は、地球人の2人には、

店で出されたものと同じ固形の物を食べ、水を飲む。

他のペット達もそれぞれ与えられた食事を食べた。

「ねえ、この食事はずっと続くのかな?」

「たぶん。たまにメーカーの違うものを試しにくれたことあるけど。

固形は変わらない」

「犬の気持ちがよく分かる~」

「ははは、僕は犬も猫も飼ったことがなくて、気持ちは分からないけど。

対等には扱ってはもらえてないね」


タコ女とイカ男が、長いソファーで寛いでTVを見ているので

そのソファーの隅に2人で並んで座った。

基本は、私達ペットは家の中では自由だ。


画面は、宇宙人が何人も出てきて、何やら話をして

身振り手振りでしか分からないけど、恋愛ドラマかな?と想像しつつ見ている。

ついでに、言葉が分かるといいなあと考えながら。


それなのに。

「ちょっと、離れてよ」

べったりとラーティはくっついてくる。

手が腰を回ったので、抓ってやるが、効果なし。

この家に戻ってから、かなりスキンシップが激しい。

手をいつまでも繋いでいたり、頭をなでたり。

こちらが困った顔をさせても、にこにこと笑顔だ。


私が困っていると、へびもどきが、にゅるりと横から現れ、

驚いて顔を引くと頭の中で声が聞こえた。

「ラーティの奴、ずっとお嫁さんが欲しかったんだよ。

付き合ってやってくれよ」

驚いてへびもどきを凝視すると、どこかへ行ってしまった。


「今の何?頭の中で声が」

ラーティへ顔を向けると

「ああ、彼は思念で言葉を送ることが出来るんだ」

と、答えてくれた。

へびもどきは、外に野生とかどこかの家に、彼女が何匹もいるらしい。

ラーティは、苦笑まじりで、ヘビもどきの性格を説明してくれて

私は大人しく聞いていた。


私達が仲良く会話をしている姿を、タコ女とイカ男はじっと見ている。

その視線に気が付いて、ラーティに尋ねると、彼は顔を真っ赤にさせた。

「どうしたの?」

「その、か、彼らは僕と君の子が欲しいんだよ」



男性とお付き合いもしたことがなく

手も繋いだことのない

(先ほど、繋ぎましたが)

全くの何も経験のない16歳の娘には

お付き合い、恋人、婚約、結婚を飛び越え

言われたのが、子供が欲しい という言葉でしたので

心臓がその衝撃に耐えきれなくて

ええ、もちろん気を失いました。


「わわ、ヤヤコ。しっかり」







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