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【書籍化】秋津皇国興亡記  作者: 三笠 陣@第5回一二三書房WEB小説大賞銀賞受賞
第三章 列侯会議編

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49 将来の課題

「ところで、葛葉冬花には弟がいたな?」


「はい。鉄之介と言いまして、十四になります。今は学士院に通っています」


 浦部からの不意の問いかけに、冬花は景紀の従者としての態度で慇懃に答える。


「十四というと、来年度で学士院中等科は卒業だな」


 皇国の教育制度においては、六歳から十歳までの四年間が義務教育年間となっており、その後の針路は多種多様であった。

 景紀のような将家の男子は十歳になると兵学寮へと入学して軍人の道を歩む者が多いが、一方で中等教育機関・高等教育機関へと進学する者たちもいる。その中でもさらに一握りの人間が、最高学府である大学へと進学する。

 葛葉家は陰陽師の家系であるので、鉄之介は将家の家臣ではあったものの兵学寮へは進まず、華族子女の教育機関として設立された学士院中等科へと入ることとなった。学士院中等科の修業年間は五年であり、十四歳の鉄之介は十五歳となる来年に卒業することになる。


「その後の進路はどうするのだ?」


「父の下で、さらなる修行に励むものかと。本人が希望すれば、高等科へと進むでしょうが」


「ふむ」浦部は思案顔になった。「であるならば、高等科に進みつつ私からも呪術師としての手ほどきを受けるというのはどうだ? 立場としては、御霊部見習いという形を取れば問題なかろう」


「それは、浦部様に弟子入りするということでしょうか?」


「一族に伝わる秘術を子々孫々へと伝えていくのが呪術師の姿勢であろうが、時には外部の術を取り込むことも必要であろう。そうして、呪術は今まで発展してきたのだ。葛葉家に入った貴様の母親も、確か高名な神社の神主の家系に生まれた巫女であったそうではないか」


「それにしても、何故?」


「決まっている」


 浦部は鋭い視線で冬花を射貫いた。


「先の勾玉だけで安心出来るほど、私は楽天家ではないのだ。万が一の場合、貴様を抑える力を持つ者として、血の繋がった貴様の弟がその責を担うのは当然であろうが」


 それは、浦部伊任にとっては当然の危機管理なのだろう。むしろ彼にとっては、万が一の場合は自分が冬花を討つといった景紀の言葉の方が、非現実的なのかもしれない。景紀は、呪術師ではないのだ。


「……」


 冬花は景紀に視線を遣った。

 浦部の提案は、冬花が勝手に決めていいものではない。葛葉家はあくまでも結城家に仕える存在であり、最終的な決定権は景紀にある。

 冬花の視線を受けた景紀は、小さく溜息をついた。そして口を開く。


「それは、今ここで返事をしなければならない問題か?」


「いや、葛葉家の当主とも相談すればよい。今すぐに返事は求めんよ」


「なら、鉄之介の卒業までに決めさせる。それまでは、この話は一旦、保留だ」


「まあ、構わんよ」


 浦部はあっさりと頷いた。


「それと、ならばもう一つ、私の方から提案だ。これも、葛葉鉄之介の卒業までに決めてくれればよい。私には息子と娘がいるが、娘は十三だ。葛葉鉄之介に嫁がせてやってもよい」


 その言葉に、景紀はまた小さく溜息をついた。


「呪術師っていうのは、俺たち将家や公家なんかよりもよほど血筋に拘るんだな。妖狐の末裔と龍王の末裔、二つの血を合わせようってことか?」


「貴殿ら華族は血を統治の正統性と見ている。一方、我ら呪術師にとって、血とは文字通り呪術の源なのだ。王侯貴族は統治の正統性を証明出来る血が一滴でも混じっていれば、庶子であろうが統治者としての地位を掴むことも出来る。それは世界の歴史が証明していよう。しかし我ら呪術師は、血が薄まれば生まれた子の霊的素質は低下していき、やがてその家は衰退していく。呪術師としての力を、子々孫々まで維持していくためには、強い血を取り込んでいくことが必要なのだ。だから葛葉家にとっても、悪い話ではあるまい。貴殿にとっても、宮中に繋がりを持つことが出来よう」


「それもまた、今すぐ返答すべき問題ではないな」


 景紀は首を振った。


「ああ、そうだな。だが、一つの選択肢ではある。考えておくのだ」


「判った。話はそれで終わりか?」


「ああ、終わりだ」


 それで二人は話を打切り、景紀と冬花は書陵部庁舎を退出した。


  ◇◇◇


「ごめんな、冬花」


 馬車に乗り込むと、景紀は開口一番にそう言った。

 彼女が自身の本来の姿を忌避していると知っていて、景紀は狐耳と尻尾の封印を解くように命じたのだ。

 それが宮中勢力との対立を避けるために必要な命令であったとはいえ、景紀もまた、浦部伊任と共に少女に望まぬことを強いた一人であるのだ。


「いいえ、気にしないで。それに、景紀がずっと手を握っていてくれたから、大丈夫よ」


 主君を安心させるように、冬花は柔らかく微笑んだ。景紀の手の温もりがあったから、自分はあの場を切り抜けることが出来たのだ。

 だから、本当に景紀が気に病むようなことは何もないのだ。


「そうか」景紀はまだ心配そうな表情であった。「まあ、手くらいだったらいつでも握ってやる。不安だったら、また言え」


「ふふっ、ありがとう」


 少しばかりのこそばゆさを感じつつ、冬花は笑い声を零した。


「それにしても、鉄之介の件は意外だったわね」


「そうだな。ただまあ、あいつも来年には十五だ。そろそろそういう話があってもおかしくはない」


「で、どうするの?」


「そこが問題なんだよなぁ……」


 景紀は腕を組んで、座席の背もたれに寄りかかった。


「正直、鉄之介は俺のことを嫌っているだろ? 俺が無理に決めても反発しそうだし、それの反発が浦部殿の娘にまで向かえば、決して良い夫婦関係にはなれないだろうしな」


「あの子が景紀を嫌っている理由って、私が原因なのよね」


 悩ましそうに、冬花は嘆息した。


「まあ、弟から姉貴を取っちまったのは俺だからな。そりゃあ、嫌いもするだろうさ」


「悪い子じゃないんだけど、どうしたものかしらね……」


 悩ましげに、冬花は息をつく。


「なあ、あいつはお前に甘えたいのか、それともお前に陰陽師として認めてもらいたいのか?」


「さあ? ちょっと判らないわ。単純に反抗期真っ盛りって可能性もあるし」


「……宵が言った通りだな」


 苦々しく、景紀は呟いた。


「宵姫様が何か?」


「この間、言われたんだよ。お前と鉄之介の間にはすれ違いがあるんじゃないか、って」


「“すれ違い”?」


「ほら、お前が俺のシキガミになった切っ掛けは、鉄之介の存在だろ? だからお前は心の奥底で、弟に苦手意識を抱いているんじゃないか、って。そんで、鉄之介は鉄之介で、姉の存在を大切に思うだけで、姉を理解しようとすることを疎かにしているんじゃないか、ってな」


「……宵姫様は、よく人のことを見ていらっしゃるのね」


 指摘されて思い当たる節があるのか、冬花は恥じ入るように目線を下げた。


「でも、私は何よりも景紀のシキガミでいたいの。だって、それが私の陰陽師としての矜持だし、葛葉家を継げない私の存在意義なんだから」


「……」


 やはり、この姉弟のすれ違いは相当根が深い問題らしい。景紀は冬花の言葉を嬉しく思いつつも、そう考えざるをえなかった。

 もともと、幼少期は景紀に完全に依存していた冬花である。だからこそ彼女は、そうなってしまった原因ともいえる弟と真正面から向き合うことが出来ていないのだ。

 とはいえ、そこには冬花をシキガミとしてしまった景紀にも原因があるのだから、冬花ばかりを責めるわけにもいかない。

 ただ、やはり景紀も冬花の主なのだ。姉弟関係の悪化に責任を感じるよりも、冬花のことを慮ってしまう気持ちの方が大きい。

 彼女の言う通り、鉄之介の存在がある以上、冬花は葛葉家を継ぐことは出来ない。景紀のシキガミになることがなければ、彼女はどこかの呪術師に嫁がされていただろう。もしかしたらそれは、妖狐の血筋を己が血筋に取り込みたがっている浦部伊任の息子のところであったかもしれない。

 “景紀のシキガミ”という立場がなくなれば、冬花の結城家内における立場は極めて不安定なものになるのだ。だからこそ、景紀は鉄之介よりも冬花を優先する。

 隠居を考えている自分が言うのも何であるが、鉄之介も葛葉家次期当主としての自覚が出てくれば、自然と落ち着いてくるのではないかと思っている。

 冬花の言う通りに、反抗期真っ盛りという可能性もあるだろう。

 鉄之介の景紀への反発は、謀反などを警戒するほどのものではない。というよりも、妖狐の血が色濃く出たが故に優れた聴覚を持つ冬花が景紀の側にいる以上、そうした計画があったとしても未然に察知出来る。

 ここは、宵には無責任と言われてしまうかもしれないが、時が問題を解決してくれるのを待つのがいいのかもしれない。少なくと、鉄之介に関して自分が何か手を回すのは、かえって逆効果だろう。


「とりあえず、鉄之介の件に関しては、折を見て切り出すしかないだろうな」


「その前に、父様と母様には話を通しておいた方がいいかもしれないわね。その方が、あの子の反発も少ないと思うから」


「じゃあ、すまんが冬花の方で伝えておいてくれ」


「了解」


「それと、念の為の浦部伊任の娘の調査だな。正直、うちの隠密を煩わせるような仕事じゃないから、女子学士院の教師とか院の関係者に直接問い合わせればいいだろう」


「一応、私も女子学士院の卒業生だから、後輩の伝手とかを使って調べられるけど?」


「首席様なんだから、“一応”って謙遜することはないだろ」くすりと、おかしそうに景紀は笑った。「まあ、そっちの方面からも情報は集めといてくれると助かる」


「判ったわ」


 ひとまず、鉄之介の問題は緊急を要するような重要な案件ではなかったので、二人の話題は別のものへと移っていった。


  ◇◇◇


 夜、屋敷の寝所にて景紀は大まかに今日の出来事を宵に語った。


「……なるほど、家禄・賞典禄を実質的に削減して軍事費に充てる、という方法で予算問題を解決されたのですね」


 教師から講義を受ける生徒のような態度で、宵は布団の上に正座していた。


「ただ、疑問があるのですが、陸軍の常備二十五個師団計画、海軍の六六六艦隊計画のどちらも実現しなかったということは、問題が将来に先送りになったという見方も出来るのでは?」


「ああ、まさしくそれが問題ではあるんだよなぁ」


 これに関しては、景紀も腕を組んで唸らざるをえなかった。


「とりあえず、外交的手段によって対外緊張の緩和を図るべきだとは思うんだが……」


「正直なところ、攘夷という観念が先行している者たちに、冷静に国際情勢を説いたところで意味がないように思えますが?」


 宵は辛辣に指摘する。それに対して、景紀は難しい表情を浮かべた。


「ああ、そもそも対外情勢に対する認識からして違っているんだからな。対外強硬派はアヘン戦争に代表されるように、強引な形で東洋進出を強めている西洋列強の動きを見て、攘夷を唱えている。一方、うちや有馬、長尾は西洋列強を脅威と捉えつつも、実際の国力に応じた国策を遂行すべきだと考えている。その中で当然、手を組める国とは手を組むべきだろうとも思う」


「アルビオン連合王国とホラント王国との四次に渡る戦争において、皇国が連合王国と手を組んで南洋に権益を拡大したように、ですか?」


「ああ」景紀は頷いた。「正直、アヘン戦争の所為でうちの国民の対アルビオン感情が一時的に悪化したが、連合王国とは、戦国時代末期以降、何かにつけて共闘関係を維持してきた間柄だ」


 戦国時代の末期以降、皇国は対外進出を続け、西洋の大航海時代に比肩するほどに世界各地に秋津人の船が向かっていった。泰平洋中央部に浮かぶペレ諸島なども、西洋人に先駆けて「再発見」している。

 その中で植民地として獲得出来たのは氷州、沿海州、日高州、高山島、南洋群島、新南嶺島などであるが、東南アジア各地にも秋津人町を形成し、各地域の鉱山などの利権を手にすることに成功している。当時、鉄砲大国でありながら国内で鉛があまり採れない皇国にとって、資源豊富な東南アジアへの進出は必然のことといえた。

 こうして形成されたのが、いわゆる「皇国南洋特殊権益」である。

 しかし、この過程で当時、東洋方面へと進出してきた西洋諸国との間に、何度かの軍事衝突が発生していた。その代表的なものはヒスパニアとの間でフェリペニアを巡って発生した「比島戦役」であるが、それ以外にも大小の出兵は、戦国時代末期から現在に至るまでの二〇〇余年の間に、幾度となく行われている。

 特に、海洋覇権を巡って対立していたアルビオン連合王国とホラント王国との間に発生した四次に渡る戦争では、皇国はアルビオン連合王国側について出兵を行っていた。こうした影響もあり、皇国と連合王国との結びつきは強い。

 実際、現在でも皇国の最大の貿易相手国は、斉が対外貿易を制限していることなどもあり、アルビオン連合王国であった。アヘン戦争期には皇国でアルビオン製品の不買運動などが起こっていたが、それでもかの国との政治的・経済的な結びつきは依然として強かった。

 アルビオン連合王国の側でも、議会においてアヘンの密輸取り締まりに対する報復出兵である対斉戦争に反対する議員がいた一方、この出兵による対秋関係の悪化を懸念する議員たちもいたという。

 実際、アヘン戦争の後、斉の弱体化に伴って東洋に進出しようとしたフランク共和国(「共和国」とは名ばかりで、現在は政変によって帝政が敷かれている)が東南アジア・広南国における皇国南洋特殊権益を侵しかけた際には皇国との武力衝突が発生し、フランク共和国は敗北している(皇国ではこれを「広南出兵」と呼んでいる)。

 帝政フランクのアジア進出失敗という事例を見ても、対秋関係の悪化というアルビオン連合王国の懸念は間違っていないのだ。そもそも、市場の拡大を狙って対斉戦争に踏み切った連合王国であるが、それによって対秋関係が悪化して東洋方面への進出が阻止されるような事態となれば、本末転倒である。

 実際、アヘン戦争の結果、秋津皇国の対連合王国感情が悪化すると、連合王国は今上帝の即位一〇周年を記念する式典に王族を代表として派遣するなど、秋津皇国との関係改善に努めていた。

 攘夷派が西洋列強を警戒しているように、彼らもまた、東洋の軍事大国たる皇国を警戒しているといえよう。


「国内政治に外交政策、なかなか難しいものですね」


「だからとっとと隠居したいんだよ」


「またそういうことをおっしゃる……」


 辟易したように景紀が言うと、宵は呆れたような笑みを浮かべた。


「あと問題は、冬花様の弟・鉄之介殿の件ですね。正直、意外の感はありましたが」


「まあな」


「とはいえ、冬花様、あるいはそのご両親に問題丸投げというのは、あまり褒められた態度ではないかと思いますが」


 じとっとした目を宵に向けられ、景紀は居心地悪そうに目線を逸らした。はあ、と黒髪の少女は小さく溜息をつく。


「まあ、景紀様のお気持ちも判らなくはないですし、変に無理強いしても弟さんとの関係は悪化するだけでしょうから、これで良かったといえば良かったのかもしれませんが」


 納得しているようなしていないような、曖昧な口調で宵は言う。


「ところで、佐薙成親の失脚は列侯会議まで待つ形ですか?」


 最早、宵は佐薙成親のことを父とは認識していないらしい。


「ああ。現状でも、結城家が中央政府に圧を掛けることで改易させるのは可能だろうが、それだと六家に陥れられたという思いを抱く佐薙家家臣団もいるだろうからな。列侯会議で失脚させた方が、幾分、民主的に見えるだろう? それに、奴を完全に叩き潰すためには、列侯会議という全国の人間が注目している場の方がいい」


「列侯会議まであと八日。その間にあの男が体勢を立て直す危険性は?」


 慎重そうに、あるいは疑り深そうに、宵は問うた。


「いや、断片的な情報だが、佐薙家内はすでに割れているらしい。あくまでも『攘夷派に拐かされた娘を救おうとした』という主張を押し通そうとして内務省に工作をかけている家臣と、お前という伝手を使って佐薙家の嶺州統治権をなんとか維持しようとする家臣に、な。以前、言ったように、お前が結城家の強硬な連中を諫めて嶺州のための支援を引き出そうとしている、という話を広めた成果だろう。結城家にはまだ交渉の余地があると連中が判断すれば、当然、反六家の強硬派と穏健派の間で分裂が生じることは目に見えていた」


「ということは列侯会議が始まるまでに、私の元に佐薙家の家臣が景紀様との間を取り持ってくれるよう、訪ねてくる可能性もあるということでしょうか?」


「佐薙成親がそれを必要と感じれば、な。ただ、恐らくは列侯会議まで宵に対する工作はないと思うぞ。お前が言った可能性は、佐薙成親が完全に失脚してからのことだろう」


「私は、どう対応すればよろしいでしょうか?」


「出来るだけ、佐薙家の味方……まあ正確には嶺州領民の味方だな……のように振る舞ってくれればそれでいい。結城家としても下手に佐薙家の反発を残したまま、嶺州の統治に介入すれば大火傷を負うだろうからな」


「判りました。上手く立ち回ってみましょう」


 はっきりとした言葉で、宵はそう断言した。彼女なりの、覚悟の表れなのだろう。

 今の宵の姿は、容姿の幼さが取れて、冬花とはまた違った凜々しさがあった。婚儀の日に見せた悲壮にも感じる態度では、最早なかった。


「ああ、頼んだぞ」


 だから景紀は信頼と共に、宵の頭をぽんぽんと叩いた。黒髪の少女は、少しだけくすぐったそうに笑みを零した。


「……ああ、そうだ。話は全然変わるんだが、宵、明日の夕方、ちょっと付き合ってくれ」


「どこかの有力者との会合でも?」


 宵は景紀が何に付き合って欲しいのか、即座に悟ったようだった。


「いや、貴通から食事でもしないかと誘われてな。誘拐事件の事後処理でもそれなりに動いてくれているから、礼も兼ねてお前の紹介をちゃんとしたいと思ったんだ」


「なるほど、そういうことでしたか。では、喜んでお供いたします」


 宵はそう言って、軽く頭を下げた。

 そうして布団に入って微睡みの中に沈みながら彼女はふと、以前の疑問を思い出した。何故、景紀はその兵学寮同期と冬花を今まで会わせなかったのだろうか、と。

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『秋津皇国興亡記』第1巻
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