第96話 【警戒・3】
そして約束通り訓練が早めには終わったグレンは、帰宅せずに王城へと向かった。
聖女とマーリンと合流したグレンは、キャロルも迎えに行きグレンの家へと移動した。
「夜に話し合いと言っておったが、結構早くに始めるんじゃな」
「ああ、ガリウスに話したら訓練の時間を短くしてくれてな。少しでも多く色々と話て方が良いと思ってな」
そうグレンが言うと聖女達もなるべく多くの事を話したいと考えて動いていたみたいで、上手く集まる事が出来た。
そうして家に集まったグレン達は、キャロルが手に入れた紙を軸に話を始めた。
「……キャロル。お主、よくこんなもの見つけたの」
マーリンはキャロルが見せた紙を見て、重要な内容が書かれてる紙を見つけた事を感心してそう言った。
「運が良かったからにゃ。殆ど、燃やされてたり無くなってたけど、それだけが残ってたにゃ。それにもう一度調べるって言ったのは、王妃様にゃ」
「デュレイン国の王妃様は、行動力と言いますか勘が鋭い方なので行動が本当に早いんですよね」
キャロルの言葉に対して、聖女は王妃様の事についてそう語った。
その後、帝国との繋がりが確定した事を踏まえて、今後の動きについて再度話し合いで決める事にした。
「敵は帝国と確定しましたので、今度は帝国と繋がってる国を調べるのも良いと思いますね」
「そうじゃな、帝国は表では戦争ばかり起こす危険な国じゃが、それは逆に邪魔な国を消してくれる国でもあるから、裏で繋がってる国は居ると儂も聞いた事がある」
「ふむ……でも、俺はすまないが王都からは出れそうにないな」
マーリンの言葉にグレンは、自分がクランで教官の立ち位置をしている事、そして王都を妖精に見張らせているから動く事は不可能だと伝えた。
「成程、でしたら私の方で動きましょう。グレンさんと妖精さんの力があれば、王都の守りはかなり固いと思いますので」
「そうじゃな、儂も周辺国の調査に出むこうかのう。王都は、グレンさえ居れば大丈夫じゃし、何かあれば直ぐに戻ってこれるしのう」
聖女、マーリンがそう言うとキャロルは「あたしは、王都以外のこの国の調査をするにゃ」と言った。
その後、綿密に今後の動きを話し合ったグレン達は、連絡用の通信魔道具で何かあれば必ず報告する事を決めて解散した。
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