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第75話 【クランの一員として・2】


 そうして今後の動きが決まった〝シルバーナイツ〟は、各自動き始めた。

 昨日の会議で剣術訓練として配属されたのは、グレンとガリウスの二名。

 攻撃特化型の剣術使いのグレン、防御型に特化したガリウスの戦い方の少し違うこの二人が訓練の教官をする事になった。


「ガリウス、今日は俺で良いのか?」


「ああ、俺もお前の動きは見たいと思っていたからな、それにこいつ等もそっちの方が良いみたいだしな」


 ガリウスは、後ろに居るメンバー達を見ながらそう言った。

 その言葉通り、メンバー達はグレンから教えて貰う事を楽しみにしていたようで、あからさまに動揺した。


「ほらな、そう言う事だから今日は頼むよ」


「了解。それじゃ、今日は俺が教えるか」


 そうグレンが言うと、集まったメンバーは「お願いします!」と大きな声で返事をした。

 その中には昨日、双子で喧嘩をしていた男の方のニックも居た。


「まず、俺の剣術だがガリウスの様に守りながらという戦い方を完全に捨てたやり方になる。攻撃に特化したやり方で、全身に身体強化を付与した上に剣に魔法を付与して戦っている」


 グレンはそう言いながら、身体強化と剣に魔法を付与しながら言った。

 そのグレンの身体強化と剣への魔法付与を見ていたメンバー達は、「おぉ~」と感心したような声を出した。


「最初に言っておくと、俺のこの身体強化を真似するには時間が掛かる。だから、俺が教えるのは剣への魔法付与のやり方と攻撃特化の戦い方を教えようと思っている」


 そうグレンが言うと、ニックが手を挙げて「剣に魔法を付与するのって、難しいんじゃないんですか?」と質問して来た。


「最初はコツを掴むのは、難しいが慣れたら簡単に出来る様になる。っと、こんな風にな」


「「お~」」


 ニックの質問に対して、グレンは答えながら剣を握っただけで剣に魔法が付与された。

 その一瞬の出来事にメンバー達は驚き、質問をしたニックもキラキラとした目でグレンを見つめた。


「まあ、でもそのコツを掴む前に必要なのが〝属性魔法〟を使えるかって事なんだが、この中で属性魔法を持ってない奴は居るか?」


 そうグレンが質問すると、チラホラと悲しそうな表情で手を挙げる者達が居た。


「ふむ……」


 グレンはそこで考えような仕草をして、脳内でフレイナに呼びかけた。


(あいつ等、本当に属性魔法が使えないのか?)


(ん~……いいえ、使った事がないだけで全員素質は持っているわよ)


 フレイナは手を挙げた者達を観察しながら、誰がどの属性を持っているのかグレンに伝えた。

 その情報を伝えられたグレンは、教えられた属性別にメンバーを集めた。

 そうして集めた者達に対して、グレンは「お前らには、今伝えた属性魔法が使える」と言った。


「えっ?」


 当然、集められた者達は「何て言われた?」と、理解してない顔で反応をした。


「……グレン、ちゃんと説明してやれ、こいつら何を言われたのか理解出来てないぞ?」


「……そうだな、取り敢えずリック。ちょっと、こっちに来い」


「は、はい!」


 グレンに呼ばれたリックは、返事をしてグレンの傍にやって来た。


「さっき言った通り、お前には〝火〟の属性魔法が使える素質がある。魔力を使う事は出来るよな?」


「はい、身体強化は覚えているので、それで魔力の動かし方は習いました」


「よし、それじゃ俺と同じように魔力を動かしてみろ」


 グレンはそう言って、リックに見せるように魔法を発動させた。

 リックはグレンの魔法を見ながら、一生懸命魔法を発動させようとすると、リックの手から火の玉が放たれた。


「えっ!? 今、僕火の玉を出しました!?」


 リックは自分が火の玉を出した事に、驚きながらそうグレンに聞いた。


「ああ、今の火の玉はお前が出したんだよ。一回使ったら、何となくやり方は感じ取れただろ? もう一回、同じように出してみろ」


「は、はい!」


 そう言われたリックは、グレンの指示通りもう一度、同じように魔力を動かし火の玉を出した。

 その様子を見ていた他のメンバー達は、驚き魔法が使えなかった者達はグレンに「自分にも教えてください」と集まった。

 その後、グレンは一人一人に魔法の発動のやり方を教えて行き、無事に全員が属性魔法を扱えるようになった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 優秀すぎる教師だな しかしクランて主人公に利店あるのかな ただ働きさせられてるようにしか思えないんだけど 仲間ができるとか、 いざというとき仲間に助けて貰えるのが利点なのかな
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