第288話 【結婚式・1】
フローラと一緒に式場のある場所にやって来たグレンは、自分達が一番最初に利用する式場の建物を初めて目にした。
白をベースとした美しい建物の壁に、周りには式場の良さを上げる為か花園も作られていた。
外観の為だけに作られた装飾されたアーチや、美しさを上げる為に屋根の細部まで拘った作りをされていた。
グレンはそれらを見て、フローラが凄い建物を用意したなと感じていた。
「外観だけでそんなに驚いてたら、中をみたらもっと驚くわよ?」
「……中も凄いのか?」
「ふふっ、職人達と連日徹夜で話し合って作った場所よ? 内装も全て、拘って作ってるわ」
それから自信有り気にいうフローラにグレンは付いて行きながら、建物の中に入った。
そしてグレンは、建物の中に入った第一声に「すご……」と自然と言葉が漏れた。
外から見たら二階建てかとグレンは思っていたが、中身は一階建てで天井まで凄く高い作りとなっていた。
照明器具や花瓶等といった装飾に欠かせない物も、一つ一つ選び抜かれた物だとグレンは感じた。
「よく、ここまで作り上げたな……こんなに年単位で建てる物だろ?」
「そこは私の商会の力でどうにかしたわ。だって、私の商会が大きくなったのはグレンの力もあったおかげだからね」
「にしてもだろ……」
その後、グレンは他の部屋を見て回る事にしたのだが他の部屋も凄く拘って作られていた。
それらを見終わったグレンは、フローラに対して「やりすぎじゃないか?」と聞いた。
「世界を救った英雄の結婚式よ? それをする場所として、相応しい場所としてこれくらいはしないといけないわよ。正直に言えば、もう少し宝石を使いたい所だったけど、採掘が間に合いそうにないと思って宝石は少し少なくなったのは私の誤算だったわ」
「いや、十分だって……盗賊からしたら、この建物自体が宝に見えるだろうな」
「ふふっ、確かにそうね。でも内装にしか宝石とかは使ってないし、それに万が一盗賊が入ったとしても、結婚式をやらない時もここはずっと警備させる予定だから大丈夫よ」
フローラはそう言うと、フレイナが「妖精の結界も張ってあげようかしら?」と言った。
「良いのか?」
「ええ、グレンの為に作ってもらった場所なんでしょ? なら、グレンの領土の土地となる相手が入れないように結界を張ってあげるわ」
フレイナはそう言うと、妖精達と共に建物から出て行き結界を張りに行った。
「妖精の長が結界を張ってくれるなんてね……そうなると、ここの安全性は上がったわね」
「まあな、フレイナも人間だけの力じゃ不安と思ったからやったんだろうな……それにしても、ここの式場は俺達が使った後はどういう風に使う予定なんだ?」
「予定としてはグレンの知り合いとか、グレンの部下が結婚するってなった時に使う予定かしらね? 一般人でも、グレンが良いっていうなら使わせても良いけど?」
「……まあ、最初の内は知り合いとかだけにしておくか。今後、色々と見て一般人にも開放とかさせたらいいだろう」
グレンはこれ以上、頭を使うのが嫌だった為、考えを後回しにする方法としてそう言った。
フローラはグレンの気持ちを察して、笑みを浮かべて「分かったわ」と返事をした。
その後、フレイナが戻って来てからグレンはフローラを連れて、元の場所へと連れ帰った。
「それじゃ、グレン。建物も出来た事だし、結婚式について色々と進めて行きましょうか」
「ああ、分かった。……だけど、それはまた後日で良いか? 今日は、あの建物を見て頭が動かないから」
「ええ、分かったわ。それじゃ、明日また来れるかしら?」
フローラの言葉にグレンは頷き、結婚式についての話し合いは明日へと回し、グレンはフローラにお礼を言って家に帰宅した。
帰宅後、グレンの顔が疲れていると気づいたニアは「何かあったの?」と心配した様子で聞いてきた。
「式場が凄すぎてな……ニアも後日連れて行くと思うが、あそこは凄いぞ」
「えっ、式場だよね? 何が凄いの?」
「色々とだ……取り合えず、俺は疲れたから夕食まで横になるよ」
それからグレンは、そのまま寝室へと移動して寝る事にした。
〝凄い〟とだけ聞いたニアは「何が凄かったの?」と妖精達に聞くが、狼狽えてるニアが可愛く見え、教える妖精は一人も居なかった。
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