第276話 【人材確保・1】
ウォルドレットがグレンの街に住む様になってから一週間が経ち、ようやくグレンの仕事は落ち着きを取り戻しつつあった。
特にフローラの頑張りは凄まじく、一時的に王都に残してきた部下もグレンの街に応援に呼び、一気に仕事を片付けて行った。
「マジでフローラが居て本当に良かった。ありがとな」
「今回は仕方ないわよ。それにウォルドレットが加わった事で、よりこの街の安全度が上がって多くの人が来てるみたいだから商人としては有難いわ」
悪い噂が流され名声が無かったグレンとは違い、ウォルドレットは昔から冒険者として名が知れ渡っている。
その為、そんなウォルドレットすらもグレンの領地に住むと聞いて、多くの者達がグレンの領地へと移住しにやってきた。
最初から大勢の人が来るとフローラから言われていたグレンは、街の大きさをそれなりに確保していたが一つだけ問題があった。
「それにしても、そろそろ人材の確保を真剣に取り組まないとヤバいな……」
「そうね。私の方でも良い人が居たら、勧誘してるけどそれだけじゃ足りそうにないわね……」
王国から数十人程、人を貸して貰っているがそれだけで足りず、領土にやってきた人を調べて戦力として使えそうな人が居たら採用している。
だがそれだけでは人手不足は解消できず、王国から貸して貰った人達も疲労が溜まっていた。
「正直、人が多すぎて面接したとしてもいい人を見つけるのに苦労するのよね……人は沢山来るんだけど」
「まあ、それはな……妖精達に聞いてるけど、もう少しでなんか手伝えそうって言ってるけど、それがどうなるか分からないしな」
グレンが人材不足に悩んでいる事は妖精達も知っていて、どうにか手助けをしたいと考えている。
フレイナもまたそんな妖精達の気持ちを理解して、最近はグレンから離れて妖精達とどうにか出来ない模索している。
「ガリウス達も警備でかなり疲労が溜まってるみたいだし、そっちの人材も確保しないとな……」
「ガリウス達には本当に感謝しないといけないわね……そう言えば、丁度今日ガリウスと親交がある王都で活動してるクランが、こっちに移動したいって話があったけど、グレンどうする?」
「そうなのか? 気になるな、ガリウスと親交があるって事はそれなりに性格も良い奴だと思うから、一度ガリウスを交えて話し合ってみるか」
グレンはそう言うと、ガリウス達が休憩所として使ってる建物に転移で移動して来て、クランのメンバーにガリウスが居るか聞いた。
「ガリウスさんなら、奥の部屋に居ますよ」
「そうか、ありがとな」
教えてくれたクランメンバーにお礼を言い、グレンは奥の部屋へと向かった。
そうして部屋をノックして中に入ると、疲れた顔をしてソファーに横になってるガリウスの姿があった。
「なんだグレンか、どうした?」
「お前も相当疲れてるみたいだな……」
「ああ、まあこっちは身体的な辛さだからまだ良いけど、お前は精神的にも疲れてるみたいだな、あんまり無理するなよ?」
「お前もな」
そうお互いに労いつつ、グレンはここに来た理由をガリウスに説明した。
移動を打診して来たクランの名は〝レッドヘッドオーガ〟という名のクランという事を言うと、ガリウスは「ああ、そいつらならよく知ってるぞ」と言った。
「名前はいかつい名前してるが、クランの奴等はかなり礼儀の良い奴等でよく一緒に合同依頼を受けたり、一緒に遠征に行って訓練もしてた奴等だ」
「というと、いい奴等って事か?」
「ああ、いい奴等だよ。でもあいつ等がこっちに来るって決めたのは意外だったな、あいつら元々は田舎出身のメンバーが多くて王都で成功する! ってのが目標で集まって連中だったから、王都から動くとは思わなかったな」
「そうなのか? 一応、今度話し合いする予定だから、その席にお前も来るか? 知り合いが居たら、話しやすい空間も作れると思うしな」
そうグレンが言うと、ガリウスは「参加できるならしたい」と言って、話し合いの日をガリウスに伝えた。
その後、ガリウスと少しだけ最近の事を話して、ガリウスも人材の確保ほ早くして欲しいと思っている事をグレンは知った。
「何とか頑張ってみるから、それまではお前らも耐えてくれよ。フローラとお前らだけが俺の頼りだからな」
「ははっ、あのグレンに頼りにされるとはな。まあ、クランの奴等が疲労で倒れるなんて事は無いように注意を払ってるから、お前も疲労で倒れたりするなよ」
「ああ、分かってる」
グレンはそう言った後、久しぶりにガリウスと話せて少しだけ気持ちが楽になり、再びフローラの所に戻ってガリウスも話し合いに参加する事を伝えた。
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