第255話 【帝都でのお手伝い・3】
翌日、グレンは流石に一日で終わらせたと報告をしたら、寝る時間まで色々と話込むだろうと思い。
朝食の時間にグラム達に、帝都の道の整備が一通り終わった事を告げた。
「……え?」
「グレン、ごめん聞き間違いかな、もう終わったの? まだ一日しか経ってないよ?」
ウィルドとグラムはグレンの報告に対して、信じられないという態度でそういった反応をした。
するとグレンは二人を連れて、転移で帝都の上空に行き二人に浮遊の魔法を掛けて、周りを見渡す様に指示を出した。
そうして二人はグレンの報告通り、既に道の整備がされているのを確認すると、唖然とした様子で固まった。
「ちゃんと言った通り、整備が終わってただろ? それにもう既に家の建築も大分進んでる状態だ」
「ねえ、ウィルド。僕達って、結構頑張ってたよね?」
「ああ、もう徹夜する程頑張ってた。なのに、なんだこの差は?」
「……グレンがおかしいんだよ。僕達はちゃんと人間らしく働いてたんだよ」
グラム達はグレンの働き度に対して、自分達が仕事をしてないという錯覚をしてしまい。
逆にグレンがおかしいと思い込む、なんとか自尊心を保つ事にした。
「まあ、今回に関しては俺はおかしいと自覚してるよ。まさか一日で終わらきれるとは思ってなかったからな、それで一つ思ったんだけど帝都もう少し広げてもいいと思うんだけどどうする?」
「……いや、それは止めておくよ。この大きさが一番丁度良いんだ。あまり大きくしすぎると、管理しきれなくなるからね」
「確かに人が多すぎると、管理が行き届かないとかあるのか……成程な、流石ブラッド家の当主様、色々と経験してるんだな」
グレンは自分の質問に対して、答えたグラムの言葉に納得してそう感心したような感じで言った。
その後、食事を終えたグレン達は今日も別行動をする事にした。
今日グレンがしようと考えてるのは、主に平民達が暮らす区域の民家の建築を終わらせるのと、別区画に手を付ける段階まで行こうと考えている。
「フレイナ、妖精達に聞いて欲しいんだけど、一つの家を建てるのに何人必要でどの位で建てられる?」
そうグレンがフレイナ伝えにそう聞くと、三人で一時間あれば一つの家が完成すると返答が来た。
それを聞いたグレンは三人一組を作る様に指示を出して、住居区に向かったグレンは妖精達に指示を出して家の建設を行い始めた。
それから数時間後、相当な広さがあった住居区は綺麗な家が立ち並び、かなりいい感じになっている。
グレンはその様子を上空から見下ろし、腕を組んで満足した。
「一から作ったからか、なんか愛着が湧いたな……帝都に来る事は今後あるだろうし、一件くらい貰ってもいいかな?」
「グレンの家なら、これから作る貴族用の住居区の方に建築するって言ってなかった?」
「ああ、そうだったな忘れてた」
あまりにも自分が作った物が良くて、一瞬自分の家を建てる予定という事を忘れていたグレンはフレイナの言葉を聞いて思いだした。
その後、グレンは確認も終わったので妖精達を集めて、次の仕事へと向かった。
「それでグレン、今度はどの区域をするの?」
「グラム兄さん達は帝都の入口の方を先に完成させて欲しいって言ってたから、そっちにとりかかろうと思う。今のままだと他の場所から折角、戻って来た帝国民ががっかりするからって、今も一部の悪魔達に安全に戻ってこれるようにって迎えに行かせてるみたいだし」
悪魔は力仕事以外はそんなに役立たないと分かったグラムは、グレンの働きを見て悪魔の一部を帝都から離れていた元帝国民の迎えに行かせている。
なので迎えに行かず帝都に残った悪魔達は、以前の様な帝都の掃除は終わってるのでグレン達とは別の区域をグラムと一緒に担当して仕事を行っている。
「だとしたら、先に貴族用の住居区もやった方がいいんじゃないの? 戻ってくるのは、グラムと同じ貴族なんじゃないの?」
「あ~、そこに関しては聞いてなかったな……先に聞いておくか」
フレイナの言葉に対して、確かに感じたグレンは仕事に取り掛かる前にグラムの所に行くと決めて魔力を探り、グラムの元に転移で向かった。
【作者からのお願い】
作品を読んで面白い・続きが気になると思われましたら
下記の評価・ブックマークをお願いします。
作者の励みとなり、作品作りへのモチベーションに繋がります。





