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第185話 【最強の従魔使い・2】


 あの後、グレンはフローラの商会へと訪れ、丁度仕事が一段落したフローラの元に案内された。


「えっ!? ウォルドレットが戻って来てるの!?」


 ギルドで再会したウォルドレットの事をフローラに伝えると、驚いた顔をしてそう言った。


「ああ、俺も驚いたよ。ここに来る前にギルドに寄ったら、そこにあいつが来てよ。王様達に挨拶があるからって、直ぐに行ったから話は出来なかったけどな」


「そうなのね。王様の所に行ったって事は、もしかしたら部隊に加入する可能性もあるわね」


「……どうだろうな。あいつの場合、珍しい生き物とか強い生き物を従魔にするっていう目標しか無いから、悪魔との戦いに興味を引くとは思えないんだよな……」


 グレンのその言葉にフローラは、「あっ、そうだったわね……」とウォルドレットの性格を思い出しそう言った。


「でも、今回もグレンが居るし、もしかしたら加入してくれるかもよ? 前の大規模依頼の時も、グレンの戦いを見たいって言って参加してたようだし」


「そういや俺何でかしらんけど、あいつに気に入られてたな……」


「ウォルドレットにとって、グレンが珍しい生物に見えたんじゃないの?」


 フローラは茶化す様にそう言うと、グレンは「普通の人間だ」とムッとした表情で言い返した。

 

「それにしても、もうそろそろよね帝国との戦いも」


「ああ、まさか準備が終わるまで時間を貰えるとは俺達も思ってなかったよ」


 悪魔との戦いは早期で始まると予想していた俺達は、予想よりも相手の出方が遅くその間に着実に準備を進めて行った。

 そのおかげで俺達人間側は、悪魔を迎え撃つ為の力を蓄える事が出来た。


「まあ、これもグレンのおかげね。グレンが悪魔を怖気づかせて、獣人国に協力要請をしたりして、本当に人間側にグレンが居て良かったとつくづく思うわ」


「俺一人の力じゃないけどな、王様達も国のトップなのに色々動いてたみたいだし、ティアさんは結界を張る為に国中を回ったりしてたからな」


 フローラからの褒め言葉に対し、グレンは謙遜しながらそう言った。

 その後、話題を変えグレンはここに来た目的でもある最近変わった事が無いか? とフローラに尋ねた。


「変わった事ね……王都の人の数が増えた事くらいね。これはルドガーの所で聞いたんでしょ?」


「ああ、それ以外に何か無いか?」


「これ以外は特にね。人が多くなった事で少し喧嘩が生まれたり、ちっちゃな争いが増えたけどそれは仕方ない事だし」


 フローラの言葉にグレンは「特に変わりはないと?」と聞くと、フローラは頷いた。


「まあ、変わりがないならそれはそれでいいけどな」


「ええ、何かあったら直ぐに連絡するわ」


 そうフローラから言われた後、グレンは次にマリアの居る教会へと向かった。


「あら、久しぶりね。グレンくんがここに来るなんて珍しいわね」


「久しぶりですね。マリアさん」


 教会に訪れたグレンをマリアは、笑みを浮かべ迎えてくれた。

 グレンは忙しいというのもあるにはあるが、あまり教会へは足は運んでいなかった。

 それはエミリーが教会に暮らす前からで、グレンの中で教会に残っている子供達と少し距離を置いている。

 その理由は、あの日大人達がグレンを拒否ってる際、子供達もグレンの事を嫌悪した目で見つめていた。

 子供だから尚更騙されやすいという事は、グレンも頭では理解はしているが気持ち的には許し切れない気持ちがあった。

 その事は子供達も気づいており、外でグレンと出会っても近づく事はしていない。

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― 新着の感想 ―
[一言] まあ実質自殺の決め手になったような出来事だったしなぁ
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