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第155話 【状況変化・3】


 それから、ベルは体の権利をグラムに戻した。


「どうだった彼は、良い奴だっただろ?」


「まあ、悪い奴には見えなかったよ。悪魔だけど、悪意や敵意みたいな悪い感じは感じ取れなかったし、何よりグラム兄さんにちゃんと体を返しているからね」


 グレンの言葉に対して、グラムは「それは良かった」と笑みを浮かべて言った。

 そんなグラムの顔を見たグレンは、先程の会話を思い出してふとある事に気付いた。


「そう言えば、ベルの奴。二つ名的な所に〝怠惰〟とか言ってたけど、属性系じゃなかったな」


「言われてみれば、そうですね。グレンさんが戦った悪魔は、水や火の悪魔と言っていて属性に関係していると思っていたのでずが、あれは関係なかったのでしょうか?」


 聖女はグレンの言葉に続けてそう言うと、その問いにグラムが答えた。


「関係あるよ。ただ上級の悪魔になると、二つ名がベルみたいな言葉になってて分かりづらいけど、悪魔の持つ魔力をよく観察したら分かるよ」


「それでいうと、グラムに憑いてる悪魔は闇の属性に関係してるの?」


 グラムの言葉に話を聞いていたフレイナがそう聞くと、グラムは頷き「流石、妖精の長だね」と言った。

 グレンは二人の会話を聞いて、確かにベルから感じる魔力に〝闇〟の雰囲気を感じていたなと思った。


「単純な質問なんだが、悪魔ってその属性一つしか魔法は使えないのか?」


「うん、持ってる魔力自体が属性と繋がってるから、どんなに強い悪魔でも一つの属性しか使えないね」


「成程のう。悪魔は特化型じゃったのか……」


「賢者の言う通り、悪魔は自分が持ってる魔力から属性に分けられてるから、あそこまで強力な魔法を扱う事が出来るんだ」


 グラムの言葉に賢者は、納得した様子で「ふむ」と頷いた。

 その後、取り敢えず今日は夜も遅いから解散となり、聖女達は帰宅してグラムだけ残った。

 この時間から探すのも無理だし、外に出すのもと思ったグレンはグラムに泊って行かないか? と尋ねた。

 グラムはその言葉を待っていたと言わんばかりに、その提案に乗りクリスに貸している客間とは別の部屋にグラムを案内した。


「それでグラム兄さんは、いつでもこっちに居れそうなの?」


「う~ん、そうだね。暫くは居れるというか、このままグレン達と行動して残ってる悪魔を殲滅する方が手っ取り早いと思うんだよね」


「……流石に今はまだ無理なんじゃないか?」


「そうかな? グレン一人でも十分戦えると思うし、何なら僕も一緒に戦えるからね。ベルからもグレンの味方に付けたら、力を惜しみなく貸すって言ってたし」


 グラムからの言葉にグレンは少し悩んだが今日はもう遅い為、一旦話を止めて自室へと戻り眠りについた。

 そして翌日、休日ではあるがグラムの件がある為、グレンは王妃様達と話をする為に王城へと向かった。

 王城に着くと、朝連絡したおかげでスムーズに王妃達との会議を行う場が出来た。

 まず最初に、これまで文面でしか関わっていなかった為、互いに自己紹介をして会議は始まった。

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