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第143話 【悪魔対策部隊・3】


 翌日、早速〝魔法剣〟部隊として集まった者達と共に、訓練場である王都の外にある平原へとやって来た。


「まず、この中で魔法剣が使える人は居るか?」


 そうグレンが聞くと、10名の内一人だけ手を挙げた。

 その者は、女剣士として有名なカグラという女冒険者だった。

 見た目は若く、キリッとした目つきで如何にも強そうという雰囲気を感じる。


「カグラが魔法剣!?」


 手を挙げたカグラの姿に、グレンの横に立っていたガリウスが驚いた声を上げた。


「何だ。ガリウス、あの人と知り合いなのか?」


「知り合いっていうか……お前こそ知らないのか? カグラは、ヴォルグさんの姪だぞ?」


 その言葉にグレンは、驚きカグラへと視線をやった。

 カグラがヴォルグの姪という事を知らない面子は、他にも居て「あのヴォルグさんの……」と驚いた様子でそのように言っていた。


「お久しぶりですね。ガリウスさん、それと始めましてグレンさん」


 挨拶をしたカグラにグレンは、先程の情報に困惑しつつも挨拶を交わした。

 それからグレンは、取り敢えずカグラの魔法剣を見せてくれないかと言った。


「独学といいますか、殆ど伯父からグレンさんの話を聞いて自分なりにやったので上手く出来ているのか分からないとだけ先に言っておきます」


 カグラはそう言うと、剣を鞘から取り魔法剣を作る為、魔力を剣へと流した。

 やり方は殆どグレンと同じで、自分が教えた事も無いのに自分の様に作っているカグラの姿にグレンは内心驚いていた。

 しかし、カグラの作った魔法剣は魔力を無駄に使っている所があるのをグレンは見つけた。


「カグラは、この魔法剣で実戦はした事有るのか?」


「いえ、実戦はまだです」


「成程な」


 グレンはそう言うと、一応形は出来てるが他の者と同じく一緒に訓練を受けるようにカグラに言った。

 それからグレンは、魔法剣の出し方・扱い方をメンバー達に説明を始めた。

 Sランク級の強さを持つ者達、更に人とのコミュニケーションが取れる事を前提に選ばれた者達。

 その為、グレンの話をよく聞いて分からない所は質問をして、早速訓練へと入る事にした。


「グレン、先にお手本としてお前の魔法剣見せた方が良いんじゃないか?」


 訓練に入ろうとしたグレンに対して、ガリウスはそう言った。


「ああ、確かにそうだな。助かったよガリウス」


「こういう所も補助の役割だからな」


 礼を言ったグレンに対して、ガリウスは笑いながらそう答えた。

 それからグレンはメンバー達と少し離れて、剣を取り出して魔法剣を作った。

 映像で見せたあの〝最強の魔法剣〟では無く、普段使っている普通の魔法で作った物。

 それも今は神聖石で作った剣の為、魔力は極力抑えて魔法剣を作った。


「ほう。流石、魔法剣士のグレンと呼び名があるだけあるな」


「綺麗だな」


「凄い……」


 初めて直でグレンの魔法剣を見る者達は、そう感想を零した。

 その中にはカグラも居て、グレンの魔法剣を見て「私のとは全然違う……」と少し落ち込んだ様子だった。


「一応、ここまでとは言わないが魔法を剣に付与した状態で、普段の攻撃よりも高威力で使えるようにするところが目標だ。さあ、時間も惜しいし早速始めるぞ」


 グレンはそう言うと、ガリウスと手分けして魔法剣の訓練を始めた。


「……やっぱり、伊達にSランク級の者達じゃないな」


「そりゃな、各国から選ばし者達だからな。クランのあいつらと比べたら可哀想だぞ」


 訓練開始して一時間程、既に何名かは魔法剣の第一関門である魔力を剣に付与するという段階を突破していた。

 その光景をみたグレンは驚き、そんなグレンに得意げな顔をしているガリウスもまた内心で少し驚いていた。

 その後、初日の訓練が終わるころには全員が第一関門を突破して、何名かは更に先まで進んでいた。



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[気になる点] ここに居るSランク冒険者は魔法剣なしで強力な魔物たちと戦って来た訳だけど魔法剣なしの物理攻撃で悪魔に対抗は出来ないの?
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