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第111話 【帝都での生活・1】


 帝国の協力者がまさかの自分の兄だと知った翌日、俺は帝都の街中を一人で歩いていた。

 正直、昨日の話の内容は驚く事ばかりで俺は日を跨いだ今も、少し頭の整理がついていない。

 まさか自分に本当の家族、それも教会に置いた理由が俺を守る為と知って、幼き頃に少しだけ恨んだ事を後悔した。

 そんな風に思いながら、街中を歩いていると負いそうな匂いがして、匂いの方へと寄って行くと美味しそうな串焼き屋が見えた。


「朝食、考え事して食べ損ねたし、丁度良いから朝飯代わりに食べるか」


 俺はそう思い、その店に近づき店主のおっちゃんに串焼きを頼み、受け取った串焼きを近くのベンチに座って食べ始めた。

 野菜の串焼き、肉の串焼きと色んな物を適当に選んだけど、どれも美味しいな……。


「……何だ。お前?」


「……美味しそうだから見てる」


 食べるの集中していた俺は、ふと視線を感じて横を見ると少し薄汚れた服を着た少女が居た。

 行き成りで驚いたが流石に物乞いが居ないってのは無かったか、こういった物乞いが沢山いるイメージだったが全く合わなくて、居ないもんだと勘違いしていたな……。


「食べたいのか?」


「食べたい。お腹ペコペコ……」


「親はいないのか?」


「居ない」


 俺はその少女の返答に俺は、残っていた串焼き4本を全て渡した。

 串焼きを受け取った少女は、嬉しそうな顔をすると俺の隣に座って美味しそうに食べ始めた。


「お前、名前は?」


「はぇ? んっ。ニア、15歳。お兄さんは?」


「そうかニアか俺はグレンだ。……って、お前今15歳って言ったか? 嘘だろ?」


 どう見ても、見た目10歳そこらの少女だぞ?


「本当。ほらっ」


 ニアは俺の言葉にポケットから、冒険者カードを取り出して見せて来た。

 そのカードの色は銅色で下位の冒険者だと直ぐに分かり、名前と年齢の欄には今言った通りに書かれていた。


「……お前、見た目と年齢が合って無いな」


「よく言われる。成長期にご飯食べれなかったせいって、自分では思ってる」


 そう言いながら、最後の串焼きを食べたニアは満足した顔で俺にお礼を言った。

 それから俺はニアと別れて、また街の散策を始めようとベンチから立ち上がると、ニアも一緒に立ち上がった。


「……何でついてくるんだ?」


 横にピッタリと付いて来たニアに俺はそう言うと、ニアはコテンッと首を傾げ「ついて行ったら駄目?」と言って来た。


「駄目というか、目的の無い散歩だからお前にメリットは無いぞ?」


「……グレンは、帝国の人じゃないでしょ? 私、こう見えても帝国でずっと暮らしてるから街の案内出来るよ」


 さっきまで片言言語だった癖に、腹が膨れたら普通の喋りなったな……。

 って、そんな感想言ってる場合じゃねえ!


「別に案内何ていらん」


「する」


「去れ」


「やだ」


 拒否する俺に対し、ニアは意地でも付いて来ようとした。


(グレン。この子、ご飯与えたから懐かれたんじゃないの?)


(犬、猫じゃないんだからそれは無いだろ!)


(でも、この子の眼。本気でグレンについて来ようとしてるわよ? それにさっき、この子を鑑定したけど悪魔憑きでも無いし、悪意は一切感じないから散歩位なら良いんじゃないの?)


 提案してる風に言ってるが、フレイナの奴この状況を楽しんでやがるな……。


「はぁ……分かったよ。ただあんまり目立ちたくないから、まずお前のその服をどうにかするぞ」


「えっ、でも私お金ないよ?」


「そんくらい俺が出す。取り敢えず、服の店に案内しろ」


 頭が少し痛くなりながら俺はニアにそう言い、取り敢えずニアの服装をどうにかする為に服屋へと向かう事にした。

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