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第110話 【ブラッド家・3】


「しかし、俺にそんな特別な血が流れていたなんてな……そもそも、帝国出身という事自体信じられないってのが本音だけど……」


「生まれが帝国なだけで、グレン君は殆ど王国民と変わらないからね。そう思うのも当然だよ。僕としては、当時もう会わないと思っていた弟と再会できて良かったと思ってるよ」


 グレンの言葉に、グラムは笑みを浮かべてそう言った。


「……そう言えば、グラム兄さんって最初にブラッド家の当主って言ってたけど、両親は何かやってるの?」


「ああ、父さん達なら僕が悪魔憑きになった事で監視が緩くなったから、表向きは死んだ事にして今は遠い国で生活してるよ。元々、僕が実験に送られた時に息子を奪われたショックで死ぬつもりだったけど、さっき話した通り悪魔に好かれる能力を得たおかげで自我を保てたから、両親には逃げて貰ったんだ」


「……グラム兄さん、一人で頑張ってたんだ」


「凄いにゃ、帝国相手にそんな事よく出来たにゃ……」


「そこはまあ、悪魔の力を借りたんだよ。僕に憑いてる悪魔は、やる気は無いけど力は強い悪魔だからね。それに、その悪魔以外にも僕には力を貸してくれる悪魔も居るから、その分の力も合わさってるんだ」


 その言葉にキャロルは、グレンとグラムを交互に見て「化け物の所まで似てるにゃ……」と呟いた。


「まあ、取り合えず家の事はこんな感じだね。もっと沢山、教えてあげたいけどそれはまた事件が終わった後、父さん達も交えてやろうか」


「……そうだな、取り敢えずは帝国の問題を全て解決して、落ち着いたら家族で集まろうか。俺も父さん達と会いたいし」


「ふふっ、グレン君と会ったら父さん達驚くよ」


 その後、出されていた食事を完食したグレン達は、帝国の協力者であるグラムとの挨拶を終えて宿に戻った。


「それにしても、よくフレイナはグラム兄さんが俺の兄って気づいたな」


「そう? 妖精の眼を持ってるグレンなら感じてたと思うけど、グラムからはグレンに似た魔力を感じたのよ」


「そうか? 自分だから分からなかったのかな? 顔とか見て、何か似てるなとは感じたけどな」


「確かに、顔は凄く似ていたわね。グレンは性格が壊れたりして顔が少し厳つい方面に行ったけど、グラムはどちらかというと落ち着いたまま雰囲気に成長したって感じね」


 グレンとグラムは育った環境の違いで微妙に顔の雰囲気は違うが、流れている血は同じだからか何となく似ている部分が多い兄弟だとフレイナは言った。

 

「まあ、でもグラム兄さんと会えただけでも帝国に来た甲斐はあったな……」


「そうね。グレンの謎だった出生とかも分かって、最初来るの止めた方が良いと思ってたけど来て良かったわね」


「ああ、ティアさんには反対されかけたけど押し切って良かったよ。まあ、でも来た事で家族が事件に巻き込まれてるって情報を聞いて、尚の事解決したいって気持ちが強くなったけどな」


 そうグレンは言った後、風呂に入りに行きスッキリした顔でベッドに横になった。

 そして横になったグレンは、今日のグラムとの会話を思い出しながら帝国での今後の動きを考えた。


「取り敢えず、フレイナ達には悪魔にバレない様に動いてもらいたいんだけど、それって出来るか? グラム兄さんに聞いた感じだと、悪魔も人外を見分ける能力を持ってる奴も居るみたいだが」


「そうね……やれるだけの事はやるつもりだけど、最悪悪魔に見つかったら強制的にその子を妖精界に帰すわ」


「そ、そんな事も出来るのか?」


 その言葉にグレンは驚きそう聞くと、フレイナは「長だもの」と笑みを浮かべてそう言った。

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― 新着の感想 ―
[一言] グラムはどちらかというと落ち着いたまま雰囲気に成長したって感じね →グラムは何方かと云うと、落ち着いた雰囲気で成長したって感じね
[一言] どんなもんかね 自分に親も家族もいないと思っていた人が いきなり現れた人を素直に兄と親と呼べるのか。 抵抗感なさすぎて、違和感しかないけど。 主人公だからとか、主人公は〇〇だからとか言いそう…
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