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この身は露と消えても……とある転生者たちの戦争準備(ノスタルジー)設定資料集  作者: 有坂総一郎


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「このはと」帝国の石油事情に関して

戦前の日本の石油業界のシェアは53%が外資系企業によるものだった。


英国資本のライジングサン、米国資本のスタンバックである。それぞれ32%、21%だ。


現代日本で乱暴であるが言い換えれば、昭和シェルとモービルだ。


このライジングサンの創業者、マーカス・サミュエル卿は大変な親日家であり、日英同盟締結への功績もあるくらいの大人物である。


「このはと」世界において、作者はここに目を付けたのである。


満州で将来的に石油採掘をする場合、どうしても直面するのは採掘技術と石油精製である。


これをまともに有しているのは現実としてはライジングサンかスタンバックとなる。国内企業は確かに新潟や秋田などで機械採掘をしているが、所詮は規模が小さいし、採掘深度も浅い。


となると、結局は外資に頼らざるを得ない。


そこで、問題だ。


企業は国家に属するものであるという発想があるが、国家は企業の行動を必ずしも縛ることが出来ないのだ。もちろん、違法であったり、国益を損ねる場合はこの限りではない。


さて、そこを踏まえてだ。


ライジングサンとスタンバック、どちらがより日本にとって都合の良い存在なのか……である。


ライジングサンは創業者の影響もあって、非常に日本寄りの企業であったそうだ。戦時中にも日本の国民生活を支え続けたという。


ならば、これだ!と。

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