306:白無垢に包む願望
まだ理香たちがこの塔からの脱出を目指して攻略を行っていたころ、中崎誠司は自身の仲間たちのため、四聖獣をモチーフにした四つの武装を製作していた。
渡瀬詩織には、彼女の【音剣スキル】を【増幅】する効果を盛り込まれた青龍刀、【青龍の喉笛】を。
先口理香には、切っ先から極小炎弾を撃ち出す【飛び火花】仕込みのレイピアと、その極小炎弾を大量にばらまく【火花吹雪】を搭載したソードブレイカーの二対からなる【朱雀の両翼】を。
馬車道瞳には、【加重域】と【羽軽化】、それぞれ設定の違う二種類の魔法を両手両足の防具に仕込んだ【玄武の四足】を。
そして及川愛菜には、【黒雲】の放出効果を持ったクロスボウ付きの籠手と、【初雷】による追撃効果を秘めたその矢からなる【白虎の爪弩】を。
これに加えて、誠司自身も己のために四聖獣の五体目に当たる、麒麟をモチーフにした 杖である【麒麟の黒雲杖】を作成していたし、それ以外にも三段階の盾を展開できる理香のガントレット、瞳が【着装筋繊】を発動する際触媒とする鎧や、彼女の主武装たる【如意金剛】、そして誠司が【召喚スキル・剣獣】を発動する際の触媒となる短剣など、多数の武装が彼に手によって用意されていたわけだが、一方でそうして作った武装のすべてが実践投入にまで持って行けたかといえば実のところそう言う訳でもない。
【錬金スキル】や【魔刻スキル】に各種【魔法スキル】の知識を組み合わせ、初期装備やドロップアイテムを素体とし、各階層からかき集めた材料を加工して形を整えた武装の数々には当然その過程で失敗作や作り直しを余儀なくされた事例が多くある。
そうした物品は【錬金スキル】の優秀さと物資の不足故に大抵は別の武装に再利用されていたわけだが、中にはそうした再利用さえかなわず、かといって捨てるにも惜しく、荷物の中に死蔵されていたような武装も存在していたのだ。
それこそが、【白虎の爪弩】に先んずる形で製作されていた最初の白虎。
愛菜の【体化スキル】と合わせて運用することを想定されながら、人間には扱えない武装と判断されて白虎の名を奪われることとなった及川愛菜のもう一つの専用装備、【白虎の無垢衣】である。
「【黒雲】……!!」
構えたガントレットの掌から爆発的な勢いで黒雲の煙幕が噴出する。
すでに対処法が確立されている、逆に言えば対処しないわけにはいかない黒雲で視界を閉ざして、背中から伸びる四肢で大地を蹴った愛菜がその雲の中へと姿をくらます。
(落ち着きましょう――。【白虎の無垢衣】――、あれの性能や目指した戦術は作成に携わっていた私が一番理解している……。その欠陥も、そもそもあれがなぜ失敗作となったのかも――。
問題は、その欠陥が擬人化によってどこまで補完されているのか――」
「理香さん――!! 後ろッ、上――!!」
考えるさなかにも飛んできた声にとっさに振り返り、直後に視線を上へとむけるとその場所から見覚えのある短矢が飛んでくる。
(早い……!!)
間一髪、詩織の注意を促す声があったおかげで矢を回避することはできたが、逆に言えばその呼びかけがなければ避け損なうところだった。
相手の移動速度が思っていた以上に早かったというのもあるが、何よりも異常だったのは発射地点のその位置だ。
屋上駐車場の地面からかなり離れた空中の一地点。
本来身体能力が高い方ではなく、スキルの中にもそれらを補う手段が乏しかったはずの愛菜が見せたとは思えない不可思議な位置からの攻撃。
(姿が見えなかった……。この技――、そうか【光陰隠れ】ですか……!!)
愛菜の習得する【隠形スキル】、それに収録されていたその姿を完全に消すことのできる光学迷彩のような技の存在を理香はかろうじて思い出す。
すぐに思い出せなかったのは、この技が本来使用しながら動き回るなどできないものだったが故だ。
何しろこの技を使用していると自身の姿が他人から見えなくなる代わり、自分も周囲の風景を一切見えなくなるという致命的なまでの欠点があるのだ。
そのため愛菜自身も自身がじっとして姿を隠さなければならないような局面でしか使用しておらず、移動しながらの使用などほとんど想定したことすらなかった。
(性質的に一か所にとどまって使う【体化スキル】の索敵とは相性が良かったから、狙撃のための潜伏に使うのがせいぜいだったのに、この運用は――)
(あのフジンって人と同じ使い方……!! でもそれなら――!!)
狙撃を避けた理香が雲から離れるように移動するさなか、空中へと飛び出した詩織は宙を踏みしめ、青龍刀を振りかぶりながら空中に感じる愛菜の位置へと一息の内に駆け上がる。
つい先ほどフジンの死体人形を倒したように、【隠形スキル】の使い手にとって詩織の存在はほとんど天敵だ。
現に今も詩織は空中で照明のポールにつかまる、見えない愛菜の存在をはっきりと音という形で感じ取っている。
そして相手が【光陰隠れ】で視界が効かないというなら、それを代替する周辺感知能力にとってもまた、詩織の能力は天敵ということになる。
と、そう考えて、詩織が距離を詰めて音剣の一撃を叩き込もうとしていた、まさにその時――。
「――!!」
音を感じる空中、何もいないようにしか見えないその場所から見覚えのある短矢が放たれて、とっさに詩織はそれを打ち払おうとする己を律して横へ飛んでそれを回避する。
(危ない……。迂闊に受け止めてたら竜昇さんの【静雷撃】みたいに感電させられているところだった……)
詩織の装備する【白虎の爪弩】、それに対応する形で製作された短矢は誠司の習得する【初雷】仕込みだ。
竜昇の【静雷撃】と違って触れた相手を感電させるというより着弾と同時に周囲に電撃をばらまくという方式ではあるが、矢が刺さった場合はもちろん、武器で受け止めても相手を感電させられる厄介な性質を帯びている。
そうして相手の手の内に対する対応を確認する詩織をよそに、攻撃を回避したその一瞬のスキを突くように音の発生源が真下へと落下し、どこか人間離れした俊敏な動きでその音と気配が姿を見せぬまま立ち込める黒雲の中へと逃げていく。
それと同時に――。
「理香さんッ、黒雲が電気を帯び始めてる……!!」
「ッ――、【火花吹雪】……!!」
危険を感じて呼びかけたその声にこたえるように、雲の中で次々と爆発が発生して立ち込める黒雲がその爆風によって次々と四方へと吹き散らされる。
今でこそ煙幕としての使い方がメインになっている【黒雲】だが、その真の特性は【魔法スキル・黒雲】の魔法発動媒体だ。
周囲の水分や気象条件を利用することで使用法力量を軽減しながら徐々に規模を増していき、黒雲の中に帯びた水分や電気、温度変化や気流などを操作して攻撃につなげていくこの界法技術は、展開された雲にそれらのリソースを注ぎ込むほど強烈は界法を発動させることができ、また雲そのものも相応に厄介な性質を帯びていくことになる。
特にこの【黒雲】が電気を帯びた場合、展開される雲は単なる目くらましでなく、そのうちに踏み込むものを感電させる罠の性質も帯びてくるため、爆風で吹き飛ばすなどはやめに対処する必要が出てくるわけだが――。
(雲の展開速度が速すぎる……。これは――常に【黒雲】を発動させながら移動している……!? そんな運用、消費の激しい【白虎の無垢衣】では本来できなかったはずなのに……)
「雲の中からくる――、四時方向――!!」
「――ッ!!」
言われて振り返った次の瞬間、帯電した雲の壁を突き破り、白く染め上げ対象で身を包んだ愛菜がその背から伸びる腕で地を蹴り飛び出してくる。
背中から伸びる腕、否、愛菜の【体化スキル】によって支配・強化された四メートルほどある暗幕カーテン(・・・・・・)が扇状に広がって、その先端にカーテンフックの代わりに取り付けたカギ爪が鋭く瞬いて広範囲の横薙ぎの一撃が襲い掛かってくる。
「【加重域】……!!」
逃れること難しいその一撃に対し、即座に理香は右足のクリープを駆使して重力の界法を発動。
自身の足元を除いたドーナツ状の範囲を押しつぶす重圧で迫るカーテンをその折り目に沿う形で潰してたたみ、自身は左足の【羽軽化】を発動させて跳躍することで愛菜の攻撃範囲から離脱する。
「誠司君と同じ魔法、ならッ――!!」
だがそうして空中に逃れた理香に対して、【白虎の無垢衣】に身を包んだ愛菜はどこか不自然な様子でそう叫ぶと、右腕のガントレットに取り付けられたクロスボウを構えてセットされた短矢を発射する。
【加重域】が展開されている故に一直線に撃ち込んでも叩き落とされる、そんな状況であえて上へとむけて打ち出すことで重圧によって軌道を変えて、回避の効かない理香への直撃軌道を通った矢が、防御を許さない電撃を帯びて撃ち込まれてくる。
「理香さん――!!」
放っておけば矢の直撃を受けるか回避のために体勢を崩しかねない理香の状況に、とっさに同じ空中にいた詩織が空を蹴りつけて急行。
【加重域】を解いた理香を真横からぶつかるようにしてかっさらい、落ちて来る短矢と追撃で撃ち込まれる短矢の二連射を立て続けの跳躍で回避する。
(一度に使う界法と法力の量が多すぎる……。これはやはり、元々の【白虎の無垢衣】でできる運用じゃない……)
誠司の考案の元、理香自身もその制作に携わった【白虎の無垢衣】。
その実態は、【体化スキル】という接触した物体を己の体のように操るスキルを習得した愛菜に、【体化】によって操るより強い肉体を与えようとして生み出された及川愛菜の専用武装だ。
具体的には、映画館の階層の売店で打っていたフード付きのパーカー、その背中に同じく映画館にあった四メートルほどの長さの暗幕カーテンを四本も縫い付けたもので、他にもカーテンフックの代わりに【初雷】の術式を刻んだカギ爪をとりつけているほか、【絶天合羽】をはじめとしたいくつかの補助術式を金属板に刻んで急所を守る位置に縫い付けて防具としての機能も盛り込まれている。
そしてこの【白虎の無垢衣】、これだけの機能を盛り込まれた専用武装が失敗作と判定された理由もまた、その盛り込まれた機能の多さと、そして前提とする【体化スキル】の存在故だ。
早い話が、前提として使用する界法と盛り込んだ機能の多さ故に、愛菜の法力と処理能力のキャパシティを完全にオーバーしてしまったのである。
【体化】によって操る、より強い肉体を与えると言えば聞こえはいいが、逆に言えばこの【白虎の無垢衣】は愛菜による【体化スキル】の使用が必須の装備だ。
背中の布地全体にスキルの軸となる【瞑想神経】を張り巡らせ、筋肉のように内部から物体を操る【内在筋力】で動作を可能とし、そして外側に骨に近い強度を与えるオーラ系の技である【外装骨格】を付与することで、ようやくこの装備は誠司の求めた強い肉体としての性能を発揮できることになる。
逆に言えば、装着者である愛菜がそれだけの界法を使用し、法力を注ぎ込まなければ、この装備は求められる最低限の働きさえできないのだ。
それどころか、四メートルもの長大なカーテンが四本も取り付けられているというその構造は、【体化スキル】を使用していない状態でははっきり言って邪魔な重荷でしかなく、ともすれば装備者である愛菜の動きを制限することにもなりかねない。
そしてさらに言えば、それだけのデメリットを抱えてまで増設した四本の腕を、肝心の愛菜が持て余してほとんど使いこなせなかったというのがもはや決定的だった。
もとより接触地点から【体化】の範囲を広げるため術者が動けず、自身の体と支配下に置いた物品の同時操作など想定されていない【体化スキル】である。
そもそもの話、計四本の手足しか持たない人間に、いきなり巨大な腕を四本も増設したところで、そんなものが扱いきれなかったとしてもむしろ当然と言える。
結果、作られたはいいものの、そもそものコンセプトからして破綻していたとみなされた【白虎の無垢衣】は、それを考案した誠司自身によってあえなく失敗作とみなされることとなった。
一応の改善案として、魔法の発動を補助する魔本系のアイテムの存在が判明していたため、そこに望みを託して破棄されることこそなかったものの、それでも愛菜には新たに別の【白虎の爪弓】が製作されて、【白虎の無垢衣】の方はそのほかの作りかけの装備と共に荷物の中へとお蔵入りすることとなった。
あるいはその時、理香たちが【白虎の無垢衣】をお蔵入りではなく解体・廃棄していれば、こんな形で思わぬ完成形となって立ちはだかることもなかったのかもしれないが――。
「――ッ、理香さん――!!」
そうして理香の脳裏を些細な公開がよぎっていたまさにその時、不意に理香を抱えて空中をかけていた詩織が声を上げて、直後に眼下の愛菜が声を張り上げる。
「逃、がさ、ないぃぃィィッ――!!」
自身の背中から伸びる腕、その内黒雲の内にあった一本が勢い良く降りぬかれ、広げられた布地に包まれていたそれを勢いよく空中の理香たちめがけて投擲する。
黒雲の中でいつの間にか愛菜に拾われる形で回収されて、今まさに自身の体重を軽減することで投げつける武器と化した瞳が、体を丸めて内に抱え込んだハルバートを振り上げ、飛来すると同時に空中の理香たちめがけて振り下ろす。
「詩織さん――!!」
とっさの判断で、理香は自身を抱える詩織を蹴りつけて抱えられた状態から分離。
互いの体重を消した状態で別れたことでかろうじて己の一撃を回避して、しかし体重こそ軽減できても空中を進むすべのない理香はそこから先が続かない。
「――【突気流】」
雲の内から、恐らくは誠司が発動させたのだろう突風が吹きあがり、跳躍と同時にその背のカーテンを翼のように広げた愛菜が受け止めた気流に乗って理香の元まで迫り来る。
神経と筋肉を宿して肉体の一部へと変化させ、骨のオーラで強度を上げて白く染めた布地の腕が、その先端に取り付けた電撃仕込みの爪を煌めかせて理香のもとへと振り下ろされる。
「――あッ、あああああアァァァッ――!!」
逃れようのない攻撃の襲来に、声を上げて自身を奮い立たせた理香が左手の盾を構えて防御の耐性をとると、直後に強烈な衝撃と痺れる感覚が盾越しにその全身へと駆け巡る。
体重の消えた体がなすすべもなく隣のビルの屋上へと吹き飛ばされて、痺れにより着地に失敗して地面を跳ねて、強烈な衝撃が幾度となく理香の身を打ち据える。
それでも――。
(最低限――、ダメージコントロールは、できた……!!)
攻撃を盾で受け止めることで直撃を避け、体重を軽減した状態で受け身をとって衝撃を逃がしたことでかろうじて衝撃を軽減して、理香は痛む体でそれでもどうにか身を起こす。
唯一、【初雷】仕込みの爪を受け止めてしまったことによる感電だけは避けきれなかったが、そもそも【黒雲】に電力を蓄積させるためにあるこの魔法は直接的な威力はそれほど強くないのだ。
無論、全く影響なく動けるとまでは言えないが。
(――まだ、動ける……!!)
「――ああ、やった……。やったよ、誠司君、理香さん、大吾君……!! 私もヒトミみたいに、ちゃんと前に出て戦えてるぅ……!!」
ふらつきながら、それでもしっかりと立ち上がる理香に対して、しかし対する愛菜の方はそれに追撃をかけることなく、それどころかどこかはしゃいだ様子で声を上げるのが聞こえてくる。
精神を操作され、正気とは言えない状況にあるとはいえ、あまりにも迂闊すぎる振舞い。
けれどそんな言動も、今の愛菜の精神状態やそれを作り出しているのだろう【白虎の無垢衣】、そこに宿る擬人の役割がわかってくればある程度得心が行く。
及川愛菜のために作られた専用装備でありながら、彼女では扱いきれず失敗作とみなされていた【白虎の無垢衣】。
誠司を手伝う形でその制作に携わった理香から見ても、その欠点を克服する手段として【擬人】化はまさにうってつけの方法だ。
着用者である愛菜とは別に【擬人】自体が法力を有しているため、前提として運用に必要な法力量が多いという問題も解決できるし、同じく愛菜自身が扱いきれない四本の腕の操作にしても、【擬人】の意識がそれらを担当してくれれば十分にフォローが可能になる。
無論人間とその装備という組み合わせにより、疑似的に一つの体を二つの意識で使うような状態となるため、それぞれの意識の連携が取れていなければ互いに足を引っ張り合う事態になってしまうわけだが、これについても【擬人】という存在にはそれを解決しうる前例があるのだ。
過去に倒してきた擬人にも何体かいた、他の擬人や、時には人間にすら取り付き、その意識を乗っ取って融合したような状態となって襲ってくる、いわば【憑依型】とでも呼ぶべき【擬人】達の一形態。
スキルによって与えられる技能というよりも、どちらかといえば【擬人】としての特性によって精神干渉に近い能力を発揮して、人間を操ることのできるその存在であれば、【擬人】そのものである【白虎の無垢衣】を着用した愛菜と精神を繋げて、ある種の一心同体となって行動することも可能になるだろう。
そしてこの特性、憑依することで精神干渉に近い力を使うことができるというのなら、この【擬人】にはもう一つ期待できる役割というものがある。
(【白虎の無垢衣】を呼びつける前、愛菜さんが取り込んでいたあのタブレットの記憶……。
恐らくこの【擬人】の役割は、あの記憶を真実として愛菜さんの認識に定着させることなのでしょう……)
いうなれば今の愛菜は、己の中で剥がれかけた誠司たちが生きているという幸せな記憶を、あの錠剤型の思い出の品で上塗りして憑依させた擬人に抑えてもらっているような状態なのだ。
無論そんなやり方、本来ならば長持ちするはずもないのだが、そもそも長持ちさせる必要がないのであれば、短い間だけでも現状を維持できるこのやり方にも意味がある。
「ねぇ愛菜さん……。誠司さんたちの死体を引き連れて、あの人たちが生きているのだと、そう信じるための手段をいくつも用意して、あなたはいったいこの場所に何をしに来たのですか……?」
返答など望めない、そもそも理香の言葉自体届いてすらいないそんな状況で、それでも理香は隣のビルの屋上ではしゃぐ愛菜に対してそう問いかける。
とはいえ、問いに対する応答などなくとも、すでにその解答については理香の中でおおよそのあたりがついていた。
ほかならぬ理香自身が、かつて同じような心境に陥っていたがゆえに。
「愛菜さん――、あなたは、死ぬためにこの場所に来たのですか……?
そうして笑ったまま、誠司さんたちの後を追うために――」
問いかける視線の先で、たった一人となった少女が舞い踊る。
憂いも悲しみも知らぬ子供のように。その命の終わりを楽しむように。




