表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら乙女ゲームの伯爵令嬢だったので ~ドラゴンと一緒に世界を救いたいと思います!~  作者: 柚子猫
星降る世界とお嬢様編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

173/201

39.お嬢様と胸の鼓動

ごめんなさい。

この話の前に、28~36話の内容を一部変更しています。

もしよろしければ、そちらからお読みください。

「あの……まさかとは思いますけど。クレナちゃん、一応話しておきますね?」

「うん、どうしたの?」


 リリーちゃんは、私の腕に抱きしめられたまま。

 顔を真っ赤にして、慌てたような表情で目を泳がせた。

 

「わたくし記憶を書き換えられてませんわよ?」


 周囲で私たちを囲んでいた人たちの動きが固まる。

 真っ白な世界に一瞬静寂が訪れた後。


「はぁ~、ウソでしょ!?」

「ホントですか?」

「だって、リリアナお前……」

 

 みんなが一斉に騒ぎ出す。



 あの日の夜に会った時にも。

 手のひらにメッセージをくれた時にも。

 もしかしてそうかなって。

 

 思ってたけど。

 思ってたけど。


 ……やっぱり!!


「わたくしが、クレナちゃんとの記憶を忘れるなんて……絶対にありえませんわ!」

 

 リリーちゃんは頬を染めて。

 天使のような微笑を私に向けてくる。


「もう……そうかなって思ってたけど。かみたちゃんが変なこと言うから~」


 私は、かみたちゃんをじっとにらむ。


「えええ!? 治すとはいいましたけど、記憶の話はしてませんよねー?」


 かみたちゃんはうろたえながら、キナコとだいふくもちに目線を移す。


「ご主人様、影の影響があったのは本当ですよ?」

「そうなのだ! 女神さまはウソをいっていないのだ!」


 そうだけどさぁ。

 絶対誤解すると思うんだけど。


 ……あれ?

 今だいふくもち、かみたちゃんのことを女神様って?


「ちょっと! じゃあ、なんで私たちを裏切ったのよ!」

「そうだね、説明してもらえるかな?」


 ジェラちゃんとガトーくんが、リリーちゃんに詰め寄る。

 当たり前なんだけど。

 すごく険しい表情をしている。

  

「ちょっとまって。一度落ち着こう? ね?」


 私は、リリーちゃんと二人の間に入って、両手で押しとどめる。

 

「クレナ! コイツは裏切り者なのよ! なんで庇うのよ!」

「……クレナちゃんも魔法で攻撃されてたよね!?」


 二人の怒りは収まりそうにない。

 困ったなぁ。


「あれは。あんまりアリアちゃんを攻めると、魔人が怒りそうだったからですわ」


 リリーちゃんが笑顔のまま答える。

 

 そういえば。

 私が魔法を使われたのって、アリア……由衣に近づいた時だけだった。

 植物が巻き付いたときも、痛くなかったし。


 本当は。


 彼女に……守られてたの?


「いざとなったら魔法の木で守ろうとしたんですけど、相手の魔人さんが冷静でよかったですわ」


 リリーちゃんと目が合うと。

 嬉しそうに顔を輝かせている。


 ――どうしよう。


 ……同性なのに。


 ……小さい頃からの大親友なのに。


 顔が勝手に火照りして。


 胸の高鳴りが止まってくれない。 

 

「じゃあ、なんでラスボスを召喚した時に、魔法で邪魔したのよ!」

「みなさん魔法が封印されてたのに、魔法陣に近づいたらあぶないですわよ?」


「なんでお姉ちゃんを裏切ったふりなんってしてたんですか?」

「そのほうが、クレナちゃんのお役にたてそうだったからですわ」


 リリーちゃんは、私たちの質問に丁寧に答えているんだけど。

 

 私の頭は、別の事でいっぱいになっていて。

 会話が全然頭に入ってこなかった。 

 

 なんで。

 なんでこんな気持ちになるの? 


 だって。おかしいよ。


 私にはシュトレ様がいるのに。

 ずっと胸の音がうるいし。

 視線がリリーちゃんに吸い込まれるようで、目を離すことが出来ない。

 


「……ご主人様、聞いてます?」

    

 気が付くと。

 すぐ横でキナコが耳打ちをしてきた。


「う、うん。キナコどうしたの?」

「だからですね、記憶を変えるんなんて強力な魔法……普通だったら影に取り込まれるんですよ」

「そっか……そうだよね」

 

 私はリリーちゃんを見つめたまま。

 静かにうなずいた。


「ご主人様への愛が、影の力に勝ったんですね」


 ちょっと、キナコ!


 愛。

 愛って。


 ダメだ。

 顔が蒸発しそうで、思わず両手で頬を抑えて座り込む。


「ご、ご主人様?」

「クレナ、どうした! 顔が真っ赤だぞ!」


 シュトレ様が慌てて、私のそばに駆け付け来る。

 申し訳なくて。

 彼の顔が……ちゃんと見れないよ。


  

「はーい! ラブラブ話はここまでにして。暗黒竜のお話をしましょうか?」


 かみたちゃんは、両手でパンパンと手を叩くと。

 背後に大きな画面が出現した。


 そこに映っているのは。

 

 巨大な黒い影。

 大きな四つ足と、三本の大きな首。

 空高くそびえる翼。

 高く持ち上がった長い尻尾。


 瞳が炎のように真っ赤に光っている。


 乙女ゲーム『ファルシアの星乙女』で最後に登場したラスボス。

 世界を飲みむ巨大な影の王。 

 

「リリアナちゃんー? 召喚する魔法陣に何かしましたねー?」


 かみたちゃんはじっと映像を眺めた後。

 目を細めならリリーちゃんに問いかけた。

 

 ――え?

 

 その場にいた全員の視線がリリーちゃんに集まる。


「今砦に出現している暗黒竜は、王宮の地下にいた時より、ずっと弱くなってますー」


 リリーちゃんはゆっくりと私に近づくと。

 両手を伸ばして嬉しそうに抱きついてきた。


「リリーちゃん……?」

「うふふ。魔法陣の文字を、いくつか別の文字に書き換えておきましたわ!」


 彼女は頬をすり寄せると、勝ち誇ったような表情を浮かべている。


 ……。


 …………。


 書き換えた?


 魔法陣の文字を?



 ええええええええええ!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ