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転生したら乙女ゲームの伯爵令嬢だったので ~ドラゴンと一緒に世界を救いたいと思います!~  作者: 柚子猫
星降る世界とお嬢様編

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18.お嬢様と世界の守り方

 王都の巨大な飛行場。

 

 今この場所は、色んなもので溢れかえっている。


 魔法石の光で輝く多数の軍艦。

 整列して並んでいる、魔星鎧(スターアーマー )を着た騎士団。


 そして。

 それらを取り囲むよう見守っているたくさんの人々。

 どうやら露店も出ているみたいで、時折風にのっておいしそうな匂いが流れてくる。


 ……ホントに。

 王都の人達って、お祭り大好きだよね。



 私は、ステージの上から、その賑やかな景色を眺めていた。

 これが本当にお祭りだったらよかったのに。


 隣に座っていた王子をちらっと見ると。

 女性がとろけそうな笑みを浮かべている。


 うわぁ。

 何度みても、カッコよすぎて。

 頬が熱くなるのを感じる。

 おもわず、両手で頬を押さえると。

 

 飛行場にファンファーレの音が鳴り響いた。


 大歓声が会場を包み込む。

 騎士団は一斉に、ステージにいる私たちへ敬礼をした。


 国王様がゆっくりと演説台に向かうと、さらに大きな歓声がまきおこった。

 色々あったりするけど。

 やっぱり、国王様ってすごい人気だよね。


「私の愛する王国の民よ。我らの正義の力で、セーレスト神聖法国の野望は崩れ去った!」


 国王様の一言一言に、国民が歓喜の声で応えている。

 まるで、地面が船の上にいるように揺れているような感覚なんだけど。


 これって、国王様のカリスマっていうやつだよね。

 本当にすごい……。


「……すなわち、此度の大勝利は、第一王子の婚約者、クレナ・ハルセルト嬢がもたらしたものだ!」


 え?

 

 演説の最中に。

 突然、私の名前が出てきたんですけど?


 驚いて国王様を見ると、いたずらっ子のような笑顔を向けている。


 うわぁ……これ絶対ダメなやつだ……。 


「宿敵、アイゼンラット帝国への出撃合図は……」


 国王様は、私に手を差し伸べる。


「救国の英雄、クレナ嬢にお願いしたい!」


 ……。


 …………。


 聞いてない。

 聞いてないから!


「さぁ、クレナ嬢、こちらへ」


 満面の笑みで、私を見つめる、国王様。


 もう。

 この人、無茶振りしすぎなんですけど!

 

 でも……もうすぐお義父さんになる人だし。

  

「大丈夫、オレもついてるから」


 シュトレ王子が、私の前に立って、手を差し伸べてくれた。


 会場のすごい人数と熱意に圧倒されるけど。

 青くて澄んだ瞳に、私の顔が移り込む。

 

 ……その笑顔で、私は頑張れるから。

 大丈夫。だよ。


 王子に微笑み返すと、二人で演説台に向かう。

 

「クレナ・ハルセルトです。私は……」


 私の前の前には、ファンファーレを鳴らした楽隊がいて。

 その奥に、整列して並んでいる騎士団。

 さらに奥には、多数の飛空船が魔法石の輝きを放っている。


 そして。

 王都中の人があつまっているのみたいに、広い飛行場を人々が何重にも取り囲んでいる。


 一息ついて、大きく深呼吸して、笑顔を作る。


 帝国が攻めてくるのは、ゲームの最終イベントと一緒。

 守りたいのは王国だけじゃなくて。


 ――この世界。 



 私が伝えたい言葉。

 伝えなきゃいけない言葉。

 

 それは飾られた言葉なんかじゃなくて

 

 私がこの世界に来てからずっと思っていること。

 

「私は、この世界が。美しい星空が本当に大好きです。だからお願いします……」


 きっと王族は頭をさげたらダメなんだと思うけど。

 これは、これから戦いに行く人たちへの。

 ううん。

 この世界にいる人全てのへのお願いだから。


 だから。


「皆さんの力を貸してください! みんなの力でこの世界を守りましょう!」


 しゃべり終えると、大きく頭を下げた。

 

 あれだけの人数がいた飛行場が、静寂に包まれている。


 ……伝わったかな。

 ……伝えられてたらいいな。

 

 王国の戦いなのに、世界とか言っちゃってるし……。


 怖くて、顔をあげられずにいると。

 シュトレ王子がそっと肩を抱きしめてくれた。


 次の瞬間。



 大地も、空気も。

 ううん。

 世界が震えているような大歓声がおきた。


「竜姫様ー! 共に世界を救いましょう!」

「帝国なんかに支配されたら、世界が終わっちまう!」

「永久の忠誠を貴女へ!」


 なんだろう。

 その光景があまりにも熱狂的で。

 いつのまにか頬に涙が伝っていた。


 

 ずっとずっと昔。

 自分たちだけで頑張って頑張って。

 でも。結局叶えられなかった想い。


 あの時も……この世界の人達を信じられたら。

 運命は変わってたのかな?


 世界を救えてたのかな……。


 

 あれ?


 このずっと昔って?


 ――いつのことなんだろう?



********** 



<<リリアナ目線>> 

 


「リリアナ様。領軍の先陣は、すでに帝国軍の本陣近くまで迫っています」 

「罠かもしれませんけど。そのまま進みますわ!」


 西のフェルニット砦の結果が昨日届いた。


 こんなに短期間に、法国からの防衛成功。

 最初の計画通りですけど。


 あらためて、すごいですわ。


 それと。

 クレナちゃんは無事で王都に戻ってるって。


 良かった……。


 でもきっと。

 クレナちゃんのことだから、落ち込んでるんだろうなぁ。


 ……出来ることなら。

 

 一緒にいたい。

 頑張ったねっていってあげたい。

 ぎゅっと抱きしめてあげたい。


 私の心優しい……大好きな親友に。


 だから、せめて。

 両手をぎゅっと握りしめる。


 彼女がこれ以上悲しまないように、帝国は私達で止めて見せる!



 やがて。


 目の前に、大きな帝国の旗がひるがえっているのが見えてきた。

 あれが目標地点。


 ……帝国の本陣ですわね。


 すでに周囲では大きな魔法が複数発生している。

 セントワーグ領軍と、ハルセルト領軍による敵本陣への奇襲攻撃。


 帝国軍は防衛に、使役しているモンスターを多数配置していたけど。

 残念ですわね。


 モンスターでは、この作戦見抜けなかったようですわ。


 両軍の数回の突撃で、帝国の旗が次々と倒れていく。


 

 もう一息。

 もう一息で勝てますわ!

 クレナちゃん……。



「なによ、本当に負けそうじゃない」


 突然。

 本当に突然。


 今まで誰もいなかった帝国軍の空に、多数の人影が出現した。


 みんな、背中に大きな翼を生やしている。

 

 なんですの……。

 あれは……魔人?


「お父様、お待たせしました。みんな、ここから一気に形勢逆転するわよ!」

 

 影の中心に、豪華な椅子に座っている銀髪の少女がみえた。

 その周囲を魔人が支えている。

 

 少女が、大きな声で宣言すると。

 

 戦場の流れが。

 一気に変わってしまった。


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