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転生したら乙女ゲームの伯爵令嬢だったので ~ドラゴンと一緒に世界を救いたいと思います!~  作者: 柚子猫
星降る世界とお嬢様編

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5.お嬢様と東西の砦

「一番最初に狙われるのは、西のフェルニット砦と、東のルーランド砦です」


 私は地図にある二か所の砦を指さした。


 どちらも。

 王国の防衛の要になる場所だから。


 ……もしも落とされてしまうと、

 一気に国内に敵がなだれ込んできてしまう。

 

 せっかく、かみたちゃんが教えてくれたんだから。

 それだけは、絶対阻止しないと!

 

「いやでもさぁ、いきなりこんなに堅固な要塞を攻めるかなぁ?」


 ガトーくんが、地図を見ながら、うなりだす。


「うっ、そうなんだけどさぁ……」


 でもね。


 私は、かみたちゃんが見せてくれた映像を思い出す。


 うん、見間違いじゃなんかじゃない。

 あの二つの砦が……燃えていたから。


「ほら、せっかく未来が見えてるんだから、利用しない手はないよね! もし外れても備えておくだけでも違うし」 


 ここで不安な顔をみせたら、みんな怖がるよね。

 私はなるべく明るい笑顔で話しかけた。


「まぁ、そうですよね。もし予言が外れていたら、そのときはみんなで笑えばいいですわ!」


 リリーちゃんが私の言葉に続けてくれた。

 

 驚いて、彼女を見ると。

 覚悟を決めたように、まっすぐな瞳で私を見つめている。


「わたくしは、かみたちゃんを知りませんけど。でも、クレナちゃんのことは信じてますわ!」

「リリーちゃん……ありがとう……」


 ――本当に。


 転生してからずっと……。

 私は、この世界の最初の友達。

 

 そして大親友の彼女の言葉に……笑顔に。

 どれだけ助けられてるんだろう。

 

「私も、お姉ちゃんの言葉を信じます! 出来ることなら何でもしますよ!」


 ナナミちゃんが、私の腕にぎゅっと抱きついてきた。


「わ、私もよ。別にアンタの為じゃなくて世界の為だけど!……もっと頼りなさいよ……バカ」


 ジェラちゃんは、反対側の手をにぎってきて。

 真っ赤な顔でつぶやた。

 

 私は、ジェラちゃんの言葉にうなずくと。

 その場にいた全員に向けて頭を下げた。


「みんなの力を貸してください……お願いします!」

 


**********


 あの後。

 

 私たちは、今後の作戦を考えた。


 すごく簡単にまとめると。

 やるべきことは三つあって。


 一つ目が、婚約式に参加してる使節団に接触すること。

 二つ目が、両国に使者をおくること。

 三つ目が、砦の防衛に兵士をおくること。



 で。


 私は今、一つ目の作戦の為に、アイゼンラット帝国の使節団が泊っている建物に向かっている。

 メンバーの中に、私のよく知っている人がいたからなんだけど。


 上手く聞き出したり出来るかなぁ。

 しかも、相手に気づいてるって思われないように。


 ううん、出来るかなじゃなくて。

 ちゃんとやらないと!


 事前にアポイント済みであることを、係りの人に伝えると。

 泊っている部屋の前まで通された。


 部屋の扉をノックすると、明るい声で返事が返ってきた。


「よく来てくれたわね、お久しぶりね、クレナちゃん!」

 

 部屋にいた両手を広げて、抱きついてくる。    

 紫色の長い髪に、赤い目の綺麗なお姉さん。


 魔人のサキさんだ。



 今日は角や羽根はかくしていて。

 肌の色も私たちと同じように肌色。


 ちょっと大人っぽい、ゆったりめのルームウェアを着ている。 


 なんだか全然、魔人に見えないよね。

 同性の私でも……すごくドキドキする。


 私の表情に気づいたサキさんが、小さくウィンクした。


「魔人のままだと、怖がる人もいるのよ。私はどちらも好きなんだけどねー」  


「部屋にお邪魔してしまって、ごめんなさい」

「いいのよ、私もクレナちゃんい会いたかったし。さぁ、座って」

 

 笑顔のサキさんにうながされて、ソファーにすわる。

 サキさんは、温かい紅茶を淹れてくれた。

 

「で、今回のイベントの主役のクレナちゃんは、私に何が聞きたいのかしら?」

  

 嬉しそうな笑顔で、両肘をテーブルについたまま、頬を押さえている。

 うん大丈夫!

 気がつかれないように、少しでも情報を入手しないと。


「由衣……アリア様は、出席してくれなかったんですね」

「うふふ、招待状はちゃんと読んでたわよ。アナタの直筆だったから大切に保管してるみたい」


 ラスボスを操れるのは、たぶん由衣だから。

 彼女の動きだけでもわかれば。


「あの子ね、お姉ちゃんの婚約なんて絶対認めないから、式には参加しないって……困った子よねぇ」


 サキさんは、目を閉じて小さくため息をつく。


「そうなんですね。んー。なんだか……由衣らしいかも」

「うふふ、本当に愛されてるのね。妬けちゃうわ」   


「あの。サキさんは、由衣のお付きの人なんですか?」 

「んー、ちょっと違うわね。私だけじゃなくてね、魔人は全員あの子に拾われたのよ」

「えーと……?」


 魔人が拾われた?

 どういうことなんだろう。


「んー、そうね。魔人が全員転生者って話は前にしたわよね?」

「はい、覚えてます」


 この話は、かみたちゃんの説明と違ってたから。

 違和感と一緒に覚えている。


「帝国でも、最初は魔人の扱いって良くなかったのよ?」

「そうなんですか?」

「ええ。少し前までは、強い魔物くらいの扱いだったのよね」


 確かゲームでも。

 魔人は強かったけど……。

 でも、魔物と同じような敵のユニットだったよね。


「あの子は、いきなり敵側としてこの世界に放りだされた私たちに、皇女という立場を利用して居場所を作ってくれたの」

「そうなんですか……」


 そっか、そうだったんだ。


 由衣……すごい。

 頑張ってたんだね。


「だから、私たちはみんな、お付きというか。そうねぇ、大きな家族みたいなものかしら?」

 

 由衣の事を語るときにサキさんは。

 本当に嬉しそうで。

 

 ホントに、仲が良いんだろうな。


「こっちの世界で由衣が楽しそうで、良かったです。ありがとうございます」

「お礼をいわれることはないわよ」


「あのそれで。由衣は今、どこにいるんですか?」

 

 ユキさんは私の言葉に、嬉しそうに目を細めて笑うと。

 私の方に身を乗り出してきた。


 顔が……すごく近いんですけど。 

 

「うふふ、本当に聞きたいのは。国境に展開している軍隊の数と陣形。攻める場所、時期かしら?」


 ……え?

 うそ、なんで?


 慌てる私に、ユキさんが満足そうな表情で微笑んだ。


「いやねぇ、前にいったじゃない、星乙女ちゃん。貴女の敵になるつもりはないわ」


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