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転生したら乙女ゲームの伯爵令嬢だったので ~ドラゴンと一緒に世界を救いたいと思います!~  作者: 柚子猫
魔法学校高等部編

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37.お嬢様と王宮の地下に眠るもの

 生徒会全員参加の朝食会が終わった後。

 私とキナコは、法王様に呼びだされた。


「まさか聖竜様のことを知っておられるなんて、さすが竜姫様ですな」

「そういうわけじゃないんですけど……」

 

 私たちは、王宮の外れにあった古い祠に入ると。

 ずっと階段を降っている。


 リュート様が聖竜様に合えるように頼んでみた相手っていうのが。

 ……なんと法王様だったみたいで。


「父もね。昨日の星空のことを感謝していまして、クレナ様とゆっくり話したいそうです」

「リュート様って、法王様の息子だったんですね」

「うん、誰にも話してないから。ナイショですよ?」


 リュート様は、唇に人差し指をあてて片目をつむる。

 うわぁ。

 これもう、完全にイベントスチルっぽい。

 

 ……ジェラちゃんがみたら、喜んだんじゃないかなぁ。


「それで、私たちは、どこに向かってるんですか?」

「それは……」


 リュート様が話そうとすると。

 法王様が、片手を上げて制止した。


「ははは、竜姫様。もうお気づきでなのでしょう」


 にこやかに話しかけてくる。

 おだやかでいい人そうなんだけど。


 ……なんだか。


 目が笑ってないような気がして……少し怖い。


「あの? 何の話でしょうか?」

「おとぼけにならずとも。すべてわかっておりますよ」


 えーと?

 

 ……なにをわかってるんだろう、私。

 

 ゲームでも、聖竜に会いに行くイベントなんてなかったし。

 正直、全然わかってないんですけど!


 並んで歩いているキナコをちらっと見ると。

 なんだか納得したようにうなずいてる。


 ……。


 …………。


 ちょっとキナコさん?!


 そこで、うなずかれても。


 私全然わかってないからね!!



 ――やがて私たちは。

 

 大きな扉のある、巨大な地下空間に到着した。

 


**********


 その空間は。


 お屋敷がそのまま入るんじゃないかとおもうくらい。

 信じられないほど広い部屋になっていて。


 天井から壁まで、一面に大きな壁画が描かれている。

 それはまるで。

 最近描かれたように色とても鮮やかで。


 モチーフは、金色に光る少女と、赤いドラゴン。

 そして。

 大きな白いドラゴン。


 黒い影のような魔物と戦っている金色の少女の姿は。

 ショートボブで大きな可愛らしい瞳。

 たぶん……ううん、間違いなく。


 ……かみたちゃんだ。


 大きな赤いドラゴンは……たぶん、初代の竜王だよね。

 聖竜と思われる白いドラゴンは。

 かみたちゃん達と一緒に、魔物と戦っている。


 これってたぶん……。


「あの……これって」

「ご存じなのでしょう? はるか昔、ご先祖様が描かれた大陸戦争ですよ」


 法王様が壁画を眺めながら、目を細めてつぶやく。


 やっぱり。

 お城の地下にあったものと同じ。

 ずっと昔にあった、初代星乙女と魔物との戦いなんだ。


 あれ?

 じゃあやっぱり……聖竜はずっと昔にいたドラゴン……だよね?


 ――どうやって会えるんだろう?



「しかし、さすが竜姫様ですな……聞けば、星乙女とも呼ばれているそうで」

「あの、それは少し誤解がありまして……」

「ご謙遜を。それに昨日の夜のお話はきいておりますよ」


 本当の星乙女はナナミちゃんなんだけど。

 かみたちゃんは、私も星乙女だって言ってたけど。


 ……私、異世界転移者じゃないんだけどな。


「リュート、あれをここへ」

「わかりました、父上」


 私の表情を見た法王様は、リュート様に声をかける。

 リュート様は、壁際にある棚から、一枚の姿絵を取りだした。

  

「クレナ様、こちらをご覧ください」


 姿絵に描かれていたのは……。

 桃色の髪に、赤紫の大きな瞳の少女。

 

 これって……私に似てるよね?


「これ、ご主人様だね」


 横からひょいっと顔を出したキナコが、嬉しそうに答える。


「おどろかれましたかな?」

「……これは、ファルシア王国で描かれたものですか?」


 法王様は首を大きく横にふると。

 満面の笑みで、両手を高く広げた。


「お人の悪い。すべておわかりなのでしょう?」


 だから、おわかりになるって。

 一体何がわかるっていうのさ!


「それは、我々のもとに現れた、金色に光る神の使いから頂いたものなのです!」


 興奮気味な口調で話す法王様。


 金色に光る神のみ使い?

 それって……。


「クレナ様。み使いはね、もし姿絵の少女が訪れたら、封印の扉を開けるようにって」


 リュート様は、部屋にある大きな扉の方向に顔を向けた。


 もしかして。

 最初飛行場でお会いした時に驚いてたのって。

 この姿絵を見ていたから?

 

「あの、リュート様。そのみ使いって、壁画の少女と似てましたか?」


 私は、壁画に描かれた金色の少女を指さす。   


「いや、もっと大人の……美しい女性の姿だったよ」


 それじゃあ……。

 かみたちゃんじゃ……ない……のかなぁ?


 でも……。


「父上は神のみ使いと言っていたけど……僕にはね」


 リュート様は、法王様に聞こえないように。

 私の耳元でそっとささやいた。


「悪魔の使いに見えたんだよ……」



**********


 法王様は、真っ赤に興奮した表情で。

 扉に向かって呪文を唱え始めた。


 扉に魔法文字が次々と浮かび上がり、怪しく光っている。


「よもや、私の代で開けることになるとは……すばらしい……」


 やがて目が開けらいれないほどの光を放ったあと。

 


 大きな扉は。

 音もたてずに、ゆっくりとひらきはじめた。


「さぁ、行きましょう! 我が国の祖にして、偉大なる聖竜さまの元に!」


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