表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら乙女ゲームの伯爵令嬢だったので ~ドラゴンと一緒に世界を救いたいと思います!~  作者: 柚子猫
魔法学校高等部編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

122/201

35.お嬢様と竜のペンダント

 リュート様は、金色の飛竜、アンネローゼちゃんと夜空の散歩を楽しんだ後。

 私の両手をぎゅっと握ってきた。


「クレナ様、今日は本当にありがとう……」

「いえ。お役にたてたのでしたら、嬉しいです」


(少し自信が出てきたわ。ありがとう、クレナ)


 アンネローゼちゃんが顔をすりよせてくる。


 よし。

 きっと友情イベントクリアよね!


 もし。

 もしもだけど。


 ファルシア王国にラスボスが現れたら。

 二人共駆けつけてきてね。


 私は二人にむかってニッコリ微笑んだ。



「クレナ様……もしよろしければ。これを……」


 リュート様は、自分の首にさげていたペンダントを外すと、私に差し出した。

 星の光を受けて、キラキラ緑色に光っている。


 ……すごくきれい。 

 

「……あの?」

「今日のお礼です。受け取ってください」


「そんな! 受け取れませんよ」

「本当に嬉しかったんです。それに……きっと僕より貴女のほうが……」


 彼の顔が近づいてくる。


 え?


 ビックリして固まっていると。

 私の首に手を回して、ペンダントをつけてくれた。


「ほら、ぴったりだ。お似合いですよ」


 リュート様は、耳まで真っ赤にした顔で。

 まっすぐ私を見つめて微笑んだ。

 

 よく見ると。

 輝いてるのは竜の形をしたペンダントトップで。

 中に魔法文字が書かれているみたい。


 こんなにすごいもの……受け取れないから!


 あわてて、外そうとする手を、リュート様の手がつかんだ。


 あの……顔が……。

 また、顔が近いから!

 

 慌てて、少しさがると。

 リュート様がはっと気づいた顔をして。


 つかんでいた私の手をはなした。

 

「す、すみません……」

「い、いえ……」


(ちょっと! 人のパートナーに手を出さないでよね!)


 私とリュート様の間に、アンネローゼちゃんがぐいっと頭を差し込んできた。


 そんなんじゃないから。

 熱い友情ものなんだから!


「ねぇ、今夜の星空にお礼がしたいんだ。受けとってよ。ね?」


 うーん。

 あんまり断ると。

 申し訳ないきもするし……。


「わかりました。ありがとうございます、リュート様」


 私は、スカートの裾を軽くつかむと、丁寧にお辞儀をした。

 胸元で、ペンダントが軽く揺れる。


「いえ。本当に……おきれいです……」


 うん、こんなきれいなペンダント。

 もらっちゃっていいのかなぁ。


「ご主人様……本気ですか? バカなんですか?」


 振り向くと。

 いつの間にか人化したキナコが、固まった顔でつぶやいていた。

 

(ちょっと! あの人間、アナタのパートナーなんでしょ? ちゃんと見張ってなさいよ!)



**********  


 リュート様たちと別れた後。


 私とキナコは、宮殿の中に準備してもらっていたお泊り部屋に向かった。

 

 扉を開けると。

 リリーちゃん、ジェラちゃん、ナナミちゃんがこっちを見ている。


 え?


「クレナちゃん。心配しましたわ!」


 リリーちゃんが、少し泣きそうな顔をしながら抱きついてきた。

 頬にあたる金色の髪が、すこしくすぐったい。


「ごめん……おそくなっちゃった」

「なによ! ずいぶん遅かったじゃない! ……心配するでしょ」


 ジェラちゃんが指をさしながら、真っ赤な顔で近づいてくる。

 これは……かなり怒ってそう。


「ごめんね、ジェラちゃん」

「まぁ……無事なら……べつにいいけど」


 彼女は真っ赤な顔のまま、うつむいてボソッとつぶやく。

 やっぱり……。

 夏休みくらいから、ジェラちゃん変だよね?


「お姉ちゃん、それキレイ……」

  

 ナナミちゃんは、私にかけよると手をぎゅっと握ってたんだけど。

 胸元のペンダントに気づいたみたいで。

 じっと、緑色に光る小さなドラゴンを見つめている。


「ああ、これね。さっきもらったの」


「アンタそれ……」


 ジェラちゃんが、おどろいた表情でペンダントを眺めた後。

 大きなため息をついた。


 え? なに?


「……リュート様と会ってたのね?」

「うん、さっきまで一緒にいたけど」


「で……。もしかして金色の飛竜を見せてもらった?」

「うん。見せてもらったよ?」


 ジェラちゃん、何で知ってるの?


「もしかして……飛竜に一緒に乗ったりしてないわよね?」


「あ、あれはね。アンネローゼちゃんにお願いされて! えーと、アンネローゼちゃんていうのが飛竜の名前なんだけど」


 ……もしかして、見られてたとか?

 あれは別に。

 

 友情!

 そう友情の為なんだから!


 ジェラちゃんは、少し頭を押さえながら、再び大きなため息をつく。


「前に、リュート様も攻略出来るって言ったわよね?」

「うん、言ってたよね?」


 ジェラちゃんは、私の両肩をガシッと掴んで。

 真剣な表情でまっすぐ見つめてきた。

  

「アンタ、その『夜空の散歩』……リュート様の恋愛イベだから……」

 

 ……。


 ………。


 ええええええええええええええええ!?



**********


 ジェラちゃんの説明だと。

 

 乙女ゲーム『ファルシアの星乙女』で。

 セーレスト神聖法国の魔法学校生徒会長のリュート様を攻略するには。


 飛空船に降りたときと、生徒会の交流会でとにかく好感度をあげると。

 彼のパートナーである金色の飛竜を見せてもらえる。


 そして、好感度がマックスになると、一緒に空の旅を楽しんで。

 彼がずっと大事にしているペンダントをプレゼントしてくれる。


 これは、彼の家に代々伝わる風習で。

 自分の身に着けていたものを、好きな人に渡すんだって。

 

 魔法石の中に密かに彫られれている魔法文字は。


 『貴方を永遠に愛しています』



「はぁ、アンタどうすんのよ? こんなのもらって……」

「だって、そんなの知らなかったし!」


 でも。


 ジェラちゃんの話すゲームのイベントと。

 さっきの出来事って違う気がするんだけどなぁ。


「あのね、全然そんな感じじゃなかったんだよ? リュート様、アンネローゼちゃんラブな感じだったし」


 そんなラブラブな感じじゃなかったよね?

 むしろ友情イベントだったよね?


「……それホントでしょうね?」


 ジェラちゃんは、私じゃなくて。

 すぐ横でかたまっているキナコに問いかけた。


「え……だってご主人様ですよ?」


 ジェラちゃんは、何故か納得した顔をしたあと。


 三度目の大きなため息をついた。


「ちょっと、キナコ! ちゃんとフォローしてよ!」

「無理でしょ……。ボクもう寝るね」


 キナコさん!


 このままだと、誤解されたままなんですけど!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ