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転生したら乙女ゲームの伯爵令嬢だったので ~ドラゴンと一緒に世界を救いたいと思います!~  作者: 柚子猫
魔法学校高等部編

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31.お嬢様と竜のいる国

 大陸の西にある大国『セーレスト神聖法国』


 国内には、緑豊かな森や湖があって。

 美しい自然を楽しめることで、観光客にすごく人気な国。


 別名「緑の法国」って呼ばれてるんだけど。


 でもやっぱり、この国の最大の魅力って言ったら。

 ドラゴンがたくさん暮らしていて、生活の一部になっていること!


 例えば。

 飛空船の代わりに荷物を運ぶ、大きな飛竜とか。

 馬の代わりに人を運ぶ、地竜。

 お芝居や芸をしてみんなを笑顔にするのが得意な、楽竜なんっていう種類もいるんだって。


 これってすごいよね!!

 おかげで私、ゲームでこの国のイベント大好きだったし。

 これぞ、ファンタジーって感じ!!


 

 私たちを乗せた飛空船がセーレスト神聖法国に近づくと。

 目の前に、見慣れない風景が広がっていた。


 空を行きかっているのは、飛空船じゃなくて。

 たくさんのドラゴンたち。


「クレナちゃん、本当にウワサ通りの景色ですわね!」

「お姉ちゃん、ドラゴンがいっぱい飛んでるよー」


 私は、リリーちゃん、ナナミちゃんと外の景色を眺めていた。

 

「ホントに……すごい……」 


 なんでもゲームの画面で見てたのに。

 本物は……ちょっと言葉で言い表せないくらい、感動して。

 気が付いたら……。

 

 涙が頬を伝っていた。

 え? なにこれ?

 

「ちょ、ちょっと、アンタ大丈夫なの?」


 突然近づいてきたジェラちゃんが、ハンカチを差し出してきた。

 

「……ありがとう、ジェラちゃん」

「ぐ、偶然近くにいたのよ! で、なにかあったの?!」


「ううん、なんかこの景色を見てたら涙が出てきちゃって……」

「なんだ……ビックリさせないでよ……」

 

 ジェラちゃんは、大きなため息をついた後、ホッとした表情になった。 

 心配かけちゃったかな。でも。

 近くにいたなら、一緒に見たらよかったのに。

 

「そうだ。ジェラちゃん、法国にいけば、リュート様にお会いできるね!」


 リュート様は、乙女ゲーム『ファルシアの星乙女』に出てくるキャラクターの一人で。

 セーレスト神聖法国の魔法学校で、生徒会長をしている。

 緑色の髪をしたイケメンキャラで、ジェラちゃんの推しだったはず。


「前にいったわよね、それは過去の話よ!」

「えー、ホントに?」

「しつこい!」


 ジェラちゃんは、顔を真っ赤にしてうつむくと。

 両手のこぶしをぎゅっとにぎって、小さな声でつぶやいた。


「私はずっとクレナ推しなのよ……これからもずっと……」


 ジェラちゃん、そんなにゲームのクレナの事好きだったんだ。

 ごめんね、私がクレナとして転生しちゃったから。


 せめて。

 リュート様と仲よくなれるといいんだけどな。


「……ねぇ、アンタ。今よけいなこと考えてるでしょ?」


 ジェラちゃんが、顔を赤くしたまま、ぐいぐい近づいてくる。


「え? そんなことないよ?」

「アンタは、すぐ表情に出るのよ!」


 そ、そうかな。

 おもわず、ジェラちゃんから目を逸らす。


「お願いだから何もしないでよね!」

「うん、何もしないから。ね?」


「わ、わかったらいいのよ」


 ジェラちゃんは、人差し指でびしっと私を指さすと。

 また慌てて、うつむいた。


 やっぱり。


 ……最近のジェラちゃんは、すごくヘンだと思う。



**********


 私たちの飛空船は。


 大きな旗を持った竜騎士に先導されて、飛行場に着陸していく。


「やっぱり竜騎士ってすごいねー」


 昔からファンタジー世界は大好きで。

 前世ではラノベとか読んでいたんだけど。

 

 竜騎士って……かっこよすぎる。


 窓から竜騎士を眺めていると。

 横にガトーくんがやってきた。


「そんなに竜騎士が好きなの?」

「もちろん! 私的にはファンタジー世界憧れナンバーワンだから」


「ふーん。じゃあさ、僕がドラゴンを飼育して竜騎士になったら、婚約乗り換えてくれる?」

「もう! ガトーくんも王族でしょ! あんまり簡単に言わない方がいいと思うよ!」


 ガトーくん……。

 なんでこんなに女の子に軽いのかなぁ?


 幼馴染としては心配だよ……。


「ガトー? もう勝負はついてると思うんだけどな?」


 後ろから。黒いオーラを背負ったシュトレ王子が近づいてきた。

 表情はわらってるけど。目が……怒ってる……。


 ほらぁ、王族なのに発言が軽すぎるからだよ?


「いやだな、兄上。……勝負は最後までわからないだろ?」

「いいや、最後まで結果は同じだよ」


 え?

 勝負って何の話だろ?


「はぁ、ご主人様。勝負っていうのはね……」


 あきれた顔で近づいてきたキナコの口を、ガトーくんがふさいだ。


「キナコちゃん? 後でゆっくり話そうか?」

「むぐむぐむぐ」


 この二人も昔から仲良いよね。

 ひょっとして……。


 まさか……。

 なんてことあるのかなぁ。


 でも、ナナミちゃんもジェラちゃんだけじゃなく、キナコまで?


 さすが攻略対象様……。

 まぁ。

 発言はちょっと? ううん、だいぶ軽い感じだけど。

 ホントは……すごく優しくていい人だもんね、ガトーくんって。



**********


 しばらくして。

 飛空船が地面に降りた音がした。


「到着したみだいだね、クレナおいで」


 シュトレ王子が、手を差し出してくれる。

 私は王子の手を取って、飛空船の扉からタラップに降り立った。

 

 嬉しいけど。

 嬉しいけど。


 恥ずかしい……。


 周囲から大きな歓迎の演奏の音がして。

 タラップから地面を見ると。

 

 後ろにドラゴン、手前に竜騎士が左右に整列している。

 すごい……圧巻なんですけど。


 私は、シュトレ王子にエスコートされたまま、タラップの階段を下りていく。


 竜騎士たちの間をみんなで通っていくと。

 その正面には、ゲームで見たことのある人物が立っていた。


「ようこそ、ファルシア王国魔法生徒会の皆様。私は法国魔法学校の生徒会長、リュートと申します」


 彼は丁寧な挨拶とお辞儀をした。


「初めまして、王国魔法学校の生徒会長、クレナ・ハルセルトです」


 スカートの裾を少しだけ持ち上げておじぎをしたあと、にっこりスマイル。

 第一印象は大事だからね!

 なるべく自然な笑顔を作らないと。

  

 リュート様は、すこしビックリした顔をして固まっていた。


「え? クレナ……ハルセルト? 君が?」


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