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転生したら乙女ゲームの伯爵令嬢だったので ~ドラゴンと一緒に世界を救いたいと思います!~  作者: 柚子猫
魔法学校高等部編

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29.お嬢様と甘いキス

 夏休みが終わって、最初の登校日の放課後。

 

 ――私たちは。


 二人きりで海デートを楽しんでいる。


 正確にいうと……二人きりじゃないんだけどね。

 飛空船の甲板には護衛の人がいたし。

 海岸でも、守ってくれてたんだけど。


 隣にいるシュトレ王子を、なるべくさりげない風に眺めてみたんだけど。 

 水着姿が……すごく……。

 かっこいいの!

 

 肩幅が広くてがっちりとした体格は、スポーツ選手みたいだなって思うし。

 すごく逞しい印象を受けるし。


 ファッションもね。

 上が青、下が白色のちょっとゆったりめな感じの水着。

 金色の髪と青い瞳にすごく似合ってて。


 もう、本当にカッコよすぎて。

 思わず見惚れてしまった。


「どうしたの、クレナ?」

「えーと、シュトレ様がすごくカッコいいなって! ……あれ?」


 うわ!?

 思わず声にだしちゃったんですけど。


 王子は、すこしびっくりした表情で固まったあと。

 顔を真っ赤にしてこぶしを自分の口にあてる。


「……ありがとう。オレには……クレナが魅力的にみえるんだけどね」


 私の視線を向けると。

 照れたように微笑んだ。


 そ。そんなにみられると。

 すごく恥ずかしいんですけど。


 胸元にリボンとフリル。

 ボトムもフリルがついててスカート裾になってるなんだけど。

 セパレートタイプだから……おなかとかいろいろ見えてるわけで。


「えーと、おかしくないかな?」

「可愛いよ、すごく似合ってる」


 だめだ。

 そんな吸い込まれそうな瞳で見られたら。

 太陽のあつさと、私の胸のドキドキで。

 なんだか……そのまま王子に抱きついちゃいそうで……。

 これ以上は危険だよ、私!

  

「シュ、シュトレ様! せっかく海に来たんですし、少し入ってみませんか?」


 慌てて、シュトレ王子の手を引いて。

 砂浜に静かに打ち寄せる波の中に入っていく。

 

 足元に海の冷たい感触を感じるし。

 潮の匂いのする風が、熱くなった頬を撫でるように通り過ぎていった。


「冷たくて、気持ちいい~。これぞ夏って感じがしません?」

「そうだね。これは気持ちいいな」

 

 定番のあれ、やってみたいな……。

 なんだか少女マンガの世界みたいだけど。

 ……いいよねやっても。

 こ、婚約者だし。


 私はおそるおそる、両手で海の水をすくうと。


「えいっ!」


 王子にむかって、水をかけた。


「クレナ……?」

「どうですか? 涼しくなりました?」


「そうだね……」


 王子は少しいたずらぽい表情に変わると。

 両手で、水をすくいだした。

 

「じゃあ、お返しだよ!」


「じゃあじゃあ、私も!」


 こんなにはしゃいで遊ぶの、どのくらいぶりだろ。

 すごく……楽しい!



 しばらく海で遊んだ後。

 私たちは砂浜のパラソルの下で休憩していた。

 

「今日は誘っていただいて、ありがとうございました。すごく楽しいです」


 シュトレ王子にお礼を言った後。

 用意されていたフルーツジュースを口に含む。

 パラソルも、私たちが遊んでいる間に準備してくれたみたい。

 王家の護衛の人達って、ほんとに優秀すぎるんですけど!


 あとでちゃんとお礼を言わなくちゃ。 


「うん、オレも楽しかった」


 隣で一緒にジュースを飲んでいる王子と瞳が合う。

 王子はすごく甘い表情をしていて。

 空と同じ青い瞳に……吸い込まれそう。


 せかっくジュースで冷ました身体が、また火照っていく。

 ちょっと。

 おさまってよ、私の鼓動。 


「それに。楽しそうなクレナが見れたしね……ホントに可愛いよ」


 王子がそっと腰に手をまわしてくる。

 

 目を閉じると。

 唇から、甘い味が伝わってきた。



********** 

 

「おかえりなさーい。王子様とのデートは楽しめましたか?」


 部屋に戻ると。

 キナコが嬉しそうに後に手を組みながら、近づいてきた。


「別に普通です~。一緒に海に遊びにいっただけなんだから」


 もう!

 キナコはいつも、王子の話でひやかしてくるんだから!

 

「えー? でも、唇にキスマークがついてますよ?」


 え? うそ?

 思わず、唇をおさえると……。


 キナコが口に手を当てながら、にやーっとした顔で見つめている。


 はっ、そうだよ!

 つくわけないじゃん、唇にキスマークなんて!


「キナコー! だましたわね!」

「ご主人様がわるいんですよー? ちゃんと言わないからー」


「なんでキナコに、王子とキスしましたって報告しなくちゃいけないのさ!」

「えー? それは、ご主人様の幸せがボクの幸せだからですよー」

「なにそれ?」


 ニコニコ笑ってるキナコをみてたら。

 ……それ以上怒れないじゃない。


「そうそう、かみたちゃんから伝言がありましたよ」

「え? かみたちゃん? もしかしてきてたの?」


 前にかみたちゃん、こっちの世界に来れるようになったっていってたから。

 せっかくなら。

 ……久しぶりに会いたかったな。 


「そうでしたかー。そんな風に思われてるなら来ないわけにいかないですよねー」


 いきなり目の前に。

 金色に光る少女が現れた。


「か、かみたちゃん!?」

「クレナちゃん。お久しぶりですよー!」


 首を少し傾けて、大きな瞳で可愛らしく笑う。

 肩までの髪がさらりと揺れた。


 やっぱり……。

 この姿に見覚えがあるんだけどな。

 

 もうずっと昔に……。


「かみたちゃんくるなら、伝言いらないじゃないですか?」

「だって、クレナちゃんがあまりに可愛かったのでー。思わず出てきましたー」


 抗議するキナコの口にひとさしゆびをあてると。

 キナコは頬を赤くして、うつむいてしまった。


「あんまり長くいられないので、要件だけいいますね」

「そうなの? せっかくだしゆっくりお話したいのに」


「うふふ、やっぱりカワイイですねー。クレナちゃん」


 いきなりかみたちゃんの光がつよくなって。

 あわてて目を閉じると。


 唇に柔らかい感触が伝わった。

 彼女のやわらかな吐息がこぼれる。


 ……もう!


「……かみたちゃん、こういうのはダメだよ! ちゃんと好きな人に……」

「私、クレナちゃんのこと大好きですのでー」


 まだ眩しくてほとんど目を開けれられないんだけど。

 かみたちゃんは、なんだか。


 ――泣いているように見えた。


「西に白い聖竜がいます。その子に会ってあげてくださいー」


 ……西っていうと。

 緑の法国『セーレスト神聖法国』?


「会ってなにをすればいいの?」


「クレナちゃんなら会えばわかりますよー」


 光はもう目を閉じてても眩しいくらい強くなって。


 やがて私の意識が……遠くなっていった。


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