表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら乙女ゲームの伯爵令嬢だったので ~ドラゴンと一緒に世界を救いたいと思います!~  作者: 柚子猫
魔法学校高等部編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

110/201

23.お嬢様と平和で大切な日々

 窓から差し込む日差しがさえぎられて、部屋に影を作った。

 

 ……これって……たぶん。


 あわてて窓のそばまで駆け寄ると。

 お屋敷の上空に飛空船が浮かんでいた。

 

 船体が金色に輝いてて。

 遠目に見ても豪華な装飾がされているのがわかる。


 ――大きな王家の飛空船。


 頬の温度があがって……胸の鼓動が早くなってるのがわかる。

 飛空船に乗ってるのは多分。ううん、きっと……。


「クレナお嬢様、失礼します!」


 入ってきたのは、セーラ率いるメイド隊のみなさま。

 

「さぁ、今日も可愛くなりましょうね」


 セーラたちが入ってきたってことは。

 そいういうことだよね。

 思わず赤くなった頬を両手で押さえる。


「……シュトレ王子が来たの?」

「ええ……今日は良かったですね、お嬢様」


 セーラが嬉しそうにニコニコ笑いかけてくる。

 

「……別に普通だからね!」

「ハイハイ、わかりましたので。ゆっくり着替えましょうねー」


 もう!

 別に普通……じゃないけど。


 じっとしてると、自然にゆるみそうだったので。

 そのまま両手でじっと頬をおさせていると。

 

「クレナ様、それだとメイクできないので。手をどけてもらえませんか?」


 セーラが笑いながら私の手をにぎった。


 ……それはそうなんだけどさぁ。

  

 ……恥ずかしい。



**********


 しばらくして。

 セーラたちが部屋をでると。


「クレナ、入ってもいいかな?」


 部屋にノックする音が響いた。

 シュトレ王子だ!


 ……おかしなところないよね。

 私は鏡の前で、セーラたちにセットしてもらった髪と部屋着をチェックする。


 髪はサイドでまとめて、少しだけゆるく編み込んでリボンで可愛くとめてあって。

 部屋着は、レースのついた可愛らしいワンピース。

 

 くるりと一回りしてみる。

 うん、大丈夫……だよね?


「ハイ、どうぞ」


 なるべく明るい声で返事をすると。

 扉が開いて、シュトレ王子が入ってきた。


「クレナ、寝てなくて大丈夫? 無理はしないでいいよ」


 心配そうな顔をして、シュトレ王子が入ってきた。

 青い綺麗な瞳が優しく私を見つめてくる。


「大丈夫ですよ。もうお散歩くらいならできますし」


 笑顔で王子に近づいた……はずだったんだけど。

 少し景色がゆがんで、足元がふらついた。


「あ……」

「危ない!」


 よろけたところを、王子に抱きとめられた。


「ご、ごめんなさい」

「いや、無事でよかったよ」


 シュトレ王子の腕の中で、胸に頬を寄せる形になって。

 うわぁ。

 ちょっと恥ずかしいんですけど。


 あわてて、逃れようとしたら王子に強く抱きしめられた。

 

 えーと。

 あれ?


 でも……やっぱり。

 王子の腕の中にいると……優しい香りがして……安心する。

 しばらく、このままでいたいな……。 


「……クレナ、まだ具合悪いみたいだし、ベッドに戻ろうか?」

「へ、平気です。たまたま、よろけただけですよ」

  

「ダメだよ」


 今日もベッドかぁ……せっかくオシャレしたのにな。


 そう思ってたら。


「すこしだけ、じっとしててね」


 シュトレ王子がぱっと腕をはなすと。

 私を横向きにふわりと抱え上げた。


 私は落ちないように、あわてて彼の首に手をまわす。

 

 ……あれ?


 ……これって。


 お姫様抱っこだよね!?



 王子の綺麗な横顔がすごく近くにあって。

 顔が燃えちゃうんじゃないかって思うくらい、頬に血が上っていくのを感じる。


「……恥ずかしい」


 おもわず、口にした瞬間。

 王子の顔が近づいて、唇にあたたかい感触が伝わった。

 甘い吐息が聞こえてくる。


 しばらくして。

 私はベッドの上に運ばれていた。


「今日のクレナも、すごく可愛いよ……」


 ベッドに優しく寝かされた私に、もう一度王子の顔が近づいてきた。

 どうしよう。

 このドキドキが王子に聞こえそうなんですけど。

 ぎゅっと目をつむると。


 

 突然。扉をあける大きな音がした。


「お姉ちゃん、金色毛虫が来てるんでしょ!」


 私はあわてて、枕に顔をうずめる。

 びっくりしたぁ。


「ちょっと! 人のお姉ちゃんに近づかないでください!」


 ナナミちゃんがあわてて、私と王子の間に飛び込んでくる。


「やぁ、クレナちゃん。ご機嫌いかがです?」


 さらに。

 扉から入ってきたガトーくんが、シュトレ王子を無視して私に話しかけてきた。

 

 さっきの飛空船。

 やっぱりガトーくんも来てたんだ。


 ナナミちゃんをちらっと見る。


「お姉ちゃん? また変なこと考えてないですよね?」


 またまた、照れちゃって。

 お姉ちゃんはちゃんと知ってますから。



「あら、お兄様たち、また来たんですね」

「ごきげんよう、シュトレ様、ガトー様」


 開いたままの扉から、リリーちゃんとジェラちゃんも入ってきた。

 リリーちゃんは、すでにカットされた果物が盛られた大きなお皿を持っている。


「今日はわたくしの番ですわ。ほら、クレナちゃん。お口を開けてくださいね~」

「ずるいです。私もお姉ちゃんにあげたいです」

「こんなにあるんだから、私からも食べなさいよね!」


 ……無理、そんなに食べれませんから!

 

「あの、せっかくだし、みんなで食べませんか?」


 ふと、ガトーくんと目が合った。

 私は目線に願いを込める。助けてのサイン、どうか届いて!


「うんそうだね、みんなで食べようか」  


 ガトーくんは、リリーちゃんからお皿を取り上げた。

 ウソ、通じた?!


「えええ!? ガトー様。今日はわたくしが……」


 ガトーくんは、リリーちゃんの抗議を無視するように、私の方を振り返った。

 あれ、なんでもう片方の手で口元を押させてるかなぁ。

 ……もしかして……笑いをこらえてたりします? 


「もう、何でそこで、笑うかなぁ~」

「ちがうちがう、あんまりクレナちゃんが可愛かったからさぁ」


「ご主人様、安心して。ボクがご主人様を守るから。こんな果物くらいあっという間に……」


 いつの間にか入ってきたキナコが、果物皿をすごい目で見つめている。


「ちょっと、キナコ! みんなで食べるんだからね!」

「ホントに食べていいの? ご主人様、大好き!」

  


「あのさ、クレナの婚約者はオレなんだけどさ……。みんなちゃんとわかってる?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ