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転生したら乙女ゲームの伯爵令嬢だったので ~ドラゴンと一緒に世界を救いたいと思います!~  作者: 柚子猫
魔法学校高等部編

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17.お嬢様と王宮の地下

「クレナ、今度の休みに王宮にこない?」


 放課後。

 生徒会室の戸締りをしていると、突然シュトレ王子に声をかけられた。


「王宮ですか?」


 子供の頃から、たまに王宮に行っているんだけど。

 シュトレ王子からイベント以外で誘われるなんて……珍しいよね。


 もしかして、あれかな。

 おうちデートみたいな?!


「うん。クレナから色々話を聞いてからさ。少し気になることがあったんだ」


 あー……。

 そっちね。


 前世の事とか、乙女ゲームの話だよね。

 ビックリしたぁ。

 

「なーんだ、デートのお誘いかと思いました」


 って!

 うわぁ、今の声にだしちゃったよね、私!


 ……どうしよう。


 慌てて振り返ると。

 真っ赤な顔をした王子が立っていた。


「……そうだね。用事が終わったらさ、飛空船でデートしようか」

「違うの! シュトレ様、今のなし! なしだから!」


「え? じゃあ、クレナはデートしたくないの?」

「……それは……したいですけど」


「それじゃあ、決まりだね」


 王子は照れながら微笑んだ。

 でも、そんなふうに耳まで真っ赤にして話されると。

 

 私も、嬉しくて、恥ずかしくて。

 もう。

 頬がゆるんで落ちちゃいそうなんですけど!


 思わずはっとして頬を両手で押さえた。

 変な顔に……なってなかったよね?



**********


 次の休日。

 私の部屋では、朝から芸術作品が作られていた。


「ねぇ。今日はシュトレ王子と、ちょっとお出かけするだけだよ?」

「クレナ様は王子の婚約者ですからね。世界一可愛くなりましょうね」

 

 私の周りにいるのは、メイド長のセーラ率いるメイド隊のみなさま。

 

 すでに作品はほとんど完成していて。

 あとは、髪を最後にもう一度整えて、ティアラをのせれば完成みたい。

 

 ……その作品が……私なんだけど。


 今日のファッションは。

 薄い水色のグラデーションのかかった、ちょっと丈が短いドレス。

 白いレース袖でウエストにリボンがついてる。


 まぁ。

 デートって感じじゃ……ないよねぇ、これ。



「うわぁ、お姉ちゃんキレイ!」


 部屋に入ってきたナナミちゃんが入ってきて。

 手を目の前で組んで、感動した様子で顔を真っ赤にして近づいてくる。


 ――それはもう。

 メイド隊が二時間もかけて作成しましたから!

 

「ご主人様、今日は王子とデートですか?」


 廊下から、キナコが顔を出す。

 頭のツインテールがぴょこんとはねた。

 なんだかウサギみたい。

 可愛いな。

 

「うん、デートっていうかね。シュトレ王子が、私の転生者の話で気になることがあるって」 

 

 私の話を聞いた瞬間。

 それまでご機嫌そうだったキナコの笑顔が固まった。


 あれ?

 どうしたんだろう?


「ねぇ、ご主人様。ボクもついてっちゃダメかな……?」

「キナコちゃん、ずるい! お姉ちゃん、私も! 私も行きたいです!」


 キナコがそんなことを言うなんて。

 珍しいよね?


「どうしたの、キナコ。何か理由があるの?」


 気になって問いかけてみると。

 無言のまま、じっと私を見つめてくる。


 うーん。

 なんだか、いつものキナコっぽくない。

 

「ごめんね、今日はシュトレ王子との約束だから。今度遊びにいこうね」


 心配になって、キナコをのぞき込むと。

 少し泣きそうな顔で突然抱きついてきた。    


「え?! キナコ、本当にどうしたの?!」

「ねぇ、ご主人様」


「なあに?」

 

 キナコは頬を寄せてくると、小さな声でささやいた。


「なにがあっても……ボクとかみたちゃんは、ご主人様の味方だからね」



**********


 王宮へ向かう自動馬車の中で。

 私はキナコの事を考えていた。


 ……なんだったんだろう。

 

 彼女の事を考えながらぼーっとしてるうちに自動馬車は王宮に到着してたみたい。


「クレナ様?」


 声を掛けられるまで、全然気が付かなかった。


 あせったぁ。


 変な子だと思われてたかな、恥ずかしい。

 


 車を降りて王子の部屋に通されると。

 シュトレ王子と、王妃のトルテ様がお出迎えしてくれた。 


「きゃー! クレナちゃん、ひさしぶりね!」

「おひさしぶりです、トルテ様」


 ドレスの裾をもって挨拶をしようとしたら。

 満面の笑顔で両手を広げて抱きしめてきた。

 

「堅苦しい挨拶はいいわよ。息子の嫁ってことは、私の娘なんだから」


 トルテ様は、優しい香りがして。

 ………なんだか少し安心する。


 婚約してから、何度もお会いしてるけど。

 お父様やお母様から聞いていたとおり、明るくて朗らかな方。

 

 人見知りって聞いてたんだけど。

 最初から全然そんな雰囲気なくて。


 ――というか。

 なんでトルテさまが王子の部屋に!


「ゴメンね、母上が、クレナがくるならどうしても会いたいって」


 シュトレ王子が、困った顔で私とトルテ様を見ている。


「それはそうよ。いきなり地下室のカギを貸せなんて息子からいわれたらねぇ」

「地下室のカギ?」

 

 トルテ様は手に持っている大きなカギをくるくる回すと、いたずらっぽい顔で笑った。

 地下室って。

 なんのことだろう?


「クレナの話を聞いてね。どうしても地下にある部屋を一緒に見て欲しかったんだ」

「そこになにかあるんですか?」


「うん……本来は国王と王妃しか入れない部屋なんだけど」


 えええええ!?


 そんな大事なところに。

 私が入って良いのかな……。


 不安になって、トルテ様をみると。

 やわらかい表情で微笑みかけてきた。


「いいのよ。シュトレも王になる前に見せてもらったみたいだし。クレナちゃんは王妃になるんだから」

 

 もっとお話したかったんだけど。

 国王様に呼ばれて名残惜しそうにトルテ様は部屋を出て行ってしまった。

 残念だなぁ。


 でも。

 王妃って……あらためて聞くと。

 重い言葉だよね。

 もちろん、覚悟はしてるつもりなんだけど。


 不安そうな気持ちが顔に出てしまったのか。

 シュトレ王子が後ろからゆるく抱きしめてくれた。


「クレナ。あの部屋にあるのはね」

 

 ドキドキする私に。

 王子が耳元で優しくささやいた。


「代々ファルシア王家が守ってきた秘密。初代の星乙女と竜王の……真実の歴史だよ……」


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