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転生したら乙女ゲームの伯爵令嬢だったので ~ドラゴンと一緒に世界を救いたいと思います!~  作者: 柚子猫
魔法学校高等部編

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102/201

15.お嬢様と秘密の共有

 王都にあるパンケーキが有名なカフェの個室で。


 私とシュトレ王子はテーブルを挟んで向かい合わせに座っている。


「あの、シュトレ様……今なんて?」

「うん。だからさ。教えて欲しいんだ。『ずっと内緒にしてたこと』をちゃんとね」


 自分の顔が真っ赤になっていくのがわかる。


 やっぱり。

 やっぱり。


 空中庭園での出来事って。


 ――夢じゃなかったんだ!


「あのね、シュトレ様。私あのとき酔ってたみたいで……」

「うん、そうだよね。こっそりアルコール入りのワインを飲んだんでしょ?」


 こっそりっていうか。

 キナコが勝手に成分変えちゃったんだけど。


「えーと、そういうことなので。ホントにご迷惑おかけしちゃってゴメンナサイ」


 私は思い切り頭をさげる。


 ……恥ずかしすぎる。

 忘れてくれないかなぁ。

 

「いや……あの時のクレナ、可愛かったし……」


 えええええ!?


 思わず顔をあげると。

 耳まで真っ赤にして照れている王子様の顔があった。


「それにさ、クレナの秘密を話してくれて。すごく嬉しかったんだ」 


 それって。

 転生とか……乙女ゲームの話だよね。


「シュトレ様……信じるんですか……こんなにあり得ない話なのに……」


「それは信じるよ。クレナの言葉だからね」


 ……ホントに?

 ……どう考えてもおかしな話なのに?


 あらためて王子を見ると。

 まるで愛おしい人をみるような姿で私を見ている。

 

 これって……乙女ゲーム『ファルシアの星乙女』で。

 シュトレ王子ルートになったときのイベントスチルと同じ表情だ。

  

 ……相手が私だけど。


 ズルいな。

 そんな顔されたら。

 なんでも話さなきゃいけないじゃない。


「それに、クレナが別世界から来たって聞いて納得できたから」

「……なんですか?」


 私、何か別世界から来た的なことしてたっけ。


 ……。


 …………。

 

 心当たりがありすぎて……わからない。


「ほら、自動馬車とか魔星馬とかさ……」


 あー。

 ありましたね……それ。


「えーと。ほら、あれは。無邪気な子供の発想にみえなくも……」

「……ホントにそう思う?」


「みえないですよね……」


 最近では。

 便利そうだったから、前世にあった小型のオーブンも作ってもらったし。

 あれでお菓子作るのすごく楽になったんだよね。 


 ――他にも。

 

 職人さんにお願いして。

 

 自分の部屋用の小さな冷蔵庫とか。

 すぐにお湯が湧くケトルとか。

 ミキサーも作ってもらったんだけど。


 ……まだこれは。

 言わないでおこうかな……。



「それとさ」

「それと?」


 王子は、じっと私を見てる。

 まだ何かあるのかな?


「子供の頃、クレナがすごく大人に見えてさ……」

「えええええ!?」


「早く追いつきたいと……ずっと思ってたんだ」


 王子が、テーブルの上に置いていた私の両手をぎゅっと握る。

 まぁ、中身大人だったし。


 ……子供っぽくはなかったのかも。


「あはは、可愛げがない子供だったかも」

「違うよ。……すごく憧れてた」


 テーブル越しに。

 王子の綺麗な顔が近づいてくる。


 ゆっくり目を閉じると、お互いの吐息を感じて。

 唇に温かい感覚が伝わった。



「……嫌いになりましたか?」

「まさか、大好きだよ。クレナ」


 子供の頃は。

 こんなにストレートに愛情表現してこなかったのに。


 もう。

 こっちが恥ずかしいんですけど。

 嫌じゃ……ないけど。


「ねぇ、聞かせてくれる? クレナの前世の話を」

「ええ、シュトレ様」


 私は。

 これまで内緒にしていた前世の話を、王子に話し始めた。



**********


「はぁ? アンタばかなの?」

「だって、仕方なかったし!」


 通信用の映像クリスタルを通して、ジェラちゃんの顔が映し出されている。

 

 そう!

 通話しかできなかったクリスタルだったけど。

 ついに映像もリアルタイムで送信できるようになった。


 確実にスマホに近づいてますよ!

 あとはもっと小さくなって簡単に持ち運べればいいのに。


 空中にぷかぷか浮かんで光っているクリスタルは、子猫くらいの大きさ。

 これでも、一番最初に使っていた時よりは小さくなったんだけど。



「ちょっと! クレナ聞いてる?!」

「えーと、なんだっけ?」


「もう、またボーっとしてたでんしょ?」

「ゴメンー……」


「まぁまぁ。それで、兄上の反応はどうだった?」


 ガトーくんの優しそうな顔が映し出される。 

 普通にしてたら、ホントにカッコいいのにな。


「んー……なぜか普通に信じてくれたんだけど」

「そうか、兄上らしいな」


 私たちは、新しい映像クリスタルを通して。

 いつもの『転生者で世界を救う会』を行っている。

 

 参加しているのはいつものメンバー。

 ジェラちゃん、ガトーくん、私。あとキナコ。


 ちなみに、ナナミちゃんは、この時間はまだ自分の部屋にいるんだよね。

 寝る前には私のベッドに来ると思うけど。  

 


「あれよね、乙女ゲームの話もしたのよね?」

「うん。しないと伝わらないから」


「はぁ~、それでよく信じたわよね」


 ジェラちゃんがあきれた表情で両手を広げる。


「あの王子、ご主人様の言うことならなんでも信じると思うけど」

「ちょっと、キナコ! そんなわけないでしょ!」


 もう、そんなこと言われたら。

 カフェでのこと、思い出しちゃうじゃない。


 顔が赤くなっていくのを感じて、思わず頬を押さえる。


「とにかく! 次に前世の話をする場合。必ず事前に会議で相談すること! いい?!」


「まぁ、クレナちゃんも、ジェラもキナコちゃんも。何かあったら相談のるからさ。先に相談してよ」


「はぁ? 私がクレナ以外とこんな話するわけないでしょ!」


 ジェラちゃんは大きな声を上げた後。

 両手で口を押させて。


 真っ赤な顔をしてうつむいた。


 なんだか、耳まで真っ赤にみえるんだけど。


「……ジェラ? 僕とキナコちゃんもいるんだけどね?」 

「う、うるさいわね! 今日の会議は終わりよ! 解散!」


 ジェラちゃん、どうしたんだろ?

 大丈夫かな?


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