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イン・ディヴァインマスター 銀河の救世主  作者: 夢野楽人
第二次マゲイア大戦

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反撃開始

武技マテリアルアーツ――竜巻戦斧なの!」


 ヒナは巨大鉞まさかりを、目にも止まらぬ速さで動かし始める。

 小柄な体で、二メートル近い得物を苦もなく振り回し、風を巻き起こす。

 まさに荒れ狂う暴風、人の形をした災害が戦場を駆け抜ける。

 のこのこと近づいたマゲイア機は、一瞬で切り裂かれるか、たたき壊される。

 数機が同時攻撃するも、返り討ちにあう。ヒナの間合いに入れば死あるのみ。

 側近アントラージュも不用意には近づかない。ヒナの後方に回り込もうとする敵機のみ排除する。


「せい!」

 メガラニカの精鋭らも、見事な連携で次々と敵を倒していく。

 見渡せばムー王国を包囲していたマゲイア軍は、無くなりつつあった。

 掃討されるのも時間の問題。

 ヒナはひとまず戦うのを止めて、残敵は友軍に任せることにする。

 女王対決できなかった鬱憤うっぷんを晴らし、ひとまず休憩。

「あー、スッキリした」

「姫様、どうぞ」

「ありがとなの」

 後方に下がったヒナに、側近が飲み物を手渡す。

 この間に機犀による、推進剤補給が行われる。

 ヒナが乗るラモーヌの周りには、親衛隊が集まって護衛についていた。

 安心してヒナはジュースを飲む。見た目だけなら幼い子供だ。

「おいしいの!」

「ここのマゲイアはもう終わりね。次はレムリアに……」

 ラモーヌが言いかけたところで、ムーから通信が入る。


『久しぶりね、ラモーヌ』

「ええ、伊知香」

 二人は前大戦を生き抜いた戦友同士だ。たとえ体は変わっても、友情と信頼に変わりはない。

『うちの星騎士()らをよろしくね』

「責任をもって預かるわ。準備が出来次第、全軍を引き連れてレムリアに向かうわ」

『こっちも今から、無人機を敵中に送り込むわ。これで此度の戦はお仕舞いでしょう。落ち着いたら、メガラニカに遊びにいくわ』

「楽しみにしてる。じゃーね」

 ラモーヌが通信を切った時には、敵機は全滅していた。

 味方全機の補給も終えている。戦いは次の段階へと進む。


「残りの敵も、片付けてしまいましょう。ヒナ」

「うんママ。さっさと終わらせて、お兄ちゃんのとこへ行くの!」

「さあ、号令を」

「みんなー! このままレムリアまで行くの――――!」

「おお――――!」

 合流したムーとメガラニカ軍は、全速力で南下を開始する。


「司令官代理、ご指示を!」

「そ、そ、それがしは悪くない! 知らん!」

 ハサンはこのにおよんで現実逃避だ。

 せめて残った軍の指揮はすべきだったが、何もしなかったせいで更に軍勢を失うこととなる。


 光太郎は冷静に指摘する。

「僕だったら、レムリアに展開した軍を退かせて、残った部隊との合流を急がせる。それでも、撤退する以外の手はないんだけどなー……」

「反転して戻る気配すらなかったな。対処する気がないなら、もはや軍として瓦解してるんだろう。いよいよ、ムー王国の塔が動き出した。もう、これで終わりだ」

「そうだね。呆気ないものだ」

 戦は最終段階にきた。


大砲塔キャノン・タワー、発射用意!」

 星騎士達の待機所だった塔が、傾き始める。ピサの斜塔のように傾斜していく。

 塔の中は吹き抜けの空洞で、天辺には穴が空いていた。塔は大砲へと変わる。

 打ち出すのは砲弾ではなく、無人機。電磁投射砲レールガンで十機同時に、発射された。

 火の玉となって音速の八倍で空を飛び、ヒナ達を抜き去っていく。

 到着した場所は、レムリアへ向かっていたマゲイア部隊のど真ん中。

 敵の只中ただなか、ケンタウルと機犀は暴れ始める。

 大砲塔は次々と後続部隊を撃ち出し、移動中のマゲイア軍を大混乱に落とし入れる。

 ヒナが後方から追いついた時には、ほとんどの敵機が落とされていた。

 残敵を片付け、ヒラニプラへと急ぐ。

 これでムー王国にいたマゲイア軍は全滅し、残りは約五十万。


 戦況を見て、イザベルは打って出る。

 状況は圧倒的有利だ。援軍もあと少しで来るだろう。

「こちらも頃合い、そろそろ攻勢にでましょう。星騎士達も我慢の限界にきてます」

「そうですね、姉様。やられたウララのお返しとばかりに、皆いきり立ってますから。それにしても光太郎殿の作戦が、見事に当たりました。良策には舌をまきます」

「才能もありますが、知謀をめぐらすのが好きなのでしょう。物を作り、物を動かしては、楽しんでるように見えます。新戦術や新戦法も、それからの派生ですね」

「どうせだったら、私達にも目をむけて欲しいんてすけどねー」

「最近、近くに寄ると露骨に離れようとしますから、完全に逃げてますね」

「多分、怖くなったんでしょうね。言い寄る女性が増えすぎましたから……」

 迫り来る女の恐ろしさが、身に染みる今日この頃。

 アンジェラの言うとおり、光太郎は軽い女性恐怖症になっていた。


「戦が終わったら、籠絡ろうらく策を練りましょう。それで駄目なら……」

「もはや、強攻あるのみですね」

 姉妹は同時に笑い、反撃の準備をする。

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[一言] 光太郎逃げて!超逃げて! 「次回 光太郎死す」
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