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イン・ディヴァインマスター 銀河の救世主  作者: 夢野楽人
エリスと光太郎

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初めての友達

 エリスと有香は客間のソファに座り、向かい会う。

 有香ははやる心を抑えつつ、挨拶をした。

「初めまして、藤原有香と申します。光太郎さんはいらっしゃいますか?」

「エリス・P・レムリアだ。光太郎は買い物に出かけた」

 ドライヤーで髪を乾かしながら、エリスは淡々と答える。

 有香は一番気になっている質問をぶつけた。

「あの……エリスさんは、光太郎さんとはどういった御関係なんですか?」

「関係と言われてもな、昨日会ったばかりだし……私の馬? ではないな」 

(何なのこの人?)

 有香は質問を変えた。


「エリスさんは、どちらからいらしたのですか?」

「エリスでいい。アヴァロン星のレムリアから……ああ、こっちでは別な星だったな」

「え……?」

(……頭がアレな人? もう少し聞いてみましょう)

「詳しい経緯いきさつを、聞いてもいいですか?」

「かまわん」

 追われて陸奥市に来たことと、光太郎との出会いをエリスは語り始める。

 有香は見てないので、エクリプスやケンタウルの話は、流石に信じられなかった。

(けれど……嘘をついてる目じゃない。あの後、展望公園で会ったのなら辻褄は合う)

 有香は真実だと確信し、そして気づいた。

(そうか私も……)


「それでケンタウルを倒したら、文吾とかいう奴がやってきて、光太郎を叩いた」

「光太郎さんがぶたれた!」

「あの公園に居てはいけなかったようだな、それでも叩くことはないだろう。あの時はむっとした」

「私のせいです! 私を気遣ってくれたから……ううっ」

 有香は口に手を当てて、涙ぐむ。

 ある意味、自分のせいで光太郎は災難に巻き込まれた。

 もしかすると戦闘で死んでいたかもしれない、と思うと申し訳なくてたまらない。

 有香の様子が変わり、エリスは気にする。

「……私は何か、まずい事を言ったのか?」

「……いいえ……むしろ話をしてくれて……感謝してます」

 嗚咽まじりに有香は答え、涙を抑えた。


「あれ? この靴、誰のだろう?」

 帰ってきた光太郎は、玄関に揃えられた靴を見ていた。

(エリスのかな?)

 喜久子が用意したのだと思いつつ、両手一杯の食料を台所へと運ぶ。

 冷蔵庫に手早く放り込んでいると、客間から声が聞こえてくる。

「誰かいるのかな?」

 気になったので客間に行き、ドアを開けると二人が振り向いた。

「あ、有香さん!」

 有香はすっと立ち上がり、開口一番。

「光太郎さんごめんなさい。うう――!」

「あわわわわ! 泣かないで」

 家にいたのも驚いたが、泣き出されては右往左往するしかなかった。

 光太郎は有香をなだめて、急ぎ紅茶を淹れて出す。


「落ち着いた?」

「はい。お見苦しいところを、お見せしてすみません」

「ところでエリス、これは一体どういう事なんだ?」

「有香が訪ねてきたので、中に入れた。女だから問題ないだろ?」

「まあ……うん」

 言葉足らずで留守番をさせたので、文句は言えない。

「光太郎が帰ってきたことだし、私は席を外そう」

「いえ、エリスにもこれを見てほしいです」

 有香は持ってきた鞄から、手帳を取り出す。


「それは文吾さんの手帳!」

「まだ読んではいません」

 有香は手帳が自分の手元にある理由を説明した。

 聞いた光太郎は、納得して悔やむ。 

「そうか、あいつがやったのか……東の忠告を生かせなかった。失敗だ」

「樹里さんの話では、店の盗聴をしてたようです」

「えげつないけど、ストーカーを甘く見ていた僕の責任です。有香さんは何も気に病む必要はありません。手帳にしても御自宅へ持参するか、取りに来てもらう方法もありました」

「私に早く手渡そうと思っての結果ですから、私にも責任があります」

「気にしないでください、今回のことは教訓になりました。それより読んで見ては?」

「はい」

 

 有香は手帳を一気に速読すると、エリスに手渡す。

「私が読んでいいのか?」

「ええ、感想を聞きたいの」

「わかった」

 エリスも同じように速読する。

「おいおい! エリスも速読できるのかよ?」

「早読みのことか? あまり得意ではないがな」

「どう?」

「過去の大戦が書かれた日記だな、アヴァロン星の地名も書いてある。このDAは年号だ」

「文吾さんは、アヴァロンから陸奥市に逃げてきたのよね、私も一緒に……」

「有香もアヴァロンの人間だったのか!」

「記憶がないから、来たのは赤ん坊の頃ね」

「そうか」

「……有香さん」

 光太郎は、何と言って良いか分からなかった。


「読む前にエリスと話をして、出生の秘密には気づきました。私自身が変わるわけでは無いですが、他の方には言えませんね」

「確かに……」

(『別の星から来た宇宙人でーす』とは言えないわなー、正気を疑われる)

「でも、秘密を抱えて一人で生きるのは正直辛いです」

「はい」

「ですので光太郎さん、エリス、私と友達になってください」

「僕でいいんですか?」

「はい、お願いします」

「よろこんで! エリスはどうだ?」

「いいぞ、私の初めての友だ」

(お嬢様とお姫様か、似たもの同士なのかもしれないな)


「しかし、こっちにも悪い奴はいるのだな?」

「うん」

「ところで、話に出てたエロ本とはなんだ? 見せてくれ」

「…………」

「…………」

 有香は顔を赤らめ、光太郎も返答に困った。

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