第一話 神話の始まり
新作です!
俺の名前は【七条 優斗】。
俺には厨二病の妹がいる。
しかも重度の厨二病。
「私の前に立ちはだかるものは消し炭にしてやる!」
ほら、また始まった。
7月の初旬、もうすぐ夏休みに入ろうとする頃だった。
俺は【七条 夏】(妹)の意味のわからない遊びに付き合っている途中。
もう中3だぞ、、、?
いい加減、こういう遊びをやめてもらわないと困る時期だ。
「私の能力でお前を最強にしてやる!」
指を指し、そういうと、謎の呪文らしきものを唱え始めた。
この呪文は10分ぐらいのクソ長呪文かつ、唱えている本人は目をつむっているので、この隙にスマホをいじる。
ネット小説のサイトを開き、新着欄を見る。
すると、数分前に最新話が投稿された作品があり、その作品を開いた。
3日前に連載開始されていて、比較的話数が少ない方だったので俺はこの十分で5話を一気読みした。
そんな、ネット小説が大好きな俺の好きなジャンルは勿論、異世界転生もの。
主人公が異世界転生して、異世界を無双していくストーリーに最近はハマっている。
「私の呪文中にスマホをいじるとはなんと無礼な!!!!!」
夏はそう言って、俺のスマホを取り上げ、頭にげんこつを一発。
強烈なげんこつに頭を抱えていると、再びクソ長呪文が始まり、今回は流石に真面目に聞いた。
すると、夏は大喜び。
ニッコニコで俺に最強の魔法【タイムストップ】とやらを授けてくれた。
効果は時間を自由に止めることが出来るらしい。
発動方法は危険になった時に自動的に発動すると言っていた。
発動条件があやふやな上、危険になった時って言っている以上、時間を自由に止めるという説明は矛盾していた。
そんなことを本人に言ったら、顔を真っ赤にして再びげんこつをくらいそうなので、言うのをやめておいた。
「自発的にストップすることって出来るのか?」
と俺は興味本位で聞いてみると
「お主はまだ鍛錬が足らん!レベル30でできるようになる」
どこのバトル漫画だよ。
夏の台詞にツッコミを入れたくなった。
ドンッ!!!!!!!!!!!
突然地下から、大きな音が聞こえた。
直後に地面が大きく揺れ始め、近くにある棚が倒れた。
その下には夏がいた。
目の前はスローモションのように見えた。
俺はすぐさま夏のところに飛び込んだ。しかし、それはもう遅く、俺と夏は棚の下敷きになってしまった。
あぁ、、、こんな時に魔法が使えたらな、、、、。
じわじわと感じる痛みに、耐えながら俺はそう思った。
頭がくらくらして、考えがつかない。
目の前が真っ暗になり、体に重たい何かが乗っかっている。
あぁ、、、もう、、、だめだ、、、。
★☆★☆★☆★☆★☆★
目を開けると、俺は浅い水溜りのような場所で寝ていた。
あたりは真っ暗で、水溜りの上を歩くと、波紋と同時に小さく水色に光った。
しばらく、俺は『死んだ』という受け止め難い現実をゆっくりと整理していき、かなりの時間を要したが、現実を受け止めるのと同時に、ここはどこかということもわかった。
ここは死後の世界。
ここから仏の背中に乗って、色々な分岐点を通り抜け、死後の世界を選ぶ場所。そして、ここは進んでいく道への待合室的なもの。
父が昔よく言っていた。
「行くぞ」
予想は的中。仏のような爺さんが来て、背中に乗れと言ってきた。
言われたままに、背中に乗った。
すると
「ちょっと待ったぁぁぁぁぁ!!!!!」
遠くから高速で青い光が飛んでくる。
「うわぁぁぁぁ!!!!」
爺さんはその青い光のような何かに、攻撃され、吹き飛んでいった。
「行くぞ!異世界へ!!!」
突然前に現れたのは、俺の妹の夏だった。
水色のキトンのような服を着ていた。見た目は完全に幼女だった。
「夏じゃねーかよ!」
俺は女神らしき人にそういうと、急に顔を赤くした。
「異世界ではデイユーと呼べ!」
「いや、夏だろ」
「デイユー!」
「いや、夏」
「デイユー!!!!」
そんな会話を繰り返し、俺はデイユーの差し出してきた手をとった。
天井にポッカリと一つの穴が空いていた。
そこに向かって、一直線に飛んでいく。
目の前が真っ白になった。
★☆★☆★☆★☆★☆★
目を開けると、そこは草花が生い茂る草原だった。
風が優しく吹き、日本との空気の違いに驚く。
そこは、地球温暖化とは程遠い場所で、何せ湿度が程よかった。
【レベルが30へ到達しました】
俺の目の前に文字が浮かび上がった。
すると、目線の左下にゲームのログのようなものが表示された。
右下には『デイユー』の名とレベルが表示されてあった。
「Lv999!?」
右下に表示されていたのはLv999の文字だった。
それに対して、俺はLv30。まだまだだ。
「私にしてはこれは少なすぎるぐらいだね」
「あれ、口調」
地球にいた時から、かなり口調が変わっていた。
しかし、こっちの世界でも厨二病は健在のよう。
「とりあえず、ここら辺のモンスターを一掃して、レベル上げよっか。」
デイユーがそんな提案をしてきた。
それに俺は意味もわからず「おう」と返事をしてしまった。
腰につけてあった、初期装備(果物ナイフ)を片手に、スライムなどを狩っていった。
一体を命懸けで戦っている俺の傍ら、デイユーは空を飛びながらラスボス戦でしか使わなさそうな魔法を使っていた。
ちなみに、この世界では魔法を使うと、MPというものが減っていくらしく、MPが底をつくと動けなくなるらしい。
MPはレベルによって量が違う。
「意味わからねぇ、、、」
モンスターを倒しすぎて、ログが表示されきっていなかった。
初期レベルがチートすぎるだろ、、、。
俺は心の底から、地球で厨二病になっておけばよかったと思った。
デイユーLv999
ユウトLv30
よくぞ、ここまで読んでくださいました!!
ここまで辿り着くのに、どれだけの人がブラウザバックしたか、、、。
ここで、一つお願いがあります!!!
《評価ポイント》《ブックマーク》の2つを押してくださると、執筆の励みになります!
二話もお楽しみに!




