迷惑プレイヤー達に会う犬達
冒険者ギルドに戻りクエストを確認する。森のイベントは一回限りだと信じてタックルボアというさっき倒した猪を二十匹狩るクエストを受ける。
MPは大丈夫としてポチは…
「ワフッ!ワンワン!」
やる気満々のようだ。周りのプレイヤーに温かい目で見られながら出て森へと向かう。森に移動するだけで大体十分程掛かるので少し疲れる。
何とかしないといけないなと思いながら森に再度入った。
「ブゥー!」
「ブルルル!」
「ブォー!」
「《ファイアーボール》《ファイアーボール》《ファイアーボール》…何で毎回囲まれるの…?」
「ワン?」
三匹に囲まれたけど即丸焼きにした。屋台でこの肉の料理売ってる所ないかな。あ、また来た。知力三十は伊達じゃない。水属性でも二発で倒せた。
たまにポチを撫で、よく敵に囲まれながら二十匹狩り終えた。そして手に入ったスキルがこれ。
【対包囲戦法】
効果:敵に包囲された時攻撃力と防御力1.1倍
説明:包囲されたら落ち着こう。
嬉しいけど包囲されるのは…。微妙な気持ちになりながら冒険者ギルドに戻った。素材を売った料金とクエスト報酬でそこそこ貯まり更に稼ぐためクエストを受けようとすると男性のプレイヤーに声をかけられた。
「すみません、ちょっとよろしいですか?」
「何?」
「少し話があるので着いてきてもらっていいですか?」
私は胡散臭いと思い断ることにした。
「お断りします」
あ、この依頼報酬良さそう。
「チッ…お願いしますよ!」
「鬱陶しい…」
「あ、待てこのアマ!」
GMに通報して直ぐに返信が来た。今回は警告と一部アイテム没収だけど次はログイン禁止にすると書かれていた。これで懲りたと願いつつゴブリン狩りへと向かう。
三十分後。
ようやく狩り終え街に帰ろうとすると足音が聞こえた。
「おいそこのアマ!折角俺からの勧誘を蹴りやがって、βテスターだぞ!」
「それで?早く帰りたいんだけど」
「アイテムと金寄越せ!そうすれば許してやる!」
あー…面倒くさいタイプだ。通報するにしても今にも襲ってきそうだし…。
「はぁ…面倒くさ」
「あぁ?!もういい死んでアイテム落とせ!」
あ、つい本音が。でもこれで正当防衛になる。
「《スタンスラッシュ》!」
「《ファイアーボール》《ファイアーボール》《ファイアーボール》《ファイアーボール》《ファイアーボール》」
「がはっ?!チーターか?死ねっ!」
「《ファイアーボール》《ストーンバレッツ》《ストーンバレッツ》《ストーンバレッツ》」
MPが少なくなってきたから土魔法にしたけど効いてるようだ。敵は近づくのにすら苦労している。最後は悲鳴すら出さずに倒れた。お金はありがたく頂く。
街に帰り冒険者ギルドに行こうとするととリスポーンポイントである教会から倒したプレイヤーが走ってきた。早く通報しないと…。
「このチーターが!通報してやる!」
周りにプレイヤーが集まってる。早く抜け出そうかと思っていると突然スーツ姿の女性が現れた。
「呼ばれて来ましたGMでーす!通報があったので来ました♪狛犬って案外モフモフだったんだ」
「GM!コイツがチーターだ!早く」
「はいはーい、じゃぁちょっと調べるねー」
「これでお前は終わりだ!」
「結果は…外部ツール等の使用なし!無罪でーす!」
「はぁ?明らかにチーターだろ!」
「面倒だなー…後君の方が通報件数多いからね?ナンパに恫喝にパワハラに脅しに…何この悪事のオンパレード。最初はログイン停止にしようかと思ったけど痛覚フルにして追加予定のボスとかのテストプレイヤーにしよ!あ、いつでもログアウトしていいからね!」
「何でだ」
何か文句を云おうとした瞬間に消えた。
「そこの狛犬君通報ありがとね!モフモフしていい?」
「ダメ」
「残念…じゃこれからも楽しんで!」
それだけ言って消えた。何か疲れたけどここの運営ってあんな人ばっかりなのかな。
読んで頂きありがとうございます!
ランキング4位いきました!ありがとうございます!
目指せ週間!←おい
追記:日間1位いけるかも?!




