気晴らし③
結局あの後は寝て次の日からの仕事に備えた。九時に出勤し、今日はなんとか定時に帰ることが出来た。久しぶりの仕事だからか体が少し怠いけど……。
ご飯をさっさと済ませた後、VRFPSPの方にログインする。マッチはせずに射撃訓練場に移動した。特訓モードとという的がドンドン出てくるモードを選んだ。
数分後、終わったけどスコアは千点中、八百六十点と
残念な結果に終わった。いつもだったら千点は簡単に取れてたけど……もう一回やることした。
(AIMが定まらない……)
結果は七百九十四点とさっきよりも落ちた。照準がずれたり適当に打ってしまったからだ。またチャレンジしようとすると後ろから聞いたことのある声が聞こえる。
「よぉノラ、射訓にこもって何してんだ? 」
「ロンドさんこんばんは、ちょっとした気分転換です」
「照準が全く定まってなかったが大丈夫か? 」
「……」
「ま、概ねまた人間関係で何かあったんだろ? 今度は現実じゃなさそうだけどな」
流石にロンドさんには分かるみたいだ。嘘を言ってもダメだから全部言うことにした。ロンドさんは私の中で唯一色々相談出来る人だ。
「なるほどなー、俺もノラと同じゲーム持ってるから助けてやることは一応出来るが……さらに面倒なことになるのは間違いないだろうな」
「そうですか……自分でも頑張ってみます……」
「無理する前にまた相談してくれよ? 最終手段はなんとかして助けるから」
「ありがとうございます」
「それと肩の力抜いたらどうだ? そんなに入れたら狙いもつけられないだろ」
「分かりました」
言われた通りに肩の力を抜いてチャレンジしてみると九百点をギリギリ越えることに成功した。それを見て満足したロンドさんはマッチへ行った。
他の訓練モードを何回かして時間が深夜になったのを確認し、FFOへとログインする。今日は平日だし人は少ないはず、と思っていたら想像以上に居て少し落ち込んだ。
急いで冒険者ギルドからビックビーの討伐依頼を受けて街から飛び出した。夜のアスノ花園は幻想的な雰囲気を出している。
不快な羽音を出す、敵を五匹討伐すると濃密な蜂蜜というアイテムがドロップした。レアアイテムで料理に使えるそうだけどオークションに売った。
三十分後、目標であった十五匹を狩って報告しに行く。でも最後の方はやけに集団で囲ってきたり突進してきた。
夜だからかなと考えながらも何か違和感がある。結局分からないまま報酬を貰い、今日はログアウトした。
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