振り向いたら犬が居た
あの後少しお昼寝を再開し、今度は誰にも邪魔されなかった。起きて掲示板を見てみると私と同じ事態になったプレイヤーがカルマ値に関して言っていた。
どうやら先に攻撃した方が悪いので大丈夫だったらしい。それを見て安心して私は街に戻りクエストの報告を済ませてからステータスを見た。
種族:狛犬lv3職業:初級魔法使いlv2
筋力:5
生命:10
敏捷:5
器用:5
知力:26
精神:13
スキル:【火属性魔法lv1】【水属性魔法lv1】【土属性魔法lv1】【障壁魔法lv1】【人語】【神語】【状態異常耐性lv1】
SP:0
称号:【無慈悲】
【無慈悲】
取得条件:命乞いをするプレイヤーを倒す
効果:プレイヤーと戦闘時攻撃力1.1倍
説明:慈悲はない、死ね。
説明はあれだけど攻撃力アップは嬉しい。SPは全て知力に振った。次のクエストに行く前に回復アイテムを買いに行こう。場所は受付嬢から聞いてあるから大丈夫。
「そこのわんちゃんこれ食べるか?」
しかし道中で屋台を開いているNPCとかに余り物をよく貰うようになった。焼き鳥美味しい。喋らなければただの大型犬に見られるようだ。
調合屋と看板に書かれた建物にたどり着いた。
「おや、珍しい客が来たねぇ」
「お婆さん分かるの?」
「何十年ここでやってると思ってんだい? 鑑定は持っといて損は無いよ」
「ふーん……それで売って貰える?」
「値引きには応じないからね」
丸薬の回復アイテムを買うとお婆さんがこう言った。
「所でさっきから居るそこの子犬は何だい?」
「ん……?」
振り向くと茶色の子犬が尻尾を振ってお座りしていた。
「ワン!」
「犬の言葉分かるのかい?」
「分かんないけど……」
前足で頭を撫でるといきなりメッセージが出た。
『キュアドッグを仲間にしますか?』
「キューン……」
「分かったよ」
YESを押すと私の体に乗ってきた。それと障壁魔法を使うと私に乗っている限り、キュアドッグにも効果があるらしい。名前は……ポチにしよう。
「さようなら」
「そこの子犬はちゃんと冒険者ギルドに登録するんだよ!」
「はーい」
冒険者ギルドに戻り登録をした。従魔石というアイテムを貰い説明を受ける。バックと言うと従魔石に戻りリターンというと出るみたいだ。
もし死んでも一日待てば復活すると言われて安心した。ゴブリンを十匹狩るクエストを受け、草原に出る。どうやら私がモンスターでないことが広まってきたみたいだ。
不思議な目で見られながら草原を歩きゴブリンを見つける。スライムはこっちが攻撃しない限り襲いかかってこないけどゴブリンは錆びたナイフで襲いかかってきた。
「グギャ!」
「《ストーンバレット》」
「グギ……?!」
一発で沈み戦闘は終わった。そろそろ向こう側の森行ってこようかな。
わん!
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