森のゴブリン軍団vsプレイヤー&犬達その4
あれから時間が過ぎてお昼を食べて約束の時間になった。レイドボスの討伐が終わったらまたあの丘で昼寝しよう、そう思っているとジェノさんとダイキさんと脳筋さんが来た。
「悪りぃ、待ったか?転職してたら時間ギリギリになったよ」
「大丈夫ですよ、ボク達も転職しましたし」
「そこの脳筋が守護士、ダイキが双剣士で俺が中級剣士だな。パーティー分けは野良犬さんとポチと朧月と脳筋で組んで先行して後からダイキさんとヘクセにするが良いか?」
「無い」
「ボクも無いです」
「自分も無い」
「了解です」
「任せろ!」
「ワンッ!」
「良し、覚悟は良いな?…突撃ぃぃい!!」
脳筋さん、ジェノさん、私の順番で領主邸に入る。扉を破壊すると中から大量のゴブリンが視線を向けて来た。
「《挑発》《ガードアップ》!」
脳筋さんはゴブリンの笛を吹いた後にスキルを発動させる。ほぼ全ての視線が脳筋さんの方に集まり、襲いかかった。
「どれだけ捌き切れそうだ!!」
「この調子だと半分が限界だ!」
「半分だけ減らす!お前らも入ってこい!」
ヘクセさんとダイキさんが突入してゴブリンに攻撃する。私もストーンバレッツやファイアーボールを撃って援護する。
「残りはボク達が何とかします!二人はレイドボスの場所を見つけてください!」
「分かった!野良犬さんこれ飲んで!」
渡された物を見ると敏捷値が上がるアイテムだった。一気に飲み干すと十五分間敏捷値がプラス十される。これである程度は動けるようになった。
早く動ける体に違和感を覚えつつも探索をする。脳筋さん達が引きつけているとはいえまだまだゴブリンは居るから魔法で倒しつつ奥へと進む。
屋敷の一階にある倉庫に入ると恐らく中庭に行けるところが瓦礫で行けなくなっている。風が通る音と微かに光が漏れてるから少なくとも外には繋がっている。
魔法で壊そうと思ったけど流石に無理そうだったからやめておいた。ジェノさんをチャットで呼び出して二階を探索することにした。
脳筋さん達の方を見るとゴブリンはかなり数を減らしていた。そして階段を上がりきると奥からガシャンガシャンと何かが近づいて来る音が聞こえる。
「来るぞ」
「ニン…ゲン…シネェェエ!」
「《ストーンバレット》」
鉄鎧を装備した喋るゴブリンが姿を見せた。手には鉄剣を持っている。試しにストーンバレットを撃ったけど鉄鎧が多少凹む程度だった。
「ここは俺の出番だな、《縮地》《ハイスラッシュ》」
「?!」
ジェノさんが一瞬で敵に接近し、スキルで攻撃を弾く。攻撃を弾かれた敵は仰け反り足を切断される。そして首を斬られ倒れた。
「レイドボスもこれ以上の武装はしているだろうな、てかこの鉄剣普通に性能良いぞ。貰って良いか?」
「どうぞ」
ジェノさんはゴブリンが落とした鉄剣を装備し、先に進んだ。
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