用心棒vs犬達
ドガンッ!と、真横で戦鎚が振り下ろされ、地面が凹んだ。動きは遅いから避けられるけど喰らったらただでは済まなそうだ。
敵の攻撃は分かりやすいけどそれよりも硬すぎる。戦闘を開始して十分経つけどまだピンピンしている。戦闘が長引いて不利になるのは私の方だから不味い。
おまけに魔法が直撃しても怯まない。ダメージを少しでも増やすために頭や急所を狙ってストーンバレッツを撃つ。
「《破岩撃》!流石に急所は当てさせねぇぜ?」
何かのスキルを発動され防がれてしまう。でもスキルを発動させないと防げないことは分かった。他の魔法も試してみたけどアクアアローはスキルなしで防がれてしまった。
火属性魔法は完全には防げずにダメージを負っていた。敵は前衛系だからMPは少ない…はず。これで多かったら負ける。
魔法を急所に放ちながら戦闘開始から二十分経過した。私の集中力がなくなっていき、回避が危なくなってきた。攻撃が掠って毛を散らしながらもファイアーボムを当てる。
敵もMPが少なくなってきたのか汗を垂らしている。余裕がなくなってきたのかスキルを使って襲ってきた。
「《破衝撃》!」
「ぐ…」
敵は地面を戦鎚で殴り、衝撃波を出した。回避出来ずに吹き飛ばされ転倒してしまった。障壁にもかなりのダメージが入る。
立ち上がるよりも早く更に衝撃波が来る。障壁が割れて檻に打ち付けられダメージを喰らう。ポチの素早い回復で何とかなったけど不味い。
障壁を張り直したら、もうMPが魔法を数発発動する程しかないのだ。周りには魔物が入った布がかかった檻…やるしかない。
足元にある布をどかす。その瞬間布をどかした檻から唸り声が聞こえる。鍵をアクアアローで壊して解放する。
「ガゥガァア!!!」
黒い狼みたいな魔物が飛び出して敵を襲う。強さは若干敵の方が強そう。もう一体解放して襲わせる。増えたことで完全に余裕がなくなっている。
私のことは見てなさそうだから両方が弱る時を待つ。そこからまた十分経ち、通常攻撃しかしなくなった傷だらけの敵とボロボロになっている狼が睨み合っている。
狼が襲い始めたと同時に残りのMPをすべて使いファイアーボムを撃った。直撃し敵と狼の悲鳴が響き、倒れた。
私は急いでその場を離れて冒険者ギルドに向かう。無事、たどり着き、用心棒を倒したらドロップした魔物商の手形と言うアイテムとテントから盗んできた紙を渡す。
「そうか…調査感謝する、後はこちらで対処しよう」
依頼主は領主だったようで、聞いていた通りお金を数万程報酬にもらった。今日はもう疲れたからログアウトし、寝た。
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