スキルと犬達
「《ストーンバレッツ》」
「ヂュゥッ……?!」
「鬱陶しい」
ビックラットの相手をしている、とプレェィグスライムがドンドン襲ってくる。障壁もそろそろ限界だ。クールタイムは終わってるけど、MPが心許なくなってきた。
数は減ってきてるけど、退く気配がない。ファイアーボムでプレェィグスライムを何体か倒し、反撃を障壁で受け止める。
パリィーン!
遂に障壁が割れた。私は即座に貼り直し、ビックラットの突進を防ぐ。ファイアーボールでHPを削り切り、ビックラットの姿はなくなった。
プレェィグスライムはまだそこそこ居る。もうMPがないから毒薬を使うしかない。効かなかったら障壁で強行突破しよう。
私とポチは毒薬が入った瓶を口に咥え、触手に襲われながらも近づき何とかして放り投げた。毒薬は命中し、直撃したプレェィグスライムは一瞬で倒れその周りも毒状態になって苦しんでいる。
「《ストーンバレッツ》」
まだHPがあるものから狙い、数を減らしていく。数分後にはほとんど居なくなった。
「ふー…戻ろ……」
ビックラットはもう狩れたから戻ることにした。ステータスはこんな感じ。
種族:狛犬lv8 職業:初級魔法使いlv6
筋力:5
生命:10
敏捷:5
器用:5
知力:34
精神:12
スキル:【火属性魔法lv2】【土属性魔法lv2】【水属性魔法lv2】【障壁魔法lv1】【神語】【人語】【対包囲戦法】【状態異常耐性lv2】
SP:8
称号:【無慈悲】【神との邂逅】
そろそろ何か新しくスキル取ろうかな。五ポイントで取れる物は多くはないけど【自動MP回復】というスキルがあった。
【自動MP回復lv1】
効果:四十秒に1ポイント回復。稀に2ポイント回復。
説明:魔法使い系の必須スキル。ドンドン上げていこう。
このスキルを取りステータス画面を閉じる。冒険者ギルドに着くと受付嬢が慌てた様子で喋ってきた。
「少しお時間よろしいですか? 奥の部屋に来てください」
「……はい」
ついていくと、細くて少し豪華な服を着た男性が居た。貴族か何かだろうか。
「そちらが例の……。私はこの街の領主をしております、ブリング=バールンドと申します、以後お見知り置きを」
「領主様が何の用ですか?」
「警戒しないでください。緊急の依頼をお願いしたくて来ました」
領主が机に紙を置いた。そこに描かれていたのは、私が前に逃げたガタイの良くて大きいゴブリンだった。
「ここ最近ゴブリンロードが街道を塞ぎ、しかも近隣のゴブリンを集めているのです。それをあなた方と協力して殲滅したい」
『ワールドクエスト《ゴブリン軍団殲滅作戦》が開始されました』
領主がそう言った瞬間ワールドアナウンスが流れた。また何か面倒なことが起きそう……。
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