chapter2_11 ■アトランティック・ラプソディー(2)
・フェイズ3 オーバー・キル
さて、久しぶりの派手な鉄と血の饗宴の始まりです。
お互いのオーダーは、日本側が第一艦隊と第一航空艦隊の全力で戦艦13、空母13、艦載機約730(スペアが他に100ほど)で、英側が戦艦・巡洋戦艦10、空母4、艦載機約180(スペアはほとんどなし)です。
これ以外にドイツ潜水艦隊が数隻、多ければ10隻程度が付近海面にあり、偵察任務に就いていたり英艦隊攻撃の機会を狙っています。
なお、お互いの空母艦載機の比率、戦・爆・攻の比率は同程度とします。
英艦隊の空母全てがオール・ファイターズ・キャリアーなどと言う「奇想」な発想をもって運用される事はありません。
そんな偏った編成は、空母と言う柔軟性に富んだ兵器の長所を抹殺するに過ぎないからです。
戦闘の号砲をあげるのは、日本側索敵機のおそらく二式艦偵または彩雲かもしれません。
彼らが、日本第一航空艦隊に敵発見の報告を送るのが第一報となります。
これに、会敵近しと準備万端整えていた一航艦は、敵艦隊に対する全力出撃を命令。
時間は、日本側がベストコンディションを狙って戦術運動を繰り返しているので、午前の比較的早くとなります。
そして当然のごとく、アウトレンジ攻撃となります。
これは日本機にとってはごく通常の攻撃距離であっても、英国のシーファイアでは逆立ちしても往復できる距離ではないからです。
そして一航艦から、膨大な数の攻撃隊が放たれます。
正規空母9隻、軽空母4隻から放たれる攻撃隊の総数は約500機。
発艦の関係上どうしても二波に分かれて放たれるので、第一波が300機、第二波が200機です。
このうち、350機が攻撃機となります。
ほかに偵察に30機、艦隊の護衛として150機程度が防空、50機程度が対潜活動、索敵を行っています。
一方これを迎え撃つ英機動部隊は、総数で180機あり半数がシーファイアになります。
他はいまだに機種改変が追いつかないので、ソードフィッシュやアルバコア、フルマーになります。
戦局が追いつめられているのでバラクーダは、無理矢理登場していてもごくごく少数でしょう。
そして、英機動部隊としては、こちらが見つかり相手が見つかってない以上、まずは防空に専念するしかありません。
英艦隊は前年インド洋でヒドイ目にあっているので、こちらの方はおさおさ怠り有りません。
恐らくこの世界でもっとも完成された防空システムを持っています。
しかし、防空にあげれるシーファイア、フルマーは、攻撃隊の事を考えずにどれだけ無理をしても120機。
常識的には三分の一程度は攻撃隊用に待機させるので、80機が防空隊となります。
ですが、航続距離の短さを考えれば、常時全てを上げておくのは自殺行為ですので、半数が上空にあがり半数が格納庫か甲板で待機となります。
ただ、ここで英機動部隊の欠点がもう一つあります。
それは、ご自慢のシーファイアです。
もともと空軍用の迎撃機として作られたものを無理矢理艦載機にしているものですから、日米のような専用機に比べると、着艦時の事故率が異常に高いのです。
史実でシーファイアの写っている写真は、事故の時のものの方が多いとすら言われます。
このためここでも5%の機体が戦闘前の防空シフトの中ロストするとしておきます。
さらに、ここでお約束だとUボートが厳重な警戒を潜り抜けて、英空母に一発お見舞いするところですが、ここでは取りあえずソレはなしとしておきます。
高速で動き回る、厳重な警戒下に置かれた艦隊を攻撃するのは、Uボートにとっても自殺行為です。
そして、英艦隊が日本艦載機が来るのが遅いのをいぶかしがっていると、RDFに膨大な数のプリップが映ります。
しかも先頭を進む部隊は、英海軍の常識から見ると異常に早い進撃速度を示しています。
迎撃が十八番のシーファイアと言えど、早く上げなければ迎撃が間に合わない可能性すらあります。
そして、何とか全機(約80機)を上げ、日本攻撃隊を待ちかまえますが、押し寄せる攻撃隊の数は300機、内120機程度が戦闘機です。
すでにこれだけで防空隊を上回る数で、日本側も新型機を導入しているので、シーファイアがどれだけ頑張っても戦闘機戦だけで何とか五分程度、とても攻撃隊にまで手は回りません。
つまり、180機にも上る攻撃機が英艦隊上空にそのまま侵入して来ることになります。
日本側の第一目標は、もちろん敵空母。
防空隊を突破できるのは、制空隊が頑張っているので、攻撃機のおおよそ9割、150~160機が投弾できる事になります。
全く無傷の空母機動部隊に対しての攻撃で、しかも英国の優秀な防空体制で出迎えられるので、日本側が多数の新型を用意していてもこれは相殺される事になります。
ただし、日本機にレーダーの連動できない近距離に入られると、「彗星」、「天山」の圧倒的なスピードの前に対空機関砲が対応できずに、彼らの投弾を許す事になるでしょう。
ごく常識的な命中率はおおよそ1割程度、爆弾と魚雷が8発ずつ敵母艦に命中する事になります。
そして、基本的に防空力が弱く、速力が遅い艦または、最初に命中弾を受けた艦が集中攻撃されるのが常ですので、フューリアスとヴィクトリアス級から1隻が主にスケープゴートになります。
しかも今回日本機は爆弾も500kgになっているので、うまくいけば、ヴィクトリアス級の装甲も貫通する可能性もあります。
どちらにせよ、仲良く魚雷4本ずつを喰らえば両艦とも大破は確実。
さらに他の艦も、集中攻撃のおこぼれをもらって、空母1隻、護衛艦艇1~2隻が損傷します。
そして、30分程度したら第二波が押し寄せます。
既に防空のシーファイアは、数の劣勢もさることながら航続距離の問題から迎撃が難しい状況です。
日本攻撃隊は難なくこれを突破してくる事になります。
次の日本側は、戦闘機70、攻撃機130機程度です。
そして、今度のターゲットのいくつかはすでに損傷しており、第一波の攻撃により艦隊そのものの陣形も乱れており、有機的な迎撃に齟齬が生じています。
ですので、第二波の攻撃隊の命中率は、2割程度まで上昇。
おおよそ26発の命中弾が生まれます。
つまり、魚雷と徹甲爆弾が13発ずつです。
これにより、先ほど大破した空母二隻が確実に鬼籍に入り、残りの空母も大破し護衛艦艇にもさらなる損害が発生します。
つまり、英機動部隊は日本機動部隊が放った攻撃により、期せずしてアウトレンジされてしまい、結局今回も為すすべもなく壊滅する事になります。
もちろんこれは若干の機材の差もありますが、基本的には物量の差と用兵思想の差が生み出したもので、日英のどちらが優れているというのを示すものではありません。
ハッキリ言って、日本海軍のする事がそれまでの常識からすれば無茶苦茶なだけです。
制空権を完全に失った時点で英艦隊の退却が始まりますが、日本機の攻撃は第一波をしただけ、まだ午後を回ったばかりです。
そして、距離をさらに詰めつつある日本機動部隊は、小物には用はないので、次なる獲物の英主力艦隊に対して次なる攻撃隊を放つ事になります。
放たれる攻撃隊の数は、午前の英側の激しい防戦で2~3割程度の消耗(撃墜を意味する訳ではありません)をするので、二波で350機程度、スペアなどを組み上げても400機が精一杯です。
内攻撃機は250機。
これらがすでに敵戦闘機隊のいない英艦隊上空に悠々侵入し、獲物を物色します。
英主力艦隊もこの攻撃に対して激しい対空砲火を浴びせますが、空母部隊と同様、懐に入られると機関砲による対応が難しく、日本機に多くの投弾を許すことになってしまいます。
命中する魚雷と爆弾は、先ほどと同様としてトータル15%の命中率として、18発ずつが大物と鈍重な船、そして新鋭戦艦から3~4隻に攻撃が集中するので、「聖者」級、「KJ5」級からそれぞれ1隻ずつ、「QE」級から2隻が仲良く中破から大破します。
このうち「QE」級のうちどちらかは、ダメージ的に撃沈している可能性が高いでしょう。
そして、英艦隊にはさらなる刺客が待ちかまえています。
それは、水面下で日本機の攻撃を見物していた灰色狼たちです。
通常なら厳重に警備された大艦隊への攻撃は自殺行為に他なりませんが、航空機の迎撃のために艦隊の陣形はバラバラ、沈んだ船の乗員救助のためにノロノロ動いていたり、損傷艦は僅かな護衛を連れて後退を始めるなど、ボートから見れば涎のでそうな獲物ばかりです。
確かに、それまで高速で動いていた艦隊に対する攻撃となるので、攻撃位置につけるボートの数は限られますが、追跡していたボートのうち数隻が攻撃に成功、さらなる追い打ちをかける事ができるでしょう。
確率論的にみれば、損傷している戦艦と空母から1隻ずつがさらに鬼籍に入り、護衛艦艇にもさらなる損害が発生して、そして戦艦がさらに1隻傷物になります。
かくして、ようやく一日目が終了です。
この時点でのオーダーは、日本側が航空戦力の3割消耗(スペアの組立で回復)、英国側は、戦艦2隻撃沈、3隻損傷、空母3隻撃沈、1隻損傷、護衛艦艇の1割の消耗です。
英国側としては、もはや決戦もありません。
全力出撃したはずが、今回も結局逃げの一手です。
この結果は、先ほども言った通り、海上航空戦力での物量の差と集中性が生み出した結果に過ぎません。
もし、英艦隊が航空奇襲攻撃に成功しても、日本艦隊の損害が増加しただけで、英艦隊の損害はそれ程変化ないでしょう。
ではここで、一応英国側の間合いで機動部隊戦が始まった仮定も見てみましょう。
距離は、シーファイアの届く距離です。
殆ど近距離とも言えますが、英艦載機が日本の防空網を突破するためにこの距離とします(でないと、「大西洋のコジュケイ打ち」になってしまいます。)。
日本側のオーダーは先ほどと同じく攻撃機は二波500、防空隊150です。
一方の英機動部隊は、二波で120機、うち攻撃機90機、防空隊60機です。
この場合、日英同時発見とします。
英側の奇襲攻撃も無しです。
お互い同じ条件とします。
英側の機動部隊の顛末は先ほどと同じとしますので、日本側だけの経過をここでは見てみましょう。
日本の防空隊は約150機。
主力は「零」であと少数の「烈風」があります。
一方英側の第一波は最大で80機程度、第二波が40機程度です。
単純に数の差だけなら、英側の攻撃隊は完全にインターセプトされてしまう事になります。
ですが、史実のマリアナ沖海戦ですらそうだったように、この時代に完全な迎撃など夢物語なので、両者が絡み合って混沌とした空から、三割程度の英攻撃機が日本機の迎撃網を突破します。
艦隊に入り込んでくる機数は、第一波が20機、第二波が10機程度です。
さらに日本側も英国側ほど洗練されていませんが、戦訓によりそれなりに防空体勢を強化しているので、この攻撃機を熾烈な対空砲火が出迎える事になり、日本側と同様に最初が1割、次が2割の投弾成功として、合計で4発程度の命中弾が発生します。
魚雷と爆弾が半分ずつとして2発ずつ、日本側の中型空母なら十分撃沈できる破壊力です。
分散していれば、2隻が損傷です。
そして常識的に見れば、軽空母と中~大型空母1隻が被弾。
大破損傷後退となります。
以後日本側の攻撃力は、さらに1~2割程度低下しますが、結局のところ大勢に影響はありません。
次の攻撃で英主力艦隊に大損害が発生する事は、その戦力差から間違いのない事です。
しかも、この場合接近しているのでより多数の攻撃隊が日本側から放たれる可能性があり、しかも主力艦隊すら接敵できる可能性すらあり、この日のうちに英艦隊がまるごと壊滅する可能性も十分あります。
ついでに、インド洋でも扱った奇襲攻撃の可能性も、日本側もすでに大半の艦艇に電探が装備されているので、無様な奇襲ではなく結果として強襲になり、初手の日本側の攻撃力が低下するだけで、これも大勢を覆す事は不可能です。
そして、索敵面ではドイツからの全面バックアップを受ける日本側が、むしろ有利な態勢にあります。
もちろん、英側も方々で逃げ回る護送船団や潜水艦、哨戒機などからの報告があるでしょうが、英艦船の大半が日本機を恐れて逃げているだけに、いつも通り執拗に相手を追いかけ回すドイツ側の情報と比べれば、どうしても精度に劣ります。
ゆえに、ここでは最初の想定どおり、日本側が図らずも一方的に殴り続ける状態をとります。
日本艦隊としては、英機動部隊の攻撃距離がそこまで短い事は想定していないので(ないしは知っていてそれを利用して)、結果として一方的な戦闘となります。
また、もし日本側が相手の間合いを完全に知っていれば、さらに一日接近に費やして、徹底的な攻撃を画策している可能性もあります。
(これは、率いている指揮官による。)
・フェイズ4 ラプソディー
さて、決戦一日目が終了しました。
英本国艦隊主力が日本艦隊に敗北し遁走を開始した時点で、ドイツ艦隊を追跡していた英巡洋戦艦部隊にもこの悲報が届き、当然、態勢を立て直すために、ドイツ艦隊の追撃を中止し、主力の撤退援護が指示されます。
一方の枢軸側は、日本艦隊は当然追撃を強化、速力を上げて英本国艦隊主力を急追します。
特に戦艦部隊にすれば、今回もいいところを全部空母に持って行かれては、せっかく最強戦艦を束ねて持ってきたのにメンツ丸つぶれです。
しかし、すでに方々動き回っているので、もし後で補給部隊と合流できなければ、大西洋で漂流する事になるかも知れません。
そして、ドイツ艦隊は強敵の追撃がなくなったのは良いのですが、今回の戦闘ではボートと日本艦隊だけが活躍しており、ここで水上艦隊もいいところを見せておかないと、今後総統閣下からの覚えが著しく悪くなること請け合いです。
しかし、相手をまくためにアイスランドを大回りして、北大西洋に躍り出ようとしていたので、お誂え向きに日英の決戦海域の比較的近くにまで移動を終えています。
このためドイツ艦隊は、損傷後退している英部隊を標的として進路を変更、日本艦隊と挟撃する形で追撃を開始します。
また、ジブラルタルに待機しているイタリア艦隊も、ドゥーチェが調子に乗って追撃戦に参加を表明させます。
さて枢軸側全てから追われる立場となった英国側、叩かれた主力部隊は戦艦5隻がまだ無傷で健在ですが、戦艦3隻、空母1隻が大きく損傷しており、これを護衛しつつ撤退するのは至難の業です。
途中で巡洋戦艦5隻を擁する部隊が合流すると言っても、枢軸側の艦隊が追撃してきている以上、予断は許しません。
特に圧倒的な航空戦力を誇る日本艦隊から逃れるのは至難で、余程巧妙に逃げなければいけません。
でないと朝日が昇ればまた雲霞のごとく艦載機が空襲してくるのは明白です。
また、ドイツのUボートの存在も無視できません。
特に進路を妨害しつつ攻撃を時折仕掛けてくるので、これに対処するだけで時間が取られており、場当たり的に対処する以外処置無しです。
英艦隊としては、いかに自制空権下に逃れるかがキーポイントとなりますが、大型爆撃機は基本的に対潜攻撃しかしたことなく、モスキートやタイフーンはまだ少数、頼みのシーファイアは航続距離が短いときています。
そして、大西洋のど真ん中で決戦してしまったので、追いかけてきている日本艦隊を振り切り、本土近辺まで戻るには最低後丸一日が必要です。
しかも、真っ正面に後退すれば、北からはドイツ艦隊、西からは日本艦隊、南からはイタリア艦隊まで来るかもしれません。
しかもどの艦隊も自らよりも脚が速く、確実に距離を詰めつつあります。
つまり、逃げるだけではジリ貧です。
それならば積極的行動に出るのが、見敵必殺を信条とする王立海軍としては傾きやすい戦術判断かもしれません。
時にはバクチも必要です。
そして、相手の分力を叩くのが戦いの常道ですので、強大な日本艦隊でなく、ドイツかイタリア艦隊のどちらかをまず撃破するのが、この状況の中で妥当な戦術判断となります。
距離が近いのは、ジブラルタルを出たばかりのイタリア艦隊でなく、アイスランド沖を南下してきているドイツ艦隊ですので、これが攻撃目標になります。
しかもこちらなら、巡洋戦艦部隊がすぐ後方からドイツ艦隊を追撃する形になっており、マークも最初からしているので捕捉も容易です。
うまくすれば挟み撃ちもできます。
さらに、英国の窮状を作り上げたドイツが相手ですので、船員達の戦意も高いこと請け合いです。
そして、ドイツ艦隊を撃破後、部隊を合流させて陣形を再編、大きくなった防空能力を維持しつつ、日本艦隊をかわせば撤退も不可能ではないでしょう。
また、枢軸側の裏をかいて一旦北に転進すれば、うまくいけば日本艦隊の明日の予定を酷く狂わせる事も可能となります。
これは日本艦隊がなまじ大艦隊なだけに、こうした突然の変更に対応が難しいからです。
もし、それでも強引に追撃してくれば、RAFの航空攻撃で返り討ちにしてしまえばいいのです。
こうして、夜に入り方針が変更され、部隊を編成しなおし、急遽英艦隊は全力挙げてドイツ水上部隊の方へ進路を向けます。
なお、この際速力が著しく低下して戦力にならない艦艇は、一部護衛をつけて、別航路で本土に向かわせます。
そして、夜明けも近い深夜、ドイツのラダールは突如多数のプリップを確認します。
コソコソと逃げていたはずの英国艦隊が、突如として自分たちの前に姿を現したのです。
部隊には間違いなく戦艦がいる事も分かります。
戦艦は合計5隻、間違いなく英本国艦隊主力です。
しかも、ここでもたついていたら、自らの位置から見ると斜め後方から5隻の巡洋戦艦が襲いかかってくることも十分予想できる状態です。
つまり、挟撃されると言うことです。
対する独艦隊は、戦艦2隻、巡洋戦艦2隻、装甲艦2隻ですので、相手が大型戦艦ばかりなので対戦すれば著しく不利です。
補助艦の不利も合わせれば、向こうが本気で殴りかかってくれば、夜明けには全滅していても不思議ではありません。
かくして、ドイツ艦隊としては、反航戦に持ち込んで英本国艦隊の斜め脇をすり抜ける戦術運動を選択します。
あとは、朝食の時間ぐらいまで我慢して逃げれば、日本の艦載機がやって来るはずです。
追撃はその後すれば良いのです。
ところが、英本国艦隊の目的は、ドイツ艦隊の撃滅ではなく、撤退のための牽制攻撃ですので、この反航戦にまとも乗ってきます。
今次対戦において、大型艦多数を含む砲撃戦の経験の少ない第三帝国のドイツ海軍にこれをいぶかしむ余裕はなく、そのまま砲撃戦に移行します。
キャスティングは英側は「聖者」級1隻、「I」級2隻、「KJ5」級2隻、級「QE」級1隻で、ドイツ側が「ビスマルク」級2隻、「シャルンホルスト」級2隻、装甲艦2隻です。
これをいつもの主砲比較をしてみると、英側18インチ×9、16インチ×34、15インチ×8で、ドイツ側15インチ×16で、11インチ×30です。
なお、「KJ5」級は16インチ砲3×2、2×1の8門搭載艦として完成しています。
なお弾薬投射量は、英:独=47:30で、排水量は25:17です。
つまり、とことん殴り合えば、英側は4割の犠牲でドイツ艦隊を完全に撃滅できる事になります。
しかも戦闘が長引けば、英側は「フッド」級3隻、「レナウン」級2隻を擁する艦隊が、後方からドイツに襲いかかる事ができます。
ちなみに、大型戦艦ばかりを擁する日本の水上打撃艦隊の能力は、個艦性能の大きさから英側の二倍以上になります。
そして、ドイツ側、英側双方の目論み通り一通過で砲撃戦は終わり、双方多少損傷艦が出ただけで戦闘は終了します。
結果は、単純に見て順番に打ち合っていれば、装甲を貫通される可能性の極めて高いドイツ側が大きな損傷を受ける事になります。
18インチや16インチ砲を受け足がヨタついたところに、懐に駆逐艦から魚雷をたたき込まれれば、巡洋戦艦や装甲艦なら撃沈されてもおかしくありません。
そして、双方の艦隊が離れると夜が明け、英本国艦隊は無事巡洋戦艦部隊と合流し、日本艦隊が前日の夕刻時から予想もしなかった位置にいます。
夜明け前にドイツ艦隊から報告を受けますが、索敵機すら届く距離になく追撃も難しいので、やむなく本作戦をここで終了します。
ただし、全ての枢軸艦隊のうち、ドイツ艦隊主力と日本艦隊は、本来の目的地ブレストを目指さず、次なる英本土作戦のために、より有利な位置にあるドイツ本土へと進路を取り、敵艦隊の警戒の必要がほとんどなくなった北海を通り、キールやヴィルヘルムス・ハーフェンへと堂々入港します。
一方、イタリア艦隊は一旦ジブラルタルに後退し、同じく次の作戦に備え、一部ドイツの通商破壊部隊だけが、ブレストへと入港します。
そして、日独の艦隊が初めて邂逅し、お互いエールを交換し、総統閣下による高らかな勝利宣言が行われます。
■バトル・オブ・ブリテン・Round 2 ▼





