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八八艦隊育成計画 第二章 皇国の行く末  〜Chapter 2 Future of Red Sun〜  作者: 扶桑かつみ
chapter4

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chapter4_4_2 敗戦


■ chapter4_4_2 敗戦


 


 米独との泥沼の戦争を継続した連合国は、


 その国力の差から敗退を余儀なくされ、


 数年後日本は敗戦を迎えました。

 

 ・


 ・


 ・


 ・


 ・


 ・

 バッドエンドです。

 





■あとがきのようなもの?(いいわけ・其の1)


 はい、あなたは少し貪欲に大戦争を望みすぎたのではないでしょうか?(笑)

 この選択を選んだ方の中には、「日英同盟が米独枢軸を苦難の末打ち倒す」ないしは「何とか停戦に持ち込むまで悪戦する」などの萌える、もとい燃える展開を予測された方も多いのではないでしょうか。

 私としても、主に感情面からならそれをしたいのは山々です。

 


 しかし、ここで少しこの選択での状態を認識していただきたいと思います。

 


 日英vs米独。

 総合戦争遂行能力格差は1対2以上で米独側が圧倒的に優勢です。

 そして、戦争は完全に泥沼化。

 戦争を途中で手打ちにするための有力な戦争仲介国はなし。

 その上、後から参戦したアメリカ合衆国は、戦争目標の達成(経済問題)のため、主に対日戦で結果が出るまで停戦の意思はなし。

 

 つまり、この結末は見えすぎるぐらい見えていると言うことです。

 


 日英側に宇宙戦艦ヤマトやノーチラス号、はたまた轟天号(某究極超人の愛車ではありませんよ(笑))やサンダー・バード(戦争の役に立つかな?)、もしくは火葬戦記の代表選手(?)の某「紺碧」のような、未来位置予測型誘導魚雷でもあるなら話は別ですが、戦争遂行能力からランチェスター・モデルを当てはめて考えれば、米独側がだいたい25%程度の損害を受けるだけで日英を完全に叩き潰す事ができる、と言う事です。

 つまり、「仮想戦記的」な展開となっても辛勝すら難しいわけです。

 

 もちろん反論もあるでしょう。

 確かに、国家として国力の25%もの損失は決して許容できるものではありませんし、ドイツがソ連と既に戦って疲弊しているなどの要素があり、一概に述べる事はできませんが、やはり戦局がどのように進展しようとも、日英側が奇跡の大勝利を何度も何度も行わなければ、千日手にすら持ち込む事はできません。

 

 特に日本側にとっては、遮二無二日本を攻めかけてくるであろうアメリカに対し、主に体力面からこれに対抗する事は、史実の三倍の国力を以てしても非常に難しいのが事実です。

 

 そして、「奇跡」なんてものは、史実を見れば分かる通り発生しないからこそ「奇跡」と呼ばれる、と言う事を実感させられます。

 もし仮にそう呼ばれるべきものが発生したとしても、一度の戦争で1回発生するかどうかでしょう。

 


 つまり、単純な結論から述べれば、日本の待っている未来は、史実をほぼ同様の「敗戦」です。

 

 もっとも、以上の解説だけでは納得できないかもしれないので、このルートの終末に向けての経緯は、簡単に経緯のみを箇条書きで紹介して一応の結論としておきたいと思います。

 



◆戦争の経緯(四半期単位での戦局の動き)


1943年10月:

 独ソ単独講和成立

 連合国、ソ連を連合国から除名


1943年秋:

 米を除く全ての国の戦時生産がピークを迎える

 米の戦力の過半が大西洋にシフトされる

 米は、太平洋戦線においてしばらく防守体制を堅持する

 米独共同による英国のシーレーン破壊が急速に進む


1943年冬:

 英国のシーレーン破壊決定的となる

 米の対独レンドリース本格化

 米戦略爆撃兵団、ドイツ本土に飛来



1944年春:

 欧州・大西洋での日英の海洋戦力の消耗

 米戦略爆撃兵団、ドイツと共に英本土爆撃


1944年夏:

 英本土の生産力減退

 太平洋方面での日本軍の無理な攻勢による消耗


1944年秋:

 米独軍による英本土破壊進展

 英国、枢軸国側に降伏


1944年冬:

 米軍の戦力の太平洋側へのシフト始まる

 ドイツは、近代国家としての体力の限界に来ている事から形だけの対日戦シフトを行ない、事実上の傍観を行ない、欧州、ロシア、中東への進出と地固めに奔走する



1945年春:

 米軍によるハワイ奪還作戦

 日本軍ハワイ失陥、日本海軍大打撃

 勝者の米軍も大損害を受ける


1945年夏:

 日米双方の洋上戦力の再構築


1945年秋:

 米軍、マーシャル諸島侵攻

 日本軍戦略的後退(該当戦力不足による)


1945年冬:

 米軍、マリアナ諸島侵攻

 日本軍は、一度は米軍を跳ね返す



1946年春:

 日本のシーレーンの崩壊始まる


1946年夏:

 米軍、再度マリアナ諸島侵攻、マリアナ陥落

 日本海軍壊滅


1946年秋:

 米軍、硫黄島侵攻

 日本のシーレーンの崩壊決定的となる


1946年冬:

 米軍による日本本土爆撃始まる

 枢軸国、日本に降伏勧告


 第二次世界大戦終結




 おおむね、戦局の推移はこの程度ではないでしょうか。

 

 日英側が大規模な戦いで何度か大きな勝利を得たとしても、このスケジュールは枢軸側の生産力を前にして半年から1年程度スケジュールを遅らせるだけになります。

 

 また、カナダを戦略的な意味で保持できているうちに、連合国側がなりふり構わない米本土攻撃を行えば、米国で大混乱が発生するでしょうが、この場合米国が体制を建て直した後は、米国民が敵国を焦土と化すまで戦いをやめない恐れが高いですので、国力差から戦争に勝利が難しい日英側としては、選択できる戦略でもありません。

 

(火葬戦記的「大胆な」戦略(戦術)的行動をとるには、この想定はあまりにも危険が大きすぎます(笑))


 かくして「日英敗北」が、このルートでの結論となります。

 


 そして、その後の戦後世界は、戦争の勝者たる欧州国家社会主義帝国率いるドイツ第三帝国と、自由の守護者にして世界の海洋の覇者となったアメリカ合衆国との対立に二極化していきます。

 

 日本は、戦後のドイツ(+国家社会主義ソ連)のアジア政策重視に従い、アメリカのアジア戦略の中核としてアメリカ側陣営の同盟国に再編成され、アメリカにとっての最も重要な同盟国としての再出発をする事になります。

 

 英国は、戦後は国家としての生き残りを図るために、ドイツの軍門に降った本土と米国の経済圏に組み込まれた植民地諸地域とに分裂状態となります。

 

 なお、中華地域は、国家社会主義中華と中華民国、満州に分裂、台湾は日本から自治独立、日本はほぼ日露戦争後の状態までに国土を縮小するでしょう。

 

 そして満州、朝鮮半島全土、台湾、樺太、カムチャッカ北端が自由主義陣営となった日本側(アメリカ側)により確保されているため、日本本土への直接の脅威は低くなりますが、その分日本の防衛負担は大きく、史実よりもはるかに大きな軍備の維持を強いられる事になります。

 (あ、そうそう朝鮮半島国家は日本と共に「敗戦国」側です。)

 当然、これだけの地域を史実よりも薄弱な国力しか達成していないアメリカが、国家社会主義陣営から保持できない事も、日本が大きな軍事力と国力を保持しなければならない事に大きく影響しています。

 


 この辺りで締めたいところなのですが、少し書き足りないので、後書き(いいわけその2)をもってこのルートでの第二章の終幕としたいと思います。

 



■あとがきのようなもの?(いいわけ・其の2)


 はい、見ていただければ分かると思いますが、このルートは史実よりほんの少しだけマシな結末となりました。

 

 大日本帝国の興亡と言う点から見れば、見紛う事のない「バッド・エンド」です。

 


 ただ、結末が日本本土の焦土化と無条件降伏でないのは、アメリカが戦争をふっかけた側だという「政治」と、史実のソ連以上に強大なドイツ第三帝国の存在、アメリカの味方が史実よりも少ない事、アメリカの国力が史実より小さく、そして日本の国力が史実の3倍あり、日本との本格的戦争をする前に、英国を屈服させる戦いで消耗しており、純軍事的に完全屈服させる努力が並大抵ではないからです。

 

 そして、史実のドイツやイギリス並の戦争遂行能力を持つ日本との戦争により、日本本土近く進撃するまでに米軍の損害も目を覆うばかりとなっているからです。

 


 一方、日本側が本土決戦まで徹底抗戦しないのは、史実よりも文民統制の行き届いた政治形態を保っているからに他なりません。

 

 また、一部軍部の弊害とされた極端な精神主義などもなく、多少なりともまともな軍隊だと言う事も影響しています。

 

 そして、政府、軍部共に国際社会でまともに活動と交流を行っており、日本の国際的地位も高いので、ごく常識的な見識から抗戦が無意味な段階に至った時点での条件付き降伏という、ごくありきたりな結末が選択されます。

 

 また、新たな対立を見越した事により、違った形での生き残り策を企てた結果かもしれません。

 

 なお、日本の降伏における妥協点は、色々な意味での国体の保持、日本が国家として生存できるだけの勢力圏の維持というところになるでしょう。

 また、戦争の原因の国際市場は、一度アメリカに全部渡します。

 これだけは、仕方ないでしょう。

 まあ、どうせ大半はあとで返して貰えるのですから、一時的に維持管理をしてもらっていると思えば、あまり気を悪くすることもないでしょう。

 

 そして戦後日本が、史実のものと大きく違う点は、無条件降伏ではなく占領軍に国土が軍靴で踏みにじられていない事と、領土(+勢力圏)が史実のものよりも遥に大きく残っている事です。

 

 また、衛星国にそれなりに囲まれている事ももちろんですが、何よりも明治政府以来の本来の意味での「日本政府」と「日本軍」が戦前同様保持され、国家社会主義陣営が「敵」で、日本の政治が戦前同様敵対勢力に厳しい姿勢を維持しているので、社会主義、共産主義勢力がほぼ存在しない事です。

 (悪名ばかりが高い治安維持法も形を変えて存続しているでしょうから、思想家にとっては多少住みにくい国でしょう。)

 ああ、もちろん日本全土が旧来の日本政府により保持されているのですから、鉤十字の日本(黒い日本)が生まれる事もありません。

 

 なお社会的・経済的な面での改革は、史実のように占領軍でなくても日本政府によっていずれ行われる予定だったと言われていますので、この点はほぼ違いはないでしょう。

 


 まあ、論じだしたらキリがないので、この想定全般における最も大切な点を最後に見てみましょう。

 

 そうです、我らが『八八艦隊』、彼女達の顛末です。

 

 戦争後半は、史実とほぼ同じような経緯をたどっているので、バタバタと倒れている事は間違いありません。

 ですが、史実のように本土攻撃を徹底的にされていませんので、最後の戦闘に備えて軍港に逼塞してからは比較的健在と言う事になります。

 

 史実では、硫黄島の戦いの時点で12隻あった戦艦のうち5隻がいちおう健在でした。

 比率にして42%の生存率です。

 

 簡単な想定しかしていないので、最も適当な数字と想定して、この比率で考えてみましょう。

 

 『八八艦隊』世界では、1939年の時点で21隻の戦艦がありました。

 これに1941年頃に就役する「高千穂級」戦艦2隻、1944年頃から就役を開始する「大和級」戦艦が最低2隻、その後の計画も進んでいれば最大4隻就役していることになります。

 

 つまり、日本軍の戦艦の総数は最大27隻と言うことです。

 つまり史実の二倍強です。

(さらに超甲巡が2隻程度ある。)

 そして残存艦はこの42%ですので、つまり11隻が残存している事になります。

 単純に比率から考えれば、「高千穂級」、「大和級」戦艦から2~3隻、旧式戦艦から2隻、『八八艦隊』計画艦からは6~7隻が残存しているわけです。

 

 まあ、「大和級」戦艦3番艦以降は、戦局がどうしようもない段階になるあたりで就役する可能性が高いので、残存しているだろうと考えると「高千穂級」、「大和級」戦艦から3隻、『八八艦隊』計画艦が6隻としてもよいでしょう。

 そして、様々な意味での生存性から考えると強力な艦ほど生き残りやすいので、「富士級」、「紀伊級」から2隻ずつ、それ以外が1隻ずつと言うところでしょうか。

 

 しかし、米軍とほぼ同程度の技術力(+修理能力)を持った日本軍ですので、米軍も相応の損害を出していると考えると、米軍の戦艦部隊も同様に壊滅しているのですから、彼女達にすれば本望と言える結果かもしれません。

 


 ともかく、生き残りの戦艦たちは11隻、これだけです。巨大な米軍の工業力を真っ正面から受けたとすれば、このぐらいの残存性が確かに精いっぱいでしょう。

 もちろん、空母群も同様に壊滅しているでしょう。

 史実通りなら、戦前からあった空母はほぼ全滅、戦争中に就役したものや戦時計画艦の残存艦も史実の二倍近い艦が建造されたとしても、あまり明るい数字ではないでしょう。

 

 ついでですので、戦艦と同様の仮定から考えてみましょう。

 

 史実では、日米開戦までに6隻、戦中に5隻の大中型空母が就役しています。

 そして、1945年2月時点での残存艦は、戦中に就役した2隻のみです。

 機動部隊用の改装空母を含めても数はしれています。

 

 つまり、絶対数をこの二倍として、残存正規空母はたったの4隻です。

 史実通り米軍が2ダース以上もエセックス級大型空母を建造していると考えると、残存数は確かにこんなものかもしれません。

 

 まあ、この世界では満載5万トンクラスの超大型の装甲空母が4隻程度就役しますので、1、2隻は残っているでしょうが、明るい材料はこれぐらいです。

 

 もっとも、運用する機材や技術的な点が全く違うので、同様に判断するのは難しいですが、多く見積もってもこの五割り増しの残存数が精一杯でしょう。

 

 もちろん、米軍も同様に消耗しているので、こちらも史実よりははるかに善戦していることは疑いないでしょう。

  

 ただ、空母は生産力の差がダイレクトに影響しますので、この点で最終的に押しきられるのは仕方ないでしょう。

 


 また、満州や樺太の油田が停戦の時点でも、ほぼ間違いなく保持されているので燃料不足に陥る事はなく、戦艦も空母も、いや連合艦隊そのものが史実以上に酷使され、史実よりもひどい損耗率を示している可能性も十二分にあります。

 

 まあ、戦争終盤はフリート・イン・ビーイングに走るのが海軍の常とも言えそうですので、この点は差し引いて考え同程度の消耗としておいてください。

 


 かくして、海軍全体も四割の残存(補助艦は3割程度か)という形で停戦を迎え、戦後さらにその25%程度が軍縮にしたがい退役、そこからの再スタートとなります。

 

 再スタート時の海軍は、大型戦艦6~8隻、正規空母4隻程度でしょうから、史実に比べればはるかにマシな状態ですが、やはりここでの結論は「バッド・エンド」です。

 

 アメリカ1国相手で、日本側の同盟者なしという状態に持ち込まれた時点で、日本に勝ち目はなかったと私なりの結論として少しでも受入れてくださればと思いつつ、ここでのルートを終えたいと思います。

 


 では、最後の言葉の代わり、鎮魂の言葉の代わりとして、この世界のレイテ沖海戦にあたる、硫黄島沖海戦時(最後の大規模海戦)の大型艦を中心とした艦隊編成表を記して最後にしたいと思います。

 


 ここまでおつきあいいただきありがとうございました。

 

 ではまた、別の平行世界で会いましょう。




■1946年10月現在・日本海軍・連合艦隊編成表


 第一遊撃隊・第一部隊(旧第一艦隊)

BB:<大和><武蔵><甲斐>

BB:<富士><阿蘇><浅間>

BB:<紀伊><尾張>

CG:4、CL:1、DD:12


 第一遊撃隊・第二部隊(旧第二艦隊)

BB:<葛城><赤城><高雄>

BB:<金剛><榛名>

CG:2、CL:1、DD:8


 第二遊撃隊(旧第五艦隊)

BB:<土佐><長門>

CG:1、CL:1、DD:5


 第一機動艦隊(艦載機:約280機)

BB:<穂高>

CV:<海鳳>

CV:<伊勢><日向>

CVL:2隻

CG:2、CL:1、DD:6


 第二機動艦隊(艦載機:約320機)

AC:<剣><黒姫>

CV:<瑞鶴><千鶴>

CV:改飛龍級:2隻

CVL:2隻

CL:3、DD:8




予想されうる米機動艦隊

BB:新型12~17隻、旧式3~5隻

CV:新型12~16隻、旧式1~2隻

CVL:5~6隻

艦載機:約1300~1800機



18隻の戦艦が作戦参加していますが、このうち本作戦から終戦までにさらに7隻が戦没する事になります。

(でも、何だかこの戦闘では、全滅するかもしれないけど勝てそうだな(苦笑))





End 


別ルートはまだまだ続きます。

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