48.変態作品の書き方
活動報告にてリクエストがありましたので、私なりの変態作品の書き方をみなさんに伝授したいと思います。
あっ。みなさん回れ右しないで……!
私はいつだって真面目に小説を書いています。
そう、真面目にほっこり異世界恋愛……情熱的な恋愛小説を……
しかしふとした瞬間、魔が差すのです。
「そろそろ変態作品を書かなきゃなぁ」
変態作品では絶ッッ対に書籍化出来ませんので、書籍化を目指すなら書くだけ無駄です。
それでも変態作品が書きたい!コメディが書きたい!みたいな奇特な野郎どもに向けて、私なりの変態作品の書き方を伝授します。
まず、こんな支離滅裂な変態作品でも筋書きを考えて行きましょう。
私のやり方としては、まず四コマ漫画を考えます。
オチまで考えて、まずはそこまでを小説にしたためます。
そこで終わり……ではありません。
実はオチのその先を書いて行くことに、変態作品の肝があります。
何が言いたいかと言うと、「整合性」「筋道」「世界観」──このような正統性を排除、または崩して行かなくては、その作品は変態作品にはならないのです。
大切なのは「ノリ」。
そういうわけで、四コマでつけた筋道を、がしゃがしゃと壊しながらその先を書いて行きます。
「正道」のようなものを、変態どもに与えてはならないのです。
オチをつけて読者を「納得」などさせてはいけないのです。(そのようなことが目的なら、創作落語か漫才の台本でも書けばよろしい)
しかし変態作品やコメディを書きながら、誰しもが一旦は我に返り
「私はなぜこんなものを書いているんだ?」
「頭がおかしいんじゃないのか?」
「人様に笑われるなんて、耐えられない!」
と、己の変態性と羞恥心の間で揺れ動くことと思います。
変態作品を書き切るには、意外と強靭な精神力が必要なのです。
コメディなんて、羞恥心が邪魔して書けないよ!……と、このように思う方が大半ではないでしょうか。
そんな時、頼りになるのが「なろうテンプレ」です。
婚約破棄、悪役令嬢、追放、聖女、無双──
このようなテンプレを借り、笑える方向に改変してしまえばいいのです。
そう、手法としては「パロディ化」の路線で突き進んでみましょう。
いちから変態作品を書くのは己の内なる変態性とがっぷり四つで向き合わなければならないから大変ですが、テンプレをパロってしまえばそのような羞恥心とはさよなら出来ます。
「私は変態ではない。パロっているだけだ」
そう念じて、変態作品を書いて行きましょう。
きっと素晴らしい変態作品が完成します。
しかし最後に注意して欲しいことは、結局どんな手法を取ろうが評価を稼ごうが
「変態作品を書いてみよう」
などと思い立った時点であなたは変態です。
無論書き上げたら正真正銘の変態です。
「あっ、変態作品だ。読まなきゃ」
そう思った時点でもあなたは変態です。
書く変態に読む変態。
誰もが結局、変態からは逃れられないのです。
みんな変態です。そこのあなたもです。




